高円寺では1年間通して色々な催し物「⭕️⭕️フェスタ」が催されている。
今は、2月17日まで『第9回 高円寺演芸まつり』 の期間である。
座・高円寺を中心に、町の商店街のどこかで、毎日、演芸が披露されている。
お風呂屋さんだったり、眼鏡屋さんだったり、飲食店だったり・・・・どこかで「小さな街角寄席」が開催されているのだ。
10名くらいから数十名まで、その空間の広さを生かしたの寄席である。
12日火曜日には、母が入所している高齢者施設が会場だった。
三味線を使った女性二人の音曲の前後に、落語が2席で、1時間たっぷり。
入所者は無料だが、付き添いの家族は有料。メインは施設に関係のない方々、有料。
当日は、数十名・4、50名くらいの人が、終始、大きな声で笑っていた。
耳が聞こえにくい母だけれど、雰囲気だけでも味わえるかと、後ろの方の入所者席でも、途中で抜け出しやすいところに場所を確保した。
「入船亭・・・」
「お三味線・・・・」
「ずいぶん大勢の人がきているのね・・・・・」
「料金を払うの・・・・・・・」
大きな声で話しかけてくる母に、びっくりであった。
みなさんが拍手をすると、一拍遅れで拍手をはじめて、終わってからもまだ続けている。
アンコール アンコール・・・・リズムにも、ちゃんと乗っている。
終わってからも、なぜがご機嫌であった。
やはり年季の入った芸人さんは、上手い!
笑いが溢れる場にいることで、きっと彼女なりにわかるのだと思った。
「これは、ひいき目に見ても、ちょっとばかり???」という時には、「早く帰ろう」の連呼になって、途中退席させてもらったことがある。
それから比べると、いい加減な芸を見せない、という姿勢に頭が下がったし、見えない席でも、聞こえない母でもわかっていた様子だ。
プロは、お金を受け取らなければいけない。
聞かせていただくからには、それなりの金子をお渡しするのが礼儀だ、ってわけ。
さて、話はここから。
始まる前に、こんなことがあった。
私たちに気づいたご近所の方が、数名近づいてきて母に挨拶してくださった。
どなただかはわかっていなかったと思うけれど、愛想よく振る舞っているではないか!
実は、近隣の方々は、この施設に対しては、関心が高い。
環境がいいからだ。
そんなわけで、一度は中に入って様子を見て見たい、という気持ちを持たれている。
寄席があるなら行ってみよう、的に関係のない方々も多く集まっていらした、と合点がいった。
偶然に私たちを見つけてくださった、という長年の地域のつながりは、入所している母にとってもとてもいい刺激になった。
「きっと、私を知っている人なのだろう」
であっても、嬉しい気持ちを持てることが、命を活性化する力となる、と感じた次第。
ユニットに戻ってから、おやつをいただきながら、穏やかな表情を見せてくれたことが、娘としてなんでこれほど嬉しいのか。
この歳になって、母と一緒に落語や音曲(漫才)を楽しむとは、予想だにしていなかったからだろうか?
思がけない思い出を重ねていける、それがどんなにささやかなことであっても、生きていることの証であり、後悔のない時間をいただいているのだ思えてきた。
「時蕎麦」を聞いたことも「ノーエ節」を、手拍子を取りながら歌ったことも、私にとってはよき思い出となった。
高円寺寄席 入船亭扇好さん 東京ガールズさん 生はいいですね! ありがとうございます。
スタッフの皆さん、お疲れ様です。
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