(本頁は「錦秋の屛風岳(4)」の続きである。)
この日二度目の高松岳南山頂に立つ。東に見えるのは栗駒山。
ここから先、北側の眺めはこれが最後になるだろう。
NHKの『にっぽん百名山』などでは山に登るシーンに多くの時間が割かれ、
下りのシーンは省かれる傾向がある。
特に私のようにピストン登山の場合はそれが顕著だ。
しかし現実の山歩きでは下りにもけっこう時間を費やしている。
また同じ場所を歩いていても、
行きと帰りでは太陽角度や天候の違いにより、見える景色も違って来るものだ。
今回は天気に恵まれたものの、午前中は鳥海山や月山など遠くの高山には雲がかかっていて見えなかった。
ところが帰る頃になったら、それらが一斉に見えるようになった。
他にも違う景色が見えたのであえて帰り道の様子も詳述させて頂く。
高松岳南山頂から、鳥海山を望む。右手前は山伏岳(1315m)。
鳥海山をアップで。左手前に丁岳や甑山。
今日の鳥海山はこの時期としては珍しく、まだ冠雪していなかった。
おそらく越年すると思われる南斜面の雪渓がしっかりと見えていた。
月山、鳥海山を交互に眺めながら下山する。
小又山、天狗森の後ろに月山。
鳥海山と山伏岳。
屛風岳
屛風岳越しに丁山地、鳥海山を望む。
この日最後の神室連峰と月山。
鳥海山もこれが最後か。
この後は高松岳南西斜面の紅葉を続けてみる。
例の鼻こすり付近。
急な下り坂が続くが、錦の紅葉絵巻は圧巻そのもの。
上の方ではダケカンバの樹形がみごとだった。
高松岳と虎毛山を結ぶ稜線はブナの樹海に覆われていた。
手前の黄色い葉はダケカンバだろうか。
この場所では登りの時も虎毛山を見ている。
こんなに美しい紅葉を観たのは久しぶり、いや初めてかもしれない。
「錦秋の屛風岳(6おわり)」へ続く。