宿直明けの昼下がり。
美術館に寄ってみた。
「2006ピクチャートレイン美術館」
山手線1編成の全広告スペースに、盲・ろう・養護学校、特殊学級の児童・生徒の作品が飾られている、期間限定の美術館。
ここにお目当ての絵があった。
タイトル「カルガモ」
描いたのはルイだ。
ルイはボクの職場である肢体不自由養護学校の高等部2年生の女の子。
手足が不自由で、言葉を発するのも大変だが、いつも明るくて笑顔がとってもチャーミングなルイ。
それでいてとっても頑張り屋さんでもあるルイは、彼女が一番動かせる左手で、使う色にこだわりながらカルガモを描きあげたそうだ。
ルイは中3のときに寄宿舎生活を送った。
そのとき、寄宿舎指導員になって2年目、まだまだいっぱいいっぱいだったボクは、ルイの人懐っこい笑顔に何度となく癒された
それからは、学校で逢っては声をかけた
ルイは決まって、笑いながら左手を振り上げて
「あっちいけ」
みたいなジェスチャーで応えた。
まさか本気で嫌がってはいないだろうと、いつも面白がって逢うたびに声をかけてた。
とにかく、ルイがかわいくてしかたなかった。
そんなルイの力作を見ずにはいられなかったのだ。
ピクチャートレインの真ん中あたりにその絵はあった。
先生と一緒に作り出した色で力強く描かれたカルガモ。
ルイの筆遣いが見えるような気さえした。
ちょっとあったかい気分になった。
明日になって、ルイに
「昨日ルイの絵見に行ったよ~」
と報告できたらどんなによかったんだろうな
きっと
「あっちいけ」
って言われたんだろうな
それができなくて、やっぱり寂しい
でも、急に遠くに行っちゃったルイに久しぶりに逢えた気もした。
ルイ、向こうから
「あっちいけ」
って言ってた?
ルイのカルガモに
「じゃあね」
と心の中で声をかけて美術館をあとにした。
外はすっかり夕暮れだった。
※もしかしたら名前は伏せるべきだったかもしれません。
でも、気持ちを込めたくてあえてそうしませんでした。
ピクチャートレイン美術館は、12月30日まで。
ピクチャートレイン美術館のHPはこちら
美術館に寄ってみた。
「2006ピクチャートレイン美術館」
山手線1編成の全広告スペースに、盲・ろう・養護学校、特殊学級の児童・生徒の作品が飾られている、期間限定の美術館。
ここにお目当ての絵があった。
タイトル「カルガモ」
描いたのはルイだ。
ルイはボクの職場である肢体不自由養護学校の高等部2年生の女の子。
手足が不自由で、言葉を発するのも大変だが、いつも明るくて笑顔がとってもチャーミングなルイ。
それでいてとっても頑張り屋さんでもあるルイは、彼女が一番動かせる左手で、使う色にこだわりながらカルガモを描きあげたそうだ。
ルイは中3のときに寄宿舎生活を送った。
そのとき、寄宿舎指導員になって2年目、まだまだいっぱいいっぱいだったボクは、ルイの人懐っこい笑顔に何度となく癒された
それからは、学校で逢っては声をかけた
ルイは決まって、笑いながら左手を振り上げて
「あっちいけ」
みたいなジェスチャーで応えた。
まさか本気で嫌がってはいないだろうと、いつも面白がって逢うたびに声をかけてた。
とにかく、ルイがかわいくてしかたなかった。
そんなルイの力作を見ずにはいられなかったのだ。
ピクチャートレインの真ん中あたりにその絵はあった。
先生と一緒に作り出した色で力強く描かれたカルガモ。
ルイの筆遣いが見えるような気さえした。
ちょっとあったかい気分になった。
明日になって、ルイに
「昨日ルイの絵見に行ったよ~」
と報告できたらどんなによかったんだろうな
きっと
「あっちいけ」
って言われたんだろうな
それができなくて、やっぱり寂しい
でも、急に遠くに行っちゃったルイに久しぶりに逢えた気もした。
ルイ、向こうから
「あっちいけ」
って言ってた?
ルイのカルガモに
「じゃあね」
と心の中で声をかけて美術館をあとにした。
外はすっかり夕暮れだった。
※もしかしたら名前は伏せるべきだったかもしれません。
でも、気持ちを込めたくてあえてそうしませんでした。
ピクチャートレイン美術館は、12月30日まで。
ピクチャートレイン美術館のHPはこちら