直木賞を受賞した後に本を購入したものの、私にとって中村文則「教団X」以来の長編とあって分厚く、病院待合室に持って行くにはどうかな、と思っているうち、ついつい後回しになっていた恩田陸著「蜜蜂と遠雷」をやっと読み始めています。
「羊と鋼の森」(宮下奈都著)など、もともと音楽がテーマ・背景になっている作品に惹かれてしまいますが、この「蜜蜂と遠雷」も文章が平明、テンポもよくてとても素敵です。
芳ケ江国際ピアノコンクールに出場する風間仁、栄伝亜夜、高島明石、マサル・カルロス・レヴィ・アナトールの4人を中心に1、2、3次予選、そして本選と話は進んでゆく…。それぞれの持つ才能や音の世界、内面の葛藤などを詳細に描いていておもしろい。この作者は音を文章で表現する卓越したものを持っていると思いました。口では言えるかもしれませんが、実際には大変難しいことなのです。
といっても現在読んでいるのは507ページ中まだ「第一次予選」、150ページを超えたあたり。これからどういうことになるのかおおいに楽しみです。
今、NHK総合テレビで放映中のアニメ「ピアノの森」(一色まこと原作)も興味深く見ています。週刊漫画誌に連載中のときも毎週のよう読んでいたのですが、テレビ版は演奏が美しく流れるなど、やはり情感がこもっています。今、主人公の一ノ瀬海がポーランドのショパンコンクールに出場中。筋は分かっていながら1週間が待ち遠しく思っています。
「蜜蜂と遠雷」読みましたよ。
繊細な心理描写が良かったです。
そのうえ音楽をこのように表現できるなんて本当にすごいと思いましたよ。