朝のラッシュ時間帯を避けて、遅めに自宅を出立した。
昨日、2月21日。
目的地の八景島シーパラダイスに到着したのは、12時少し前だった。
おそらく再びくることはない、と「水族館4施設+アクアシアター見学」フルコースチケットを購入。
最近では、シニア料金に気を良くして、大盤振る舞いも厭わなくなった。、ふふふフッ!
さて、問題は「タコ」である。
実は17日の朝日カルチャー日曜日クラスで、確実なタコ情報を得ていた。
タコの動画まで見せてもらって、これはいくしかあるまい! この日を待っていた。
「何時頃、写真を撮られたのですか」
情報をもたらしてくださった菊地さんに、前日の晩にショートメールを出した。
「イルカショーが終わった後、2時ごろでした」
その情報をもとに、1時前ごろからスタンバイする予定をたてていた。
アクアミュージアム内をゆっくり進む。
大水槽が体全体を取り囲み、包み込むように作られていて、大小様々な魚類や海の哺乳類がなめらな泳ぎを見せてくれている。
横を見たり、前を見たり、上を見たり、下を見たり、お上りさん状態だった。
「海の中にいるのに、呼吸が楽にできるんだー」
子供にかえって、感動している。
いつの間にか、水族館はすごーいことになっていたのだ。
さて、タコだ。
最初は通り越して、行ったり来たり。
戻ってみると、子供達が大声ではしゃぎながら、楽しんでいる。
小さな女子は、「こわいー」と泣き叫んで、お母さんに抱っこされて、そそくさと移動してしまった。
その水槽を覗くと、タコが一番前の底で呼吸をしている。
しばらく立ち止まっていると、ゆっくりと動き始めた。
「なるほど!」
それでもあまり大きな動きは見せてくれなかった。
1、2枚写真を撮って、他の水槽を見てから戻ることにした。
正解だった。
今度は、体をイカのように流線型に変化させて、水槽の斜め上に泳ぎ始めた。
そのあとは、様々な動きを見せてもらった。
というわけで、しばらくタコのいる水槽の前に陣取って、心ゆくまで拝見した、という次第。
それからミュージアムを一旦出て、外の施設を回り、遅い昼食を済ませて、残りのいくつかを見て回った。
さて、ここからがキモ!
うみのファーム、と名付けられた施設で、タコに触れられる看板を発見。
予約を取って、2時半から「観察なっとくツアー」に参加。
と言っても今の時期である。私一人の貸切であった。
愛嬌あるわかい女性飼育員の説明を聞きながら30分。
「なっとくツアー」
その中で、タコに触れ合ったことは収穫。
小さな水槽の中に、発泡スチロールの箱が浮いていた。
「蓋が開かないように、鍵がかけてあります。こうしてお話ししているうちに、目の前の大きく深い水槽に逃げられてしまったことがあるんです」
小ぶりでかわいらしいタコだった。
触り方を教えてもらって、吸盤に触れると、キュッと吸い付いてくる素早さは、ゼロコンマ何秒か?
非常に敏感な反応である。
頭の近くを撫でると、狭い箱の中をイカ状態の流線型にして泳ぎ始め逃げ出すかのような動きを見せる。
体の形を変える素早さは、見事だった。
他にも深海に住むタカハシガニやグソクムシ(?)三葉虫のような・ダンゴムシのような外骨格の二種に触らせてもらえた。
生きているものは、硬いと言っても柔らかさを感じる。この感触は予想を超えていた。
体験を終了してファームを後にした。
そしてミュージアムに再入場して、アクアシアターの大画面で、20〜30分間ナショナル・ジオグラフィックの映画を見た。
小学生中学年から中学・高校生がいたら、連れてきてあげたいと思った。
いやいや、野口先生だ!
お見せできなかったことは、残念至極。
時は遡って、1956年海洋学者 ジャック=イヴ・クストー とルイ・マル監督が組んで製作した「沈黙の海」海洋映画をご覧になった。
野口先生は、ものすごく感動し、興奮し、海の中の生き物の動きが、野口体操のイメージを豊かにした経緯がある。
タコの動きは、他の生き物にない自由さと奇想天外さと滑らかさとすばやさと・・・・あげたらきりがない。
野口体操の動きのイメージには、なくてはならないものとなるような気がしている。
『タコの心身問題』から始まったタコ探し旅は、三度目の正直でたっぷりと見せてもらった。
タコの場合、ニューロンの5分の3は、脳ではなく足に集まっている、という実態を見たような気がする。
敏速さは、どんな生き物も叶わないのではないだろうか。
今一度、本を読み直さねばなるまい。
何れにしても、タコを求めて海に潜るわけにもいかず、シニア券で水族館を巡るのも良い経験になった。
三度目の正直でした。
私も今、『タコの心身問題』を読んでいる最中です。
読み進むにつれ、本物のタコが見たくなり、八景島シーパラダイスに行こうかと思っていたところでした。
同じような方がいて嬉しいです。