これで、やっとタイのお正月を味わえます！

　タイ最大のイベント、水かけ祭りのタイ正月ソンクラーン。タイ人にとって一年で一番心待ちにしている日。
今年はそんなムードもすっかり吹き飛んでしまい、誰が名付けたか「ブラック・ソンクラーン」として、
将来　タイの歴史の一ページとして語り継がれることでしょうネ。不名誉な一ページとして…

　どうなることかと、思っていたタクシン派によるデモ暴動も、14日の夕方前に反独裁民主主義同盟幹部が
投降し、集会解散宣言も報じられ　一部の幹部は消息が不明になっているようですが、何とか一件落着の
ようでヤレヤレです。政府側の軍による強制排除前に解決できたことが良かったですネ。

　正月休みは15日までですが政府は、急遽16日と17日を官公庁の休日と発表しましたが、商業銀行
タイ証券取引所は通常通り営業を行う方針と確認されています。昨日の午後からデモの影響で閉店して
いたサイアム・パラゴン、セントラル・ワールドなど都心のデパートも営業を再開、タイ国鉄の中央駅も
午前7時に乗り入れを再開しています・・・　　いかった！（笑）　良かった！（嬉）

　アピシット首相は、依然油断せず警戒を継続する必要がある為　まだ「非常事態宣言」は解除せず、
16日から17日を官公庁の休日に定めた理由として、依然爆発物等の危険物が残されている恐れが
あるエリアの安全確認・復旧の為に必要な時間と措置としています。

　しかしタクシン氏、大きな賭けに出ましたが　思惑も大きく外れましたネ。ワタクシの憶測ですが・・・

　デモ騒動によって軍の鎮圧があり死傷者を出し、国内外から政府への批判を集め、そして無政府状態に
なった所での自分の帰国・・・とシナリオを書いていましたが、大きな誤算が生じました。
なんと死傷者はデモ隊から住民に向けて出てしまいました。これによって国民の批判がデモ隊である
タクシン派に集まり、一気にタクシン氏一人が悪者になってしまった感があります。

　パタヤではアピシット首相が軍や警察を使って強制退去をさせなかった事や防衛の甘さを
批判されましたが、バンコクではこの我慢が功を奏したか、タクシン派自らズッコケてくれました。
これでタクシン復活は無くなりました。逆にアピシット首相の評価がウナギ登りです・・・　
絶えず首相自らテレビで現況を訴えたのも良かったですネ。

　さすが私立サンプション大学です。早速　デモ隊解散後に世論調査を実施しています。

　日本で言う支持率でしょうが、タクシン元首相は3月度23.6%だったに対して15.9%と評価を落とし、
アピシット首相は50.6%から58.2%と上げています。また今回のデモ騒動で政府の任務遂行に対しては
10ポイント満点で7.23ポイントと高評価が下されており、面目躍如といったところでしょうか。

　タクシン一族はバラバラになりました。前妻も子供達も海外へ逃避しており、ソムチャイ前首相の夫人で
ある妹と下院議員である娘もシンガポールに向け出国したと報じられています。
大きな賭けは家族・一族がバラバラという、余りにも大きな犠牲を払いました。

　でも　これでやっと沈黙を守っていた王室、またタイ国民も、今日までのソンクラーンをゆっくりと安心して
味わうことが出来て、心なしか、多少　静かな「水かけ」も今日は思い切ってかけ合うでしょう。

　だって、水をかけないで催涙弾と火炎瓶のかけ合いだったんですから・・・　



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