世にも危険な医療の世界史(文春文庫)
主に中世以降の医療の歴史を、
治療法別にまとめた本である。
内科医のリディア・ケインと、フリージャーナリストのネイト・ビーダーセンの共著で、
医者の目線とジャーナリストの目線で、
間違いだらけだった昔の医者の治療法を、
どちらかというとユーモラスに紹介している。
全体で400頁を超えるボリュームで、
元素、植物と土、器具、動物、神秘の5項目に分かれているが、
読めば読むほど、我々は20世紀の後半以降に生まれてよかったなぁという事例がてんこ盛りである。
中世~近世の治療法として有名な治療法に、
いわゆる「瀉血(しゃけつ)」というのがある。
当時は、病魔に侵されると、体内の悪い成分が体液に蓄積すると考えられており、
これを体外に放出することで体調が回復すると考えられていた。
このため、安静にしても、薬草を飲んでも治らないと、
血管を切り拓いて血を抜くのである。
現代の医学では、大人は大体体内に4~5リットルの血が流れていて、
このうち1リットル程が失われると命の危険が生じると言われているが、
昔の人たちは病気を治すために一生懸命血を抜いたのである、こわっ
血を抜いて、それでも治らないとさらに血を抜く、
そりゃもう治るはずの患者も死んでしまう訳で、
ちなみにアメリカの初代大統領であるジョージ・ワシントンも、
風邪をこじらせたあげくに血を2.5~4リットルも抜かれて敢え無く昇天したらしい。
1リットル失うと命の危険があるというのに、これはもうたまらんのである。
18世紀~19世紀にかけて活躍したイギリスの詩人バイロン卿も熱病にかかり、
瀉血なんぞやったら余計に体調が悪くなるわ、と散々嫌がったらしいが、
結局は医者に説得されて血を抜かれ、この人もそれが原因で亡くなっている。
まぁ実際のところ、当時の人々にとってはこれが普通の治療法であって、
俺様たちが今、普通だと思っている治療法も、
将来は実はトンデモないことをしていたと笑われるかもしれないが、
医療はそうやって少しずつ進歩しているのだ。
この本はそれを教えてくれる。
主に中世以降の医療の歴史を、
治療法別にまとめた本である。
内科医のリディア・ケインと、フリージャーナリストのネイト・ビーダーセンの共著で、
医者の目線とジャーナリストの目線で、
間違いだらけだった昔の医者の治療法を、
どちらかというとユーモラスに紹介している。
全体で400頁を超えるボリュームで、
元素、植物と土、器具、動物、神秘の5項目に分かれているが、
読めば読むほど、我々は20世紀の後半以降に生まれてよかったなぁという事例がてんこ盛りである。
中世~近世の治療法として有名な治療法に、
いわゆる「瀉血(しゃけつ)」というのがある。
当時は、病魔に侵されると、体内の悪い成分が体液に蓄積すると考えられており、
これを体外に放出することで体調が回復すると考えられていた。
このため、安静にしても、薬草を飲んでも治らないと、
血管を切り拓いて血を抜くのである。
現代の医学では、大人は大体体内に4~5リットルの血が流れていて、
このうち1リットル程が失われると命の危険が生じると言われているが、
昔の人たちは病気を治すために一生懸命血を抜いたのである、こわっ
血を抜いて、それでも治らないとさらに血を抜く、
そりゃもう治るはずの患者も死んでしまう訳で、
ちなみにアメリカの初代大統領であるジョージ・ワシントンも、
風邪をこじらせたあげくに血を2.5~4リットルも抜かれて敢え無く昇天したらしい。
1リットル失うと命の危険があるというのに、これはもうたまらんのである。
18世紀~19世紀にかけて活躍したイギリスの詩人バイロン卿も熱病にかかり、
瀉血なんぞやったら余計に体調が悪くなるわ、と散々嫌がったらしいが、
結局は医者に説得されて血を抜かれ、この人もそれが原因で亡くなっている。
まぁ実際のところ、当時の人々にとってはこれが普通の治療法であって、
俺様たちが今、普通だと思っている治療法も、
将来は実はトンデモないことをしていたと笑われるかもしれないが、
医療はそうやって少しずつ進歩しているのだ。
この本はそれを教えてくれる。
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