大阪で「朝の連続ドラマ」をやっていた時、土曜・日曜・月曜が「編集」と「MA(音楽や効果音を入れる作業)」の作業。3日共、ほぼ徹夜だった。
確か、「現場のAP」もやっていたから、いつ休んでいたのだろう?若いから出来た事だ。
「編集」の終わり、月曜日の夜明け前に、「出演者とスタッフのテロップ入れ」の作業が毎週ある。月曜〜金曜放送の5本分。
まず、台本を読み直しながら、「その回に出ている出演者の役名」に◯を付けていく。出演者の名前を見落としたら致命傷である。再放送やDVD化する時のギャラの目安もテロップによって決まるからだ。
そして、プロデューサーに教えてもらった通り、「A3の白い紙」に「碁盤の目」の様に縦横に線を入れる。
「スタッフの部分」の「秒数」には変更は無いので、「出演者の部分」の「並び」と「各出演者のテロップの秒数」を「決められた総秒数」を計算しながら、「白い紙」の「碁盤の目」に「出演者の名前」と「各テロップの表示される秒数」を書き込んでいく。一枚のテロップに何人の名前を載せるかも。
「特別出演」や「友情出演」などがある場合は、「出演者名」の横に書き込む。
表が出来上がったら、プロデューサーに見せて指示を仰ぐ。
「ヒロイン(主演)」はいちばん最初に出るが、中村玉緒さん、南田洋子さん、大村崑さん、芦屋雁之助さん、ミヤコ蝶々さんなど、たくさんの大物俳優が出ている回はプロデューサーの判断で「トメ(いちばん最後)」「中ドメ(複数の出演者が載っているテロップの間)」それでも調整が付かなければ、「特別出演」や「友情出演」を入れる。
だから、「友情出演」とテロップに出ても、その俳優さんが誰かの「友達」という訳では無い。
プロデューサーからOKが出たら、「本編の編集」が終わって、監督が帰った後、編集マンと朝まで1週間5本分のテロップを入れるのである。
「朝ドラ」をやっていた当時、編集はVTRを使っていて、巻き戻したり、早送りしたりする時間が必要だった。
詳しい事は分からないが、今は編集もハードディスクを使い、個人のパソコンで「テロップ入れ」の作業をして、メールで編集室にデータを送れば済んでしまうのでは無いだろうか?
「テロップ入れ」が終わり、くたびれ果てて、タクシーの座席で半分寝ながら、毎週家に帰った事を今でも鮮明に憶えている。
長らく「朝ドラ」半年分130本の「テロップ入れ」を何度もやったが、一度だけミスをした事がある。
それは俳優事務所からの一本の電話で発覚した。
ある話の台本の最後、ト書きに一言、「◯◯(役名)が木陰から覗き見している」と書かれていた。それを見逃したのである。
事務所には平謝りして、事なきを得たが、「テロップ入れ」の「重要さ」と「怖さ」を知った出来事だった。
現在、日々放送されているたくさんのドラマにも「テロップ入れ」という重要な作業が存在する。それに関わるスタッフも。
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