自分は毎日「午前10時、午後3時」そして帰宅後「午後7~9時」の間に相棒ミッ(ポメプー犬)
の散歩に行く、昼間の散歩は「会社の近くを歩く」そして帰宅後の散歩はアパートの近くを
散歩するが、その際に「気になることがある」
夜の散歩コースは「おおよそ決まっている」のだが、長くそこを歩きながらなんとなく「ベトナムの気になること」に遭遇するのだ。
★1つめは「自分の住む50階建ての高層アパート(ショッピングセンター、ジム【プール】、映画館などが入る複合施設)
での事である。そこそこ大きな建物なので、まず夜の散歩をスタートするとこのビルの周りを反時計回りに1周してから
街に出ていく。このビルの周りは「1周ぐるりと回れる構造になっているのだが」 その裏側の「恐らく非常出口」のある
奥まった場所に「若い(おそらく10代)女性」が壁を背に座り込み熱心に本を広げている。内容もちらっと見えたが
どうやら「この場所」で「勉強をしているらしいのだ」それもかなりの確率で遭遇することを考えると、高い頻度でこの
薄暗いビルの裏側のスペースで「勉学に励んでいるようなのだ」・・・どんな事情があるのかは分からないが?
きっと何かの事情で家では「できない勉強」をこの場所で熱心に行っているのだろう?・・・自分の部屋が普通にある日本の
学生とは雲泥の差である。事情は分からないが?思わず「頑張ってね」と心で思った。
★2つめは「その散歩の途中の裏路地にあるいくつかお店が並んでいる1件の様子である。車も通れるくらいの裏路地に
ベトナムらしい「雑貨屋」が立ち並んでいるのだが、その1件の「店番のおばさん(おばあさん)」の事である。
この店は並びの他店と比較すると「規模も小さく、売っている品物もいかにもしょぼい」その中に「このおばあさんが
ひっそりと座っているのだ」最初は「人の居ることもわからないくらい存在感が無かった」しかし毎日ここを通って分かったのは
他店が「休んでいる時や時間でも必ず開いている」そしていつも「このおばあさん1人」で店番しているのだ。
(朝は早く、夜は10時過ぎまで開けている。コンビニ顔負けの営業時間である)
きっとこの品ぞろえでは1日の顧客はほとんどないのではないかと思う。(毎日通っているが、お客さんが居るのを見たことは一度もない)
そしてどうやらこの「おばあさん」は一人暮らしのようなのだ、店の奥には「炊事場もあり、恐らく朝起きて寝るまでこの店ですべてを
行っているようなのだ? なにか「物悲しい」雰囲気のあるお店なのだ。
そんな地味な雑貨屋で今日も一人、店の入り口とは逆の方向を向いて椅子に座り店番をしている「おばあさん」
一度も閉まっているのを見たことが無い、この店の「おばあさん」の事が気になる。
★3つ目は「ミッとの散歩の後半に遭遇する人である」 ベトナムは「よくゴミだらけ」だという人と
「それなりにキレイ」だという人がいる。ベトナムのごみ処理の現状は
・時間に関係なく(裏路地では一応ごみを集める時間は決まっている?主に夕方)毎日ごみを出す。場所も決まっておらず
通りに面した家はごみがあると車道と歩道の境目あたりに「ポンとごみを投げ捨てる」
・分別も無い、瓶でも缶でも生ごみでも一緒の袋で捨てる。
これをごみ収集の人たち(女性も多い)が夜な夜な掃除してごみ台車で集めるそして「最終的にはごみ収集車に乗せて運ぶ」
ベトナムに来たら夜、この人たちが「働いている姿を見れるかもしれない」過酷な国家公務員なのだ。
だから「朝のベトナムはそこそこきれいに見える」人々が目覚め、活動を開始すると、この「時間も場所も」
決まっていない「ポイ捨て」が始まるので、大体は夕方は「汚いベトナム」になるのだ。
話を戻そう。 夜の散歩で遭遇する「気になる3人目は」このごみ収集を行っているであろう「中年の男性」である。
街のあちこちには「ごみ収集の台車」が集められる場所がある。散歩コースの後半、街灯も無い暗い歩道
に集められた場所に差し掛かるとその一角、街路樹の下に「きれいとはいいがたいマットレスを引いて寝ている人がいる」
最初見た時は「少し驚いた」、きっと疲れて「休んでいるのだろう」と思っていたが、毎日毎日ここで寝ているのだ。
服装は「国家公務員のごみ収集者の制服」それである。事情は分からないが? 毎日である。
散歩も雨の日は休むので「雨の日にどうしているかは分からないが?」自分が散歩する日々、いつもそこに
寝ている「彼の姿があるのだ」 卑下や興味本位ではない、どうして毎日ここで寝ているのか?ただただ気になるのである。
ベトナムには「他国で見るような(日本も含め)路上生活者は少ないのだ」物乞いも、金品をねだる「子供たち」も少ない。
そんな国で「毎晩ごみ台車の陰でおそらく収集したマットレスに寝ている、おじさんのことが気になった」のだ。
1つ救いは「ベトナムテト(正月)」の時にも散歩に行ったが、この日ばかりは「おじさん御姿は無かった」
なんだかほっとした。「テトには故郷に帰り、家族と暮らしているのかもしれない」と勝手に考えて
少しほっとした。
気になるこの3つの事、この3つとも「現在のベトナムの生活レベルや社会問題を表しているのかもしれない?」
毎日、もちろん観光者など全くいない「ベトナムの裏路地」での散歩を続けると、本当のベトナムが見えてくるのかもしれない?
昨夜もこの3人を「同じ状況」で見ることが出来た。きっとこの3名を見なくなった時は「ほっとするか?さみしいのか?」
そんなことを寝る前「ふと考えた」
まぎれもなく「今のベトナムハノイはこんなところ」である。