毎日、ムービースターの事ばかりブログに書いてしまう。
仕方ないよ、なりとろの競馬人生、
そのほとんどが、ムービースターだったんだから。
なりとろは、ムービースターに2度、恋をした。
一度目の始まりは、新馬戦。
その勝ち方、その風貌。
栗毛馬が好きになったのはムービー、君が栗毛だったからだよ。
そして、力強く差し切る末脚。
その末脚に、勇気づけられたんだよ。
その、一度目の恋は、競走馬生活が終わるまで続いた。
5年に及ぶ、大恋愛。
君が勝つ所を、一度も競馬場で見られなかったと言う事は、
思いっ切り片思いだったのかもしれない。
それでもいい、君を追いかけられた事、楽しかった。
引退してすぐに、種牡馬になった君を追いかけて北海道へ。
競走馬時代は一人で応援していたけど、
北海道へ会いに行った時には、嫁さんと二人でだった。
1度目に会いに行った時には、雨で放牧しておらず、会えないはずだった。
でも、牧場の方が親切に厩舎内に入れて下さり、
着ていたジャンバーを噛まれると言う嬉しいアクシデントもあった。
2回目の北海道は、晴天でしたが、
広い放牧場の一番遠いところで全く動かない君。
3時間近く、ジッとその姿を見つめていた事、ウザかったよね(苦笑)
その後、君の子供たちが次々とデビュー。
必死に追いかけた。
でも、重賞を勝つ子は現れず、君も、岩手に移動した。
岩手に移動した事を知ってはいたけど、
その頃にサッカーボーイの子供たちが活躍し出し、
特にナリタトップロードが現れてからは、トップロードに心を奪われました。
遠くに居る君の事、
忘れてはいないとは言え、会いに行けないと心が折れ、
心離れてしまった事もありました。
そんな中、君を知るきっかけとなったサッカーボーイが亡くなりました。
亡くなる数か月前に、運良く会いに行けたなりとろは、
この時、君の事が真っ先に頭に浮かびました。
ムービースターも、もう高齢だ。
会いに行かなければ、きっと後悔する。
そう思った。
そんな時に、未曾有の災害が東北を襲います。
岩手の土地の事なんて全く知らない。
大津波が来た沿岸に、ムービーは居たのか?
いや、確か内陸だったと言う記憶がある。
内陸でも震度6???
牧場の厩舎が倒壊してないのか??
もし難を逃れていても、馬より人が優先される救助作業・支援。
ムービースターは今、大変な事になっているんじゃないか??
何にも出来ない、情報も無い。
本気で泣きそうになりました。
幸い、ほどなくして無事が発表され、
心をなで下ろしている時に、
そんななりとろの事を知ってくれた、牧場近くに住む女性が連絡をくれました。
それが、かけこさんとまっきーさん(後に菌ちゃんとも)。
彼女たちとの出会いが、なりとろの心を動かしました。
この人達と話をする度に、
なりとろはムービースターに会いたくて仕方なくなったのです。
そして2013年。
ついに、なりとろは1000キロの壁を超えたのです(笑)
10年以上会っていなかったので、
そのドキドキ感は、想像を絶しました。
そして再会できた時。
なりとろのヒーロー・ムービースター。
手が届きそうで、届かない存在のスーパーホース。
感動で手が震えるほどでした。
そこで、かけこさん、まっきーさんに、
ムービースターとの触れ合いをさせていただいたのです!
この瞬間、なりとろは、ムービースターに2度目の恋をしました。
競走馬で重賞馬のムービースターに対する憧れが、
可愛くて仕方のない愛馬へと変化したのです。
不思議な感覚でした。
そのあと、2014年と今年の夏、会いに行きましたが、
競走馬のムービーとして会いに行ったと言うよりも、
かわいくて仕方のない愛馬に会いに行くんだ!と言う気持ちの方が強かったのです。
一頭のお馬を、2度好きになる。
こんな事は初めてでした。
そんな、大好きで可愛いムービースター。
君は、こんどこそ、手の届かない所へ行ってしまった。
こんなに愛しているのに、
君が倒れて命が危ないと言うのに、会いに行かなかった。
ホントは飛んでいきたかった。
ずっと、君のそばで、君を勇気づけてあげたかった。
それでも、なりとろは行かないと決めた。
行かなかったけど、
君の周りにはたくさんの、君を愛する人たちがいて、
その人たちは、こんななりとろにも、
君の現状を逐一報告してくれた。
だから、悔しさとかは無かったんだよ。
なりとろが2度愛したムービースターは、
本当にたくさんの人からも愛されていて、
その事がなりとろも最高に嬉しくて、
なりとろも大好きな人たちに看取られた君を、
本当に幸せな子だと思えたから。
こんなに幸せな最後を迎える馬がいるのだろうか。
君自身も幸せだったと思うし、
周りの人たちもみんな、幸せだったと思う。
君を失くした喪失感は、まだまだ拭えない。
忘れようとしても、忘れられないし、
忘れる必要もないと思う。
なりとろは、君と出会えて幸せだった。
君は、幸せを与えてくれるお馬だったから。
そんな君の事、
2度も好きになれた事。
一生の宝物だよ。
ありがとう。