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JR北海道の危機の根源は労働組合潰し

2013-09-30 | 労働ニュース
JR北海道の安全管理が危機的な状況が露呈し、それが経営体質の問題であったり、経営基盤の問題というように言われています。

 年齢構成がいびつとか、技術が伝承されていないというような指摘はかねてよりあったと思いますが、レールの異常の放置など安全面が放置されてきたことは、今回の貨物列車の脱線、負傷者0と最悪の事態には至らなかっただけで重大な事態です。

 JR北海道は以前より、車両故障などによる遅れや運休が少なくありませんでした。
「JR北海道 相次ぐ車両火災と北海道新幹線」
 それが一気にJR北海道の体質ともに顕在化したといえます。

 問題なのは、経営陣を刷新すればいいというレベルのものではないといことでしょう。

 元を正せば、国鉄分割民営化、要は国鉄を解体したことこそ原因です。

 構造改革の走りとして行われた国鉄の解体は、利益の出る都市部とそれ以外の三島(北海道、九州、四国)を分けて地方を切り捨てることにありました。

 国鉄を解体する前の段階から料金体系も全国一律から幹線と地方線に分断され、地方選は割増料金体系へと変更されています。

 国鉄の解体は、自民党や土建企業や銀行によって食い尽くされ、借金まみれにされた国鉄がお荷物になったことも背景の1つです。

 この自民党や土建企業、銀行の責任が問われないまま国鉄は解体され、国民の共有財産が投げ売りされているのです。

 さらに、国鉄解体のもう1つの背景が労働組合を弾圧することです。

 治安維持法のあった戦前ならいざ知らず、戦後の日本国憲法の下で、堂々と労働組合の弾圧が行われたというのは日本の将来に暗澹たる状況を招いたと言えます。

 国鉄労働組合、全動労組合に所属するというだけで解雇されたというものであり、国家による不当労働行為そのものでした。戦後混乱期のレッドパージと全く同じ構図です。
猪野亨

 また、国鉄側が警察公安当局と結託した「国労横浜人活弾圧事件」を引き起こし、国労組合を逮捕、起訴したという松川事件なみの謀略事件です

これのような労働組合の弾圧によって熟練の人材が数多く国鉄から追放されました。

 国鉄からJRに移行しましたが、残った人材で何をしようとしてきたのか、最初から切り捨てられるだけの運命にあったJR北海道では、安全無視、収益の向上のための速度アップばかりが追求されてきました。

 そのような状況に置かれた経営幹部陣が選択したことは上記の選択だったということです。

 人材不足で何ができるかということもさることながら、仮に安全面を重視していた場合にはJR北海道の赤字は格段に拡大していたでしょう。そうなれば「お荷物」のように言われて叩かれていたといことは容易に想像できます。

 だからこそ、収益を上げる選択をしたということであって、これは企業の論理からすれば決して不思議なことではありません。

 むしろ当然、起こるべくして起きた現象ということです。

 マスコミや政治家(自民党)、政府(国)にJR北海道の経営陣を非難する資格があるのかが問われているのです。

 私からみれば、JR北海道もマスコミ、自民党などは同類でしかなく、共同責任を取るべきだと思いますが、マスコミや自民党、国が自分たちの責任を棚上げしてJR北海道を叩く様は、鉄面皮そのものです。

 このような無反省の人たちがJR北海道の「改革」を主導するということになると、また同じような結果が引き起こされることでしょう。

 それにしても日本の至るところでの劣化が著しいと言わざるを得ません。

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