16日、タイのプラユット首相率いる新政権の新閣僚36人が、ワチラロンコ国王夫妻臨席のもと、
国王陛下に対し、政権発足のための宣誓式を行ない、第二次政権がようやく発足しました。
<プラユット首相>
これで、2014年5月のクーデター後から続いた軍事政権の最高機関であった「国家平和秩序
評議会(NCPO)」は解散され、形の上では約5年ぶりに 待ちに待った民政に復帰したことに
なります。 日本の外務省も「新政権発足について」外務報道官談話を発表しました。
その外務報道官談話の主な内容は「我が国は、プラユット首相が選出・任命され、新政権が
発足したことを歓迎する」「新政権の下でタイの民主主義、日・タイ関係 及び 地域の平和・
安定・繁栄のための両国の協力が、更に発展していくことを期待する」でした。
<新政権のメンバー>
軍事政権で采配を振るったNCPOも解散され、タイは民選内閣として新たな時代に入ったと、言い
たいところですが、そうでもありませんネ。新内閣の閣僚たちに フレッシュ感はありません。
一番はクーデターを主導したプラユット退役大将が、非国会議員でありながら内閣総理
大臣を務め、国防大臣をも兼任していることです。治安維持担当のプラウィット副首相、
経済政策担当のソムキット副首相、法務担当の副首相もNCPO時代からの留任です。
<左がプラウィット氏、右がソムキット氏>
しかも このお二人も非国会議員です。 選挙で選ばれた下院議員が29人が、新内閣に含まれて
いるとはいえ、重要ポストは変わらず、これでは軍服から平服に着替えただけ、と言われても
仕方ないですよネ。 国民も新内閣への期待というよりは、不安が増すのかも知れません。
一時は東南アジアの優等生と言われたタイですが「半分の民主主義」と呼ばれた1980年代の
プレム政権時代にそっくりで、“あぁ~ 30年前に戻ってしまった” と嘆く声もあるようです。
<未来党のタナトーン氏(右)>
かと言って、軍政と対立するタクシン元首相派の「タイ貢献党」や、青年政治家のタナトーン氏
率いる新党の「新未来党」などに平和・治安・政治・経済・外交の諸問題を任せるには、心もとない
と、国民は持っているよう。 日本の安倍政権に対し、乱立野党の構図と似ているように思いますネ。
プラユット新政権が発足したとは言え、組閣の段階で早くも、主要な連立パートナーである
「民主党」と「タイの誇り党」に加え、政権の母体となる親軍政党「国民国家の力党」の間で
閣僚ポストをめぐる不満が身内から噴出しており、前途多難の船出となりそうです。
しかも19党の連立となり、各党の意見に配慮すれば、迅速な政策立案や意思決定に影響を
及ぼす可能性が 十分にありますからネ。また、法案を審議する下院では連立与党は、ぎりぎり
半数を超える状態です。 きっと厳しい政権運営を迫られるでしょう。ちょっと心配です。
「タイでゴルフ友達になりましょ」 のホームページです
タイ・ゴルフを何でもランキングで紹介する情報サイト
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます