毎週 週末になるとバンコクの民主記念塔周辺で、民主活動家グループによる政治集会が
実施されています。昨日は新未来党のタナトーン党首が、自ら呼びかけ集会を開きました。
3月の総選挙で反軍政を掲げ躍進した革新系新党「新未来党」は、政党法違反で
現在、選挙管理委員会(選管)から憲法裁判所に解党を申し立てられている最中です。
<タナトーン氏>
選管が「プラユット政権寄り」と知られている上に、新未来党が解党されれば、軍出身の
プラユット首相に反発する国民に根強く支持されているだけに、騒動が大きくなるかも。
集会はバンコク都のBTS国立競技場前にあるMBKセンター前のスカイウォークで行なわれ、
数千人が集まったようです。タナトーン氏は、“本当の民主主義を取り戻すために、ここに
来た。今後も負けずに政権への抗議活動を続けていく” と、演説で訴えたといいます。
タナトーン氏にも焦りがあるようです。当ブログでも 11月24日に 書いているように、憲法裁判所
による議員資格剥奪の判決を言い渡されており、新未来党が急速に失速しているようなのです。
その表れが、新未来党の幹部ら120人強が集団で離党を表明しています。彼らは3月に実施された
総選挙で立候補して落選した元候補者やそのスタッフらです。選挙後の雇用が守られていない上に、
タナトーン党首が議員資格を失えば、彼らは益々窮地に追い込まれると思ったのかも知れませんネ。
しかも今後、刑事責任を問われ有罪となれば、最高で禁錮10年、20年間の公民権停止になる可能性も …
選挙法違反の事実を知りながら首相候補者とした党執行部も責任を免れないとして、最悪の
ケースでは解党処分が出されるとの観測が、日増しに広がっているといいますから尚更です。
タナトーン氏は議員資格を失っても今後、同党を率いて政治活動を続けると断言しています。
また、“現行憲法下では下院議員でなくとも首相になれる” と訴えているようです。さらに、
120人を含む集団離党についても、“党員は6万人おり、大勢に影響はない” と強気だとか。
強気に振舞うのは 実は首相指名選挙に破れて以来、これまでタナトーン氏を背後から間接的に
支えてきた最大の反軍勢力タクシン派が「見切りをつけた」というのです。タクシン氏も企業家
でしたし、何かと陰ながら応援していたようで、これは大きな戦力ダウンにもなり得ますからネ。
そう、一人微笑んでいるのがプラユット首相でしょう。総選挙で一気に反軍勢力の中核に躍り
出たタナトーン氏。民政復帰後の首相選出選挙でも、それまで反軍活動の中心だったタクシン派
のタイ貢献党の候補者を抑え、タナトーン党首が野党統一候補として臨みました。軍政にとって明らかな
脅威でした。彼は、今やプラユット首相一番の天敵です。さぁ~ 今後 どうなりますか、見守りましょう。
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その後、タイが経済発展し、国民生活が豊かになりましたが、政治の世界では、タクシン派と軍部・既存エスタブリシュメント層との間で対立が激化し、国民の間にも大きな亀裂が続いています。
今回、タナトーン氏が実業の世界から政治の世界に入り、タイ人の間にも民主主義を求める階層が増えてきました。
ただ、気になるのは、タナトーン氏の政策で、貧困格差の是正の具体案が見えないことです。大票田であるタイ東北部の貧困層に手を伸ばすのはタクシンと同じです。
https://withnews.jp/article/f0190731001qq000000000000000W06s10101qq000019518A
6800万人のタイ人の何割が、民主主義を求めているのか?良く見えません。
タイ人は民主主義より、経済(お金)の方により価値観に重きを置いているように見えます。
香港では、民主主義を求める抗議活動が続いています。香港市民750万人の多くは、経済より民主主義が重要だ、と考えています。
タイ国民の大半が民主主義を切実に感じるためには、まだ時間がかかりそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=T4AG-4cMLWg
https://www.youtube.com/watch?v=_uPMN8qLDpw&t=172s
とても参考になりました。