タイ国の交通事故死者数は、世界的にトップクラスであることは つとに有名です。
当ブログでも 事故死は、いくらでも減らせる方法があると、いつも 叫んでいます(苦笑)。
2月に入り、バンコク都では横断歩道の安全性を高め、交通事故防止のため
都内の100カ所の横断歩道に、歩行者用信号機を設置することを公表しました。
<事故現場を視察するタイ警察副長官ら>
また 先月末、タイ警察庁が「横断歩道を渡ろうとしている歩行者がいるにも関わらず、
停止しない車の動画を撮影することで、毎月5万バーツ(最大2万0バーツ)の賞金を、受け
取れるキャンペーンを実施する」 等々、最近は 横断歩道に関するニュースが目立ちます。
それは今年の1月21日、バンコク都内のパヤタイ通りで こんな事故がきっかけでした。
信号のない横断歩道を走行中の美しすぎる女性医師が、警察官の無謀なバイク運転により
<事故現場とワララック医師>
跳ねられて死亡した事故です。 横断歩道でのバイクの事故は珍しくないんですが、
“警察官のひき逃げで女性医師を死亡させた” と、各メディで大きく取り上げました。
現場から歩いて逃走した21歳の警察官は23日、逃げ切れないと観念したのか、自ら警察に
出頭してきました。彼の父親も定年間近の現職警察官(警察少尉)です。タイの社会では、
<事故を起こしたバイクと現場>
これまで特権階層や富裕層の子息が事故を起こし、ウヤムヤになるケースがよくあります。
しかし、今はネット社会。ネット市民とメディアにより、“警察官のひき逃げを許すな!” と、
いうコメントで溢れました。亡くなった女性医師のことも紹介され、炎上したようです。
被害者のワララック医師は、国立チュラロンコン大学医学部に勤務している眼科医で、祖父も
父も眼科医という家庭で育ち、自身も眼科医になったといいます。 タイ国一番の医学の名門、
<ワララック医師>
国立マヒドン大学医学部を卒業後、ワララック医師は、サラブリ県にある国立病院で研修医
として経験を積み、最近になってチュラロンコン大学医学部に転籍していました。しかも
同大学医学部は、一時的な在籍で、近々警察病院に勤務することが内定していたといいます。
このような背景から起きた事故だけに、世論が行政や警察を動かしたのでしょう。日本でも
そうですが、事故や事件が起きてから慌てて対策を打ち出しケースは、よくあることです。
彼女が死亡したパヤタイ通りの横断歩道にも、信号機が設置されるようです。明日に続きます。
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