ヤマユリ・オニユリ ユリ科ユリ属
近畿地方以北では、夏に山間部をドライブしていると、一般的に見ることができる花であるが、中国、四国、九州に自生はない。大きい花は25センチくらいになり、草花の中では最大級。
ウィーン万博(1873)で、日本のユリとしてに紹介されて以来、球根は大正時代まで主要な輸出品のひとつであった。栽培品種の母株として重用された。
花の存在感のせいか、多くの県花(神奈川)、市花(八王子・行方・十日町・遠野・柏崎・秦野など)、町花に制定されている。
≪花期≫ 7、8月 夏の季語
≪適地 ≫半日陰
≪別名≫ ヨシノユリ(吉野百合)・ユリネ・エイザンユリ(叡山百合)・ホウライジユリ(鳳来寺百合)など
≪同種 ≫ササユリ(地方によってはヤマユリという)、ヒメサユリ、スカシユリ、クルマユリ
≪名前の由来≫ 大きな花が風に揺れるさまから「ゆする」・「ゆれる」→「ゆり」の説が有力。朝鮮語に由来するという説もある。「百合」は、麟茎の形(根が重なり合っている)から。麟茎が重なり合う「より」→「ユリ」の説も。
万葉集では、「由理」「由利」「佐由利」の表記があり「「ヤマユリ」「ササユリ」のことをさすと思われる。
「オニユリ」 鬼のように大きいという説と、花の姿が鬼のように見えるという説がある。
≪薬用としてのヤマユリ≫ 10~11月にヤマユリの鱗茎(りんけい)を掘り取り、水洗いして熱湯をかけてから、天日で乾燥させたものを生薬で、百合(ひゃくごう)と呼ぶ。
オニユリ、ヤマユリ、ササユリ、テッポウユリなども同様に用いる。
鎮咳(ちんがい)、鎮静、滋養、強壮、解熱、利尿(りにょう)薬。
http://www.e-yakusou.com/sou02/soumm166.htm 薬草
≪食用としてのヤマユリ≫ 日本では、ヤマユリ、コオニユリ、オニユリの3種が鱗茎(ユリ根)を、食用とするため栽培される。
りん茎は葉が多肉化したもので、植物の冬ごもり術。秋に掘り取り、鱗片をはがして洗う。
大球になると苦味が強くなる。苦みを除くためにあらかじめ軽く煮てから、きんとんや雑煮、茶碗蒸しに用いる。
ごぼう、にんじん、たまねぎなどと混ぜて、かき揚に。
茹でてさらして、梅酢あえ。
中国では乾燥させたものを、水で戻して炒め物などに使う。すりおろしてとろみ付けにも使われる。
良質なでんぷんの原料にもされる。
蕾、花びらは重曹を入れて、ゆでて約30分さらしてサラダ、梅酢などに。
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花の数は、一年に一個ずつ増えると聞いたこともあるが、どうだろう?
20個近くつけたものも見たことがあるが、たいていは5.6個の気がする。
花言葉の「純潔」は、花の色、姿かたちにはふさわしいが、むせ返るような香りと、洋服についた花粉の色の強さは、この花言葉には似合わない。
地下に生きるモグラやネズミが球根を好み、中々根づかないとも言われるが、種子からもかなり増える。
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「立てば芍薬(しゃくやく)、座れば牡丹(ぼたん)、歩く姿は百合(ゆり)の花」ということばがある。言わずと知れた美しい女性をたとえる表現であるが、日本女性を例える「なでしこ」に比べて、かなり華やかな花々である。
芍薬と牡丹は、背の高さも花の形も、それほどちがわないのに、座と立ち姿勢に採用されたのはなぜかわからない。ユリは背が高いので、成る程立ち姿勢だし、歩く姿にもぴったりの風情があると思う。
「立てば芍薬、坐れば牡丹」についてNo2
漢方では三つとも根の部分が生薬として使われる。特に、芍薬と牡丹は婦人科系の病気に効能があり、「立ったまま長くおしゃべりできる女性には芍薬を、すぐに座りたがる女性には牡丹を配合するとよい」という意味で、「立てば芍薬、座れば牡丹」の表現があるそうだ。
20077.28庭
「オニユリ」2007.8.15撮影・庭
オニユリとコオニユリは「ムカゴ」の有り無しで区別する。これはムカゴがつくにで「オニユリ」
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