タイで参戦する遼君へミシェル・ウィーからの手紙？（２）

「身長183cmで65kg、バスト○○cmのスタイル抜群な、稀にみる美貌と長身から、また豪快な伸びの
あるスイングから放たれる300ヤード超のドライバーショットは、男子相手にも全然引けをとらない」なんて
言われる日々を、優勝もしていないのに、私の天狗の鼻はこれ以上に無い高さに伸びきっていました。

私、ミシェル・ウィーが、確か16歳になったばかりだと思いますが、日本でも高知県で行われた男子ゴルフ
カシオワールドオープンに参戦し、最終の2ホールで連続のボギーとなり、残念ながら1打差で予選落ち
したことがありましたので、日本のゴルフファンにも記憶に残っている人もおられるでしょう。

いつの間にか、特別な天才を持った特別な人間と勘違いをしていた私は、エリート街道を転落して初めて
「私は普通の女子ゴルフファー」という大発見をし、ゴルフがうまい普通の大学生になれました。だからこそ
本来なら受けるはずもなかったクォリファイング トーナメント（09年の出場機会を取得する為の予選会）を
受けて、一から出直そうと長く険しい「登山道」を登り始める決意が出来たのです。

お陰様で、最終予選を7位タイで乗り切り来季の出場権を自力で獲得することが出来ました。こんな
嬉しいことはありません！　今は充実感と達成感で一杯で来年はとても楽しみです。母国からシン・ジエも
ヤン・ヒヨンも来ます。以前は二人から私が目標にされましたが、来年は私が二人を目標にする番です。

14歳や15歳では自分の将来は決して分りません。天国と地獄を見た今の私は、あの頃の私とは、精神面
も技術面もまったく異なる人間になれました。特に技術面では、一時は300ヤード以上飛ばしていたドライ
バーも予選会では距離にとらわれず正確さに気を使い270ヤードで十分に戦えることも知りました。
ドライバーを握りたい誘惑を抑えるのにひどく大変でしたが。（笑）　・・・・

数年前までは子供で、ボールを叩きつけるだけでしたが、今は世界で一流選手になる為にやるだけの
ことはやる決心です。もう “１千万ドルの少女”　なんて言わせません！来季の目標も明確に
「メジャー大会での優勝」と口にすることが出来るようにもなりました。

そして　忘れてはならないのが、スタンフォード大学に在学中の学生であることです。他の学生は一年に
三学期通うのに、私は学校生活とゴルフを両立する為に二学期しか通えないでしょうが、その為には6年
かかっても卒業することを目標にしています。

ここで遼さん、石川プロに私の経験から二つ目のアドバイスです。それはちょっとしたことによる怪我です。
プレー中、練習中以外でも十分に注意して下さい。体のどんな部位の怪我でもゴルフ人生を棒に振る
致命傷になる危険が含んでいます。特に学生に戻った時の怪我にご注意下さい！　

今　遼選手は頂点を目指す「エリート街道」を、私も同じく頂点を目指しますが、私は長く険しい
「登山道」です。道は別々になりましたが、それぞれ「独自の道」も創り上げましょう。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミシェル・ウィー　より

（在米ゴルフジャーナリスト舩越園子氏からの資料を参考にさせて戴きました）



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