いつもお読み頂きありがとうございます。
今日はカンボジアを舞台にした戦争の裏側のことをお伝えします。
まず、下の地図をご覧ください。
中国の南に、今栄え始めているベトナム、カンボジア、ラオス、タイ、ビルマ(ミャンマー)があります。
カンボジアの真ん中に水色の細長い湖が見られますが、それが琵琶湖の23倍の面積を持つトンレサップ湖です。
この中で、最近特に経済的発展が目覚ましいといわれるベトナム、タイ、カンボジアを比較します。
ベトナム
面積:329,560km2 人口:84,238,000人 人口密度:253人/km2
所得:1人あたり 2,783ドル
タイ
面積:513,120km2 人口:66,404,688人 人口密度:126人/km2
所得:1人あたり 8,100ドル
カンボジア
面積:181,035km2 人口:14,805,000人 人口密度:74人/km2
所得:1人あたり 2,066ドル
この、人口を見て下さい。
人口密度を見て下さい。
この差はどこから生まれてきたのかといえば、ポル・ポト政権による知識人、芸術家などの殺戮の結果です。
シアヌーク国王の下、1949年にフランスから独立したカンボジアは、ベトナム戦争の影響で1968年に米軍の空爆を受け、そして1970年には親米派のロン・ノル将軍により国王が追放され、クメール共和国になりました。しかしながら内戦が激化、空爆はカンボジア全域に亘って数十万人の犠牲者が出ました。1975年、中国の文化大革命の影響を受けた極左であるクメール・ルージュの独裁者であるポル・ポト政権が樹立し、旱魃や飢餓や虐殺などで200万人とも呼ばれる人々が殺害されました。1979年に、ベトナム軍が侵攻し、ポル・ポト政権を打倒、その後も内戦が続きました。
そして地雷や不発弾による怪我人は1979年から1999年までの20年間に4万人から5万人に達しました。地雷・不発弾で負う障害では、手足の切断が40パーセントを占め、同時に手足・身体の負傷が40パーセントになっています。その他、やけど、視力喪失、聴力喪失、麻痺などの障害も地雷により負うことがあります。
また、国民一人あたりの埋設地雷数は0.83個~1.3個にもなります。このため、地雷による被害は多発し、後を絶えない。赤十字国際委員会96年の調査では、被害率が最悪の時期(1994年)では国民236人に1人が地雷により死傷しているという結果が出ています。
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カンボジア |
1/236人 |
アンゴラ |
1/470人 |
ソマリア |
1/650人 |
ウガンダ |
1/1100人 |
ベトナム |
1/1250人 |
モザンビーク |
1/1862人 |
出所:外務省HP
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/arms/mine/index.html
簡単に歴史をまとめると、カンボジアの近代史はこのようになります。
さて、血の叫びでは、単にベトナム軍やアメリカ軍といったことでは済ませません。
誰が儲けたのか、に焦点を当てたいと思います。
これは一貫してアメリカが儲けた戦争です。
また、ソ連も。
ベトナム戦争でもアメリカやソ連が儲けました。
害を被ったのは子どもたちです。
左の写真は地雷博物館のものです。
ここにあるのはソ連製とアメリカ製の地雷だけです。
また、右の写真は地雷で被害を受けた方の写真です。
ご覧のように、3人がかりになります。
地雷の目的は、戦力を喪失させることだったのです。
だから、体の一部を吹き飛ばし、周りの人々が助けなくてはならない(=戦力が減る)ようにするのです。
また、写真は今は手元にありませんが、黄色やピンクのプレゼントボックスの形をした10センチ四方の、リボンまでかけているように見えるものもあり、これらは木の上などに仕掛けられます。
子どもがけがをするのです。
地雷はあちらこちらに埋設されました。
そして、あろうことか戦争が終わった後もずっと被害が残り続けてしまったのです。
ひとついくらで売れたでしょうか?地雷・・・。
少し調べると出てきます。
1個あたり3ドルから10ドルです。
地雷は森や草はらの至るところに埋設されました。
400万個から600万個が埋められたとのことです。
大体3000万ドルくらいにはなったでしょうか。
トイレを外でする人々は、うっかりその最中に足が吹っ飛んでしまうという悲劇に見舞われたと聞いています。
救急車がないのですから、誰かが気付いてくれて、そしてリヤカーで運ばれます。
病院に着くまでに5時間もかかることがざらでした。
そこで、老人と子どもが途中で出血多量で亡くなってしまうのです。
生き残った人々も大変です。
家族が手足をなくしたら・・・・?
その人が働く意欲を持つでしょうか?
にわかには無理なのです。
被害者の年齢は約71パーセントが成人男性、子どもは22パーセント、女性は7パーセントです。
上記にも述べたように、女性や子ども、老人は病院に行く前に亡くなってしまうケースが多いのです。彼らはこの数字には入っていません。
地雷被害者内訳‐年齢別
出所:ICBL Youth Action Forum
http://www.icbl.org/youth/jp/
やがて各国のボランティアが入るようになり、ODAで日本も多くの地雷を撤去し、NGOが沢山の学校を建設しました。
そして今では多くの子どもたちが元気に走り回り、活気のある国となっています。
これは2004年のカンボジアの人口構成比です。
2012年の今、購買力のある層がどんどん育っています。そして元気に、無農薬・無肥料の粗食を食べてきた、健康極まりない若者が増えているのです。
彼らはこれから夢を実現しようとしています。
新しい文化や流行が次々と生まれているのです。
伝統文化も美しいですが。ダンスの先生も皆殺しになってしまい、ごく少数が海外に逃れることが出来ました。
安全になってから、彼女らを招いて本当に小さなグループから伝統が継承されました。
孤児院の少女たちが幼少の頃から毎日練習をし、手首や足首、全身を柔らかくして微細な女神のダンスを繰り広げます。
この歴史を思うと、踊り手の中に歴史が垣間見れるかのようで感慨深いものがあります。
一方で増える中古車などによる大気の問題もあります。
しかしながら、私たち日本人には街をクリーンに保つ技術もあるのです。
よく、カンボジア政府の方がこぼします。
日本は沢山のお金を出して、橋や道路を整備した。しかしながら人が来ない、と。
でもほんの40年前まで、恐ろしいことが行われました。
ソ連はなくなりましたが、戦争屋はこのようにして血から利益を得ているのです。今も。
真に豊かな地球を目指し、私たち一人一人の心の中に、優しい花が咲きますように。
今日もお読み頂きありがとうございました。