普段は無心で作業をしているのに、ときに、とりとめのないことを考えているときがあります。草刈りをしていて、ふとエンジン音のうなりが「おとうさん、おかあさん」と、子供が泣き叫ぶ声に聞こえるときがあります。こんな時はつらくて、胸がどきどきします。若いとき、仕事に追われ結果的に子育ての比重が低かったことへの反省があるからなのかもしれません。
やさしさってなんだろうとずっと考えています。やさしさは、ときに人を温かくしますが、ひとりよがりだったり、かえって人に迷惑をかけたり、いまだに何かわかりません。ただ、生意気なことをいえば、自分以外の人に思いを寄せ何ごとも誠実に対応することが基にあるべきなのかな、などと感じています。
都市部に生まれた私は子供のころから土にあこがれを持っていました。そしてこの10年以上も実際に農作業をするようになって、野菜や樹木を育てることは、やはり「いのち」をいとおしむことであり、やさしさをはぐくむことにつながっている、と思い始めています。多くの子供たちに土に親しむことの楽しさを経験させてあげる行事などをテレビで見る度に、主催する大人たちに拍手を贈りたくなります。学校教育では得られない何かがそこにあるような気がしているからです。
ということで、今週の菜園の様子は―。白菜、大根、菜花、かぶ、ほうれん草など順調に育っています。大根、菜花などそろそろ1回目の間引き作業をしなければ、と思っています。
湧水町内の田んぼでは、早いものでもう稲穂が垂れています。18号台風の影響も、一部稲が倒れている個所も見受けられるものの、ほとんどが大丈夫な様子です。やがて忙しい稲刈りの季節がやってきます。霧島の麓のえびの市や湧水町のおいしい、香りの良い新米が待ち遠しいです。
順調に育つ白菜の苗