小諸 布引便り

信州の大自然に囲まれて、風を感じ、枝を眺めて、徒然に、社会戯評する日帰り温泉の湯治客です。愛犬の介護が終了しました。

俳優、大滝秀治を悼む

2012年10月06日 | 映画・テレビ批評
俳優、大滝秀治を悼む
ついこの間、映画、「あなたへ」の中で、高倉健に、「自分も負けないように、頑張ってああいう演技がしたい」と言わしめた老漁師役の演技が、未だ、記憶に新しい。「久しぶりに、きれいな海ば見た。」という当たり前の短い台詞も、この老優にかかると、何か、哲学的な深遠な意味合いが、その台詞の奧に、感じられてしまうのは、どういう訳であろうか?水性キンチョールのコマーシャルにも、何とも、味のある台詞で、短い限られた時間と空間を、まるで、自分独自の世界観にして、その中に、視聴者を取り込んでしまう魔法は、役者の力量を余すところなく発揮しているように、感じられてならない。俳優とは、そういうものなのであろうか?高倉健にしても、もう80歳であり、仲代達矢にしても、79歳、山﨑努も、似たような歳である。役者というのは、幾ら歳をとっても、老人役で、その役を演じられて、仕事を続けられる良い職業であるが、、、、、、。志村 喬とか、宇野重吉とか、既に、人々の記憶の片隅に、消え去られようとしているが、映画やDVDを見るたびに、その往年の演技に、直接、改めて、時間を超えて、体感できることは、有難いことである。永遠に生きられる命がない以上、致し方の無いことではあるが、残された限りある時間の中で、一寸気になる老男優達は、今後、どういう演技を、大滝秀治に負けないで、見せてくれるのであろうか?それにしても、その死は、残念なことである。若い俳優の中にも、彼らの後を継ぐような俳優がいるならば、是非、早く、出てきてもらいたいものである。こちらも、同じように、歳を重ねるので、、、、、、、、。