お楽しみはこれからだ❣️

本と映画とテレビと鉄道をこよなく愛するブログ

「11PM」生放送の1日

2021年12月24日 | テレビ番組


11PM」のADをやっていた時の1日のスケジュールは次の様なものだった。


夜が遅くなるので、昼頃出社。夕方5時からの「技術打ち合わせ」に出る。ここでディレクターから、どのコーナーでどんな映像をどのカメラで撮るか、説明される。


「技術打ち合わせ」が終わったら、早めの腹ごしらえ。会社の向かいの中華料理店に同期のADと駆け込み、ラーメンとチャーハンを5分で食べる。若いから出来た事だ。


そして、MC、ゲストを入れ、台本に沿って打ち合わせをする。一度、打ち合わせをしている最中に、あのアイドル・河合奈保子が通って、思わず、「河合奈保子や!」と言ってしまい、周りの顰蹙を買った事もあった。


夜7時半からは、水着ギャルの事前収録。火曜イレブンは、毎週ギャルが変わるのだ。このギャルが3つの鏡をバックにポールを使って踊るコーナーのディレクターが、ADのディレクターデビューだった。


夜9時40分頃になると、リハーサルが始まるので、社屋の隣にある「ティジャ」というステーキハウスに藤本義一さんを呼びに行く。CPと藤本さんはこの店で水割りを飲みながら待っているのだ。


今の番組と違って、基本リハーサルは行ない、上手くいかなかったところは、ディレクターも入れて解決策を話し合う。


いよいよ、夜11時20分過ぎ、生本番。生放送が始まると、終わるのは早い。


終わって、夜0時半、スタジオ出口で藤本さんを制作スタッフが囲み、今日の反省と先のラインナップの確認。


5階の制作部に上がり、イレブン弁当(会社の食堂が用意してくれる冷たい弁当。ADしか食べない)を食べながら、先輩方の話に耳を傾ける。ビールを飲みながら、応接セットを囲んでである。


ディレクターになってからは、まず、制作の反省会に顔を出し、引き続き、同じ階の技術スタッフの飲み会に参加して、意見を聞くのが恒例の儀式だった。


制作部の方で話が乗ってくれば、おばあちゃんが一人でやっているお好み焼き店か(人手が無いので、ビールは勝手に出して飲んでいた)、空心町のニンニクラーメンの店に行って、チャーシューやもやしをあてに、「テレビとは何か?」を巡って熱い討論になった。時には喧嘩になる事も。


午前3時。タクシーに乗って帰宅。タクシーの中で、今日あった事を反芻し、心地良い疲れの中、冷静になっている自分がいた。


テレビをやっていて、どの時代が良かったかと聞かれたら、間違いなく、「11PM」の時代と答える事だろう。ビールを飲みながら、あれほど、「テレビ論」を語った時代は無かったのだから。



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鶴さん(鶴橋康夫さん)

2021年12月10日 | テレビ番組
テレビ朝日のスペシャルドラマ「女系家族」を見た。ボレロに乗って、遺産を求め、踊り狂う女たち。愛人役の宮沢りえが良かった。

鶴さんとは、僕が東京制作部ドラマ班に異動して来てからの付き合いだ。
鶴さんが演出した連続ドラマ「寝たふりしてる男たち」では、APを。「永遠の仔」では、Pを。「天国への階段」では、CPを務めた。

そんな鶴さんも81歳。しかし、今回の「女系家族」の演出はエネルギッシュで繊細。時間を忘れるほどのドラマだった。

次回作を楽しみにしている。
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「コンビニ」と「スマホ」

2021年12月09日 | エッセイ・日記・意見
テレビ神奈川で、日曜の24時から再放送している、1994年制作の連続ドラマ「29歳のクリスマス」を毎週楽しみに見ている。

脚本は鎌田敏夫。出演者は、山口智子、柳葉敏郎、松下由樹ほか。

このドラマを見ていると、「コンビニ」でいつでもなんでも手に入る事、「スマホ」でどこでも連絡が取れるという事が本当に「心にとって素晴らしい事」なのか、疑問に思ってしまう。

モノはなかなか手に入らないから、手に入った時、感動する。連絡はなかなか取れないから、ドキドキする。

通勤電車の中で黙々とゲームをしたり、映画やテレビ番組をスマホで見たり。映画館で心に響く映画を観た後、喫茶店やバーでその余韻を味わいながら過ごす一刻。録画予約もできないので、学校から駆け足で帰って見た土曜よる8時の「刑事コロンボ」。

そんな人間臭い感動が昭和にはあった様に思う。

「便利」という二文字が人間の生活をのっぺりさせている事は間違いないだろう。
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松本真実さん

2021年12月08日 | テレビ番組


僕が「11PM」をやっていた時、カバーガールが松本真実さん。優しくて、爽やかな女性だった。
僕は女心には非常に鈍感。彼女が番組を卒業する時、スタッフから「松本真実さんは僕にとても好意を持っている」と聞いた。
青天の霹靂だった。
彼女が僕に話しかける事がほとんど無かったからだ。
僕の方も彼女の気持ちを聞いて、意識し過ぎて、声をかけられなかった。

松本真実さんの最終回の生放送が終わった深夜1時、藤本義一さん、松本真実さんとスタッフ一同で、料理屋で杯を上げた。

二次会は大阪ミナミのディスコ。
ひと通り踊った後、松本真実さんにスタッフ一人一人、贈る言葉を述べた。

最後は僕の順番がやってきた。僕はゆっくり真実ちゃんの顔に顔を近づけると、そっと彼女の唇にキスをした。フレンチキスだった。甘い香りがした。

その夜、彼女はロイヤルホテルに泊まっていて、ホテルの部屋に行って、話がしたかったが、電話する勇気が無かった。

あれから30余年、松本真実さんは元気にしているのだろうか?
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