2024年12月16日、秋田のとある自然保護団体の研修会が
潟上市で開催され、何故か (´π`;)私が講演をすることになった。
今回の講演のテーマは「男鹿毛無山の花」。
その折に映写した花の写真(の一部)を本ブログでも報告させて頂く。
会場に行く途中、潟上市出戸浜付近から、日本海の荒海越しに男鹿半島を眺めた。
積雪はほとんどないが、空は鉛色で風は強く、海は大荒れだ。
左側の雲を被った山が男鹿毛無山。右は寒風山。
研修会場となった潟上市市民センター。
男鹿半島は大昔、男鹿島として本土から切り離され、離島だった時期がある。
そのためか標高700m前後と低い山なのに、秋田県本土とは違う植物が生育し、固有種がいくつかある。
また海外では広く分布しているのに、日本では何故か男鹿毛無山だけというような不思議な分布パターンの植物もある。
数が多いので、三回に分け、まずは春(3、4、5月上旬)に咲く花から。
2022/04/02 フクジュソウの群生。
男鹿は秋田で一番早く春の来る場所だ。
最初に咲く花はフクジュソウとナニワズだ。
通常は三月からだが、早い年には二月末から咲きだすこともある。
最近は温暖化の進行か、年々早くなっているように感じる。
2019/03/03 フクジュソウ。五社堂にて。
(右上)2022/04/02 ナニワズ。フクジュソウと同時期に咲く
フクジュソウの次に咲くのはカタクリやイチゲ類。
2021/04/03 五社堂境内のカタクリ群生。
2018/03/27 アズマイチゲ
(右上)2019/04/18 キクザキイチゲ。花びら(厳密には萼)の枚数が多いタイプ。
2011/04/13 エゾエンゴサクの群生。ケシ科のスプリングエフェメラル(春の妖精)。
2024/04/05 キバナノアマナ。ユリ科のスプリングエフェメラル(春の妖精)。
ホソバノアマナはユリ科のスプリングエフェメラル(春の妖精)だが、
キバナノアマナよりもひと月くらい遅れて咲く。
秋田では珍しいようで私は毛無山でしか見たことがない。
2019/05/04 ホソバノアマナ。
(右上)2019/05/14 ラショウモンカズラ。
国内原産のシソ科としては最大級の花を咲かせる。
ウィキペディアによると、名前はこの花を、渡辺綱が羅生門で切り落としたとされる鬼女の腕に見立てたものとあった。
この花はスプリングエフェメラル(春の妖精)ではない。
ニリンソウはスプリングエフェメラル(春の妖精)のひとつだ。
2024/04/22 ニリンソウの群生。五社堂の参道わきの群生。
シラネアオイ以下はスプリングエフェメラル(春の妖精)ではない。
この花は毛無山では西山麓、五社堂付近に多い。
2018/04/28 シラネアオイ。
(右上)2019/05/14 シラネアオイの白花
2019/04/18 ナガハシスミレ
毛無山はスミレ類の豊富な山でナガハシスミレは二番目に早く咲くが、数は最も多いかもしれない。
花の後ろの矩が長く突き出した姿を天狗の鼻に見立て、テングスミレとも呼ばれる。
2020/05/08 ヒトリシズカ
(右上)2020/05/08 ナツトウダイ
2020/05/08 キバナイカリソウ
以上。
「・・・講演記録/男鹿毛無山の花2」へ続く。
(本頁は「錦秋の屛風岳(5)」の続きである。)
虎毛山の眺めともそろそろお別れだ。
この山にも登ってみたいが、今年はもう無理だろう。
来年以降の課題としよう(2017年の虎毛山登山記録はこちら)。
この後の下りは高松岳の南斜面の紅葉をじっくり眺めながら降りて行く。
このあたりの紅葉は朝登る時はほとんど逆光だったが、帰りは順光に近くなったので色合いもよく認識出来た。
同じような風景ばかりで恐縮。
行く手の方角に屛風岳がちらりと見えた。
その後も紅葉したブナ林が続く。
(右上)ロープ箇所を過ぎる。
かつての車道終点に到着。
目の前に一瞬だが、屛風岳が現れるが、朝見た時とは山肌の色が全く違っていた。
次いでスラブ斜面。
湯ノ又沢の渓流は白濁してるように見えるが、白いのは水ではなく基盤岩の色だった。
(右上)湯ノ又大滝
最後に湯ノ又大滝を見て錦秋の山旅は終わった。
以上。