【ロサンゼルス江川悠】黒澤明監督の名作をリメークした映画「隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS」(樋口真嗣監督、5月10日公開)のプレミア上映会が27日(日本時間28日)、米ロサンゼルスの南カリフォルニア大学(USC)で開かれた。同校出身の巨匠ジョージ・ルーカス監督が、黒澤監督のオリジナル版をヒントに映画「スター・ウォーズ」を製作した縁で実現。主演の人気グループ「嵐」の松本潤(24)は、約300人から絶賛の拍手を浴び、「いろんな世界の人に見ていただきたい」と“世界進出”を大きな目標に掲げた。
「自分が立ち上がってしまいそうになりました。観客とすごく一体感があった。これだけ温かく迎えてくれて、興奮して帰ってくれたので、すごくうれしかったです!!」
自身初の時代劇。しかも、ハリウッドのおひざ元で映画を勉強する学生たちの目は厳しいことを覚悟していた。だが、それは杞憂(きゆう)だった。コミカルな場面では、どっと笑いが巻き起こり、松本がキザなせりふを決めれば女性ファンがブーイング。そして最後は歓声と拍手の大きさがそれを物語っていた。
上映会が開かれたUSCのエレン・ノリス・シアターには、同校の映画芸術学部の学生ら200人と、全米各地から集まった松本のファン合わせて約300人が鑑賞。会場に入れないファンも100人ほどいた。
樋口監督とともに上映前の舞台あいさつに立った松本は「ジュ~ン!!」と黄色い歓声を浴びながら、「伝統あるUSCでの試写会に参加できたことを誇りに思います。これからの2時間が、みなさんにとって素晴らしい時間になることを祈っています」などと、カンニングペーパーなしで1分以上にわたって英語であいさつし、さらに観客を喜ばせた。
上映後は、観客との意見交換会を開催。「続編が見たい!!」との声に、樋口監督が「松本君がやりたいって言えば…」とあおると、客席から「Do it!!(やって~!!)」とリクエストが殺到。松本も苦笑しながら親指を立ててみせた。
また、イベント後の会見では、「本場でいいリアクションがもらえて、日本がハイクオリティーな映画を作れることが証明できた」と樋口監督をたたえ、「機会があったらいろんな世界の人に見ていただきたい」と“世界デビュー”を目標に掲げた。関係者によると現在、タイと台湾では公開が決定。北米と欧米は交渉中という。
「次にアメリカに来るときは、通訳の方を通さずに英語ができるくらいにならないと…」。大きな手応えと自信を胸に、日本とアメリカの巨匠同士が築き上げた大きな懸け橋で、俳優・松本潤が世界への扉を開く。
【物語】時は戦国。資金豊かな国・秋月が、隣国の山名に攻め落とされた。山名の山の民・武蔵(松本)と新八(宮川大輔)は、偶然に秋月の隠し金塊を発見するが、同盟国の早川を目指す秋月の生き残りの侍・真壁六郎太(阿部寛)と雪姫(長澤まさみ)に捕まってしまう。武蔵は六郎太に奪われた金塊の分け前を要求する代わりに敵領を突破して早川に脱出する奇策を提案し、手を組むことに。しかし、4人の前には、冷酷無比な山名の侍大将・鷹山刑部(椎名桔平)が立ちはだかる。
(中日スポーツより引用)
「隠し砦の三悪人」、僕のいちばん好きな黒澤映画。脚本も大きく変えられたそうだ。リメイク版の出来が心配だ。