夢畑通信『畑の花』 田舎暮らし体験日記

北海道に移住して二十数年。田舎での子育てを終え、残された夫婦は新たな楽しみを見つける旅を続けます。

標本箱の中よりも

2015-07-10 06:11:41 | ブログ
6時過ぎ、畑から自宅に戻るとゴマダラカミキリが歓迎してくれた。

その美しいフォルムを眺め、丁寧に右手で胴体をつかみ、掌に置いたその時、息子(拓)から電話。
ここ数日のトラブルの一件の報告。
ややこしい話の途中で、強引に「ゴマダラカミキリいる?」って聞いてみた。
あっさりと「いらん!」って拓。
あたり前か~。いるわけないよなぁ~。

でも、小学生の頃は色んな昆虫見て目をキラキラさせていたのに。
そう言えば、蛍が飛び始めるこの時期から、森や河原に行って、昆虫捕まえ、拓の夏休みの自由研究に昆虫標本作ったっけ。
・・・「ほとんど僕が捕まえた虫だったけど」

そうやって大人になるにつれて、お金より大事なものを見失っていくんだ。

通話のスイッチを切ったあと、捕まえていたゴマダラカミキリを栗の木に戻し、
上に上に進む姿をずっと見てた。―――「標本箱の中よりも、樹の上の方が良いよねぇ~」

一方、「今回は自分の為にも自分でやる」って言って電話を切った拓。

そうだ、色んな経験して、色んな人と出会って、怒ったり、泣いたり、笑ったりして大人になるんだ。
中途半端な大人。標本箱から抜けださないと。

とにかく、怪我だけ注意して~。もう勘弁して~。
余計なことしないで、しっかり、じっくり、ひとつのことをしっかりやれぇ~
あと車には注意しろ~。大金は持ち歩くなぁ~。トレーニングもやれよ~。

そんなこと思いながら、「おいらも絶対拓に負けない」と、誓いを新たに心に刻んだひと時でした。ちゃんちゃん。

メロンにも虫が~っ!