秋田駒ケ岳は高山植物の生育する山としては秋田市から最も近場にある山だ。
いつでも行けると高をくくっていたせいか、三年以上もご無沙汰してしまった(前回の登山はこちら)。
コロナ禍で遠方の山に行きにくい状況が続いている。
こういう時は近場にこういう山があると有難い。
今回はタカネスミレが目的で、その花が岩手県側の大焼砂に多く自生していることから、
まだ登ったことのない岩手側の国見温泉から登ろうと思い、家を出た。
ところが山麓に着いたら、ヤマセの影響で雲をかぶっていた。風上に当たる岩手県側の空は真っ暗だ。
これだとどうせ行っても霧雨で寒く、何も見えないだろうと国見温泉からの登山は断念、
いつも登っている秋田側の八合目から挑むことにした。
秋田側はヤマセの雲がときどき切れて日が差しているように見えたからだ。
早朝、アルパこまくさから見上げた秋田駒にはヤマセ雲がかかっていた。
今回の非合法マップ
八合目には登山バスがまだ走ってなかったので、仕方なくマイカーで乗り付けた。
6時半に歩き出したら、ワッとガスが出て来て、何も見えなくなった。
歩き出して数百メートルの岩場。いきなり高山植物に逢った。秋田駒は不思議な山だ。
この岩にはイワウメの他にイワカガミの仲間も着いていた。
ベニバナイチゴ
登りはガスで何も見えない。片倉岳への登りで一か所だけ残雪が有った。
その後はあまり撮影せず、阿弥陀池、男岳鞍部から馬の背稜線を経て横岳分岐、そして大焼砂へ。
大焼砂にはタカネスミレの大群生がある。
タカネスミレは焼石や薬師(早池峰)にも有ると言われる(私自身は笊森山でも見た)が、
多いのは岩手山と秋田駒の二山だ。群生となれば秋田駒に敵う山は無いだろう。
タカネスミレの大群生
タカネスミレのクローズアップ
凄い群生だったが、今回は連日のヤマセの霧や雷雨などで閉じている花が多かったのが、ちょっと残念だった。
以前(2015年6月21日)来た時はしっかり開花していたので、併せてご覧いただけたらさいわいである。 ⇒ こちら。
タカネスミレと同じ場所にはコマクサも群生しているが、今回、咲いていたのはざっと見て三個くらいだった。
こちらの見頃は七月になってからだろう。
コマクサの咲き初めを二枚。
コマクサ
コマクサ。右のちっこいのはタカネスミレ。
イワテハタザオ
右上写真では黄スミレが二種、隣り合わせで咲いている。
手前、下のちっこいのがタカネスミレ、上の方、奥はキバナノコマノツメ。
キバナノコマノツメ
秋田駒にはキバナノコマノツメも非常に多い。
みごとな群生も有ったが、その模様は後編に掲載させて頂く。
秋田駒では更にもう一種類、黄色いスミレがある。低山にも多いオオバキスミレだ。
こちらは八合目からの登山道沿いで少し見かける。
オオバキスミレ
秋田駒は花の多い山だ。黄色いスミレ以外にもいろいろな花が咲き出していた。
ミヤマキンバイ
ホソバイワベンケイ
以上、オオバキスミレ以外は大焼砂付近の花ばかり続いた。
他のエリアの花も紹介してみる。
ミヤマダイコンソウ
再び、イワウメ
再び、ベニバナイチゴ
サンカヨウ(半透明モード)
シラネアオイ
ミヤマスミレ
ハクサンチドリ
ヒナザクラ
ヒナザクラ
「後編」へ続く。
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