大学四年生の冬、何とか志望の出版社の内定通知を受け取った。
入社前の健康診断で 肺がんが見つかった。
余命1年の宣告。案の定、内定は取り消しになった。
父と二人の弟を前に、余命の話をする。
治療は・という家族に・・・
『手術による治療はできないステージ。
延命を優先するか、質を優先するかの二つの選択肢しかない。
僕は、なるべく生活の質を優先しようと思う』と告げた。
時々、本当に眠れない夜があった。
寝たら、もう起きれないような気がして・・・・。
古本屋でアルバイトを始めたある日、”彼女”と出会ってしまった。
古本に遺書がはさんであった。
『・・・・・私は誰にも必要とされていない。誰からも愛されていない。
生きる意味を見いだせないまま過ごす毎日がつらい・・・・・。』
この本を売りに来た人の買取伝票から彼女を見つけた。
『ふざけるな。人間が生きる意味って?死を意識してから安息が・・・・ってなんだ』
猛烈に腹が立った。自分は突然死の宣告を受けたのに・・・
彼女に電話をして、自分の中に二つの感情があるのに気づいた。
猛烈な怒りと、彼女がまだ生きていた喜びと。
彼女が電話に出たとき、後者の気持ちだけになったことに驚きながら
彼女の気持ちを聴いた。『つらかったね。だけど死んじゃダメだよ。
・・・・・解るんだ、君の気持ちが。君は不治の病で余命一年だと
考えてごらん・・・・・・・』
彼女に電話して、自分の事を、目を背けてきたこととあらためて向き合うことになった。
ほほをかすめる風の音、夕日・・・
この世はなんて美しいんだろう。五感で世界を感じるのは生きているものの特権だ。
生きているうちにできること、きっとあるよ。
この世に生まれた理由、幸せになりたくてあがくため・・・・。
意味があるから生きるのではなく生きることに意味があるんだよ。
短編なのに何度聞いても勇気づけられます。
入社前の健康診断で 肺がんが見つかった。
余命1年の宣告。案の定、内定は取り消しになった。
父と二人の弟を前に、余命の話をする。
治療は・という家族に・・・
『手術による治療はできないステージ。
延命を優先するか、質を優先するかの二つの選択肢しかない。
僕は、なるべく生活の質を優先しようと思う』と告げた。
時々、本当に眠れない夜があった。
寝たら、もう起きれないような気がして・・・・。
古本屋でアルバイトを始めたある日、”彼女”と出会ってしまった。
古本に遺書がはさんであった。
『・・・・・私は誰にも必要とされていない。誰からも愛されていない。
生きる意味を見いだせないまま過ごす毎日がつらい・・・・・。』
この本を売りに来た人の買取伝票から彼女を見つけた。
『ふざけるな。人間が生きる意味って?死を意識してから安息が・・・・ってなんだ』
猛烈に腹が立った。自分は突然死の宣告を受けたのに・・・
彼女に電話をして、自分の中に二つの感情があるのに気づいた。
猛烈な怒りと、彼女がまだ生きていた喜びと。
彼女が電話に出たとき、後者の気持ちだけになったことに驚きながら
彼女の気持ちを聴いた。『つらかったね。だけど死んじゃダメだよ。
・・・・・解るんだ、君の気持ちが。君は不治の病で余命一年だと
考えてごらん・・・・・・・』
彼女に電話して、自分の事を、目を背けてきたこととあらためて向き合うことになった。
ほほをかすめる風の音、夕日・・・
この世はなんて美しいんだろう。五感で世界を感じるのは生きているものの特権だ。
生きているうちにできること、きっとあるよ。
この世に生まれた理由、幸せになりたくてあがくため・・・・。
意味があるから生きるのではなく生きることに意味があるんだよ。
短編なのに何度聞いても勇気づけられます。