阪神がこの頃、快進撃をしている。
開幕直後の体たらくに、ファンはみんな絶望をし、矢野監督の退陣を希望した。
なりとろも、例に漏れず矢野監督更迭を強く願い、采配批判した。
あの頃と今と、何が違うのか。
①エラーが減った。
勿論、守備位置が固定されていないところのエラーはまだまだ多い。
でも、ゲームを左右するような大きなミスは、昨年から比べてかなり減った。
②投手力の整備が上手く行っている。
先発は、秋山と藤浪こそ二軍にいるが、青柳、西勇、伊藤将、ガンケル、ウィルカーソンの6人が安定した力を示し、更に、才木、桐敷、西純もいる。
中継ぎ抑え陣も、鍛冶屋、渡辺、岩貞、アルカンタラと勝ち負けに限らず力を出せる面々だし、勝ちパターンには浜地、湯浅、岩崎優が君臨する。
③打順が固定されてきた。
日替わりスタメンだった前半と比べ、1番から7番までがある程度固定できるようになった。
昨年も固定していたが、成績が悪いのに出し続けると言う謎采配があった。
今年は、1番に中野、3番に近本を配することによって、得点能力が上がった。近本の勝負強さを生かせることになった。
4番の輝が上向かない今、5番の大山が機能しているところも大きい。
ただ、糸原の調子がまだまだなので、ここだけが気がかりではある。
7番の新外国人ロドリゲス。
まだ、完全に弱点は見付けられていないが、それでも甘い球が来た時に撃てるだけ、ロハスとは比べ物にならない。
梅野も、捕手併用の煽りで調子が上がらなかったが、坂本がコロナの間に続けて起用されて、打撃面での調子が上がってきている。
全てが上手く転んでいるのがいまの阪神。
④矢野監督の采配。
先発投手の頑張りと、勝ちパターン継投の確立で、下手くそだった投手交代のミスがほとんど見られなくなり、打撃陣の調子が上がったことによる、小さな采配ミスが帳消しにされるようになった。
負けてる時には監督の腕が試されるところで、それはもう酷い采配に地団駄を踏んだが、今のようにチームの調子が良いと、監督に大きな仕事はない。
それどころか、チームの調子がいいお陰で矢野監督も動きやすくなり、ダブルスチールとかエンドランを仕掛けやすくなった。
6月末に17ゲーム有った差が、今は9ゲーム差。
ひと月で8ゲーム詰めた。
ヤクルトにコロナが大量発生し、チーム力が落ちたとはいえこの勢いの差はどうだ。
なりとろは、6月の終わり頃は負けていても顔色ひとつ変えずに試合をテレビ観戦していた。
負けていても腹が立たない。
負けろ負けろ、負けて早く矢野監督が更迭されてしまえ、なんて思っていた。
それがどうだ。
7月の声を聞く頃から、負けてると腹が立つようになってきた。
あれだけ死んでいた心が、少しだけだが熱を持つようになってきた。
これは、どういう感情だろう。
優勝?
ムリムリ。
でも、優勝?
出来るわけ無い。
出来るわけ無いのか?
今のまま、調子がいいままあと2ヶ月は続かない。
落ちてきた時、果たして矢野監督が見せる采配はどうなのか。
それとも、昨年のヤクルトのように、落ちること無く走りきれるのか。
後者の場合のみ、阪神は矢野監督の言う「ドラマ」を見せる可能性が有る。
そんな戯言を書いてしまうくらい、いまの阪神は脅威的だ。
明日勝てば8ゲーム差。
まだ頂は遠く霞んでいるが、その道だけは確かに見える。
そんな夢を見させてくれるか。
我が愛しの阪神よ。