お楽しみはこれからだ❣️

本と映画とテレビと鉄道をこよなく愛するブログ

ナイアガラの滝とニューヨークのミュージカル

2023年01月15日 | 旅・外国
僕は「ナイアガラの滝」の最寄りバッファロー空港へニューヨークから向かっていた。

空港から滝まではタクシー。

「ナイアガラの滝はマリリン・モンローで有名ですよね?」
と運転手さんに話しかけるが、何度言っても「マリリン・モンロー(アクセントを付けずフラットに言っていた)」が通じない。いろいろアクセントを試していると「マリリン・モンロー」の語尾(モンロー)を上げるという事が分かり、それを機に彼と話が盛り上がった。

余談だが、アメリカ人の多くは陽気だ。ケニアのサファリに行った時、感じた事がある。
僕はフランス人のグループと一緒のサファリカーに乗っていたのだが、彼らは別のサファリカーに乗って陽気に騒いでいるアメリカ人たちの事を「地球の田舎者」と言った。長い歴史を持つヨーロッパに住むフランス人からは新大陸のアメリカ人が田舎者に見えるのだろう。僕はその時、変に納得したのを憶えている。

二時間位走っただろうか?タクシーはアメリカ側の「アメリカ滝」の袂に着いていた。芝生一面、滝の水飛沫で凍った氷柱がたくさん立ち並んでいた。年越しのタイミングで行ったので極寒だ。

アメリカ滝はエレベーターに乗って、滝が落ちて来る滝壺の真横まで行く事が出来る。但し、風向きによっては派手に水飛沫を被ってびしょびしょに濡れてしまう場合もある。展望台でも観光に来ているアメリカ人からは笑い声が起こり、とても賑やかだった。

徒歩で国境を越え、カナダ滝の展望台へ。膨大な量の水が果てしなく、滝壺へと吸い込まれる様に落ちて行く。明らかにアメリカ滝より規模は大きい。

世界三大瀑布と言えば、「ナイアガラの滝」「イグアスの滝(ブラジル・アルゼンチンの国境)」「ビクトリアの滝(ザンビアとジンバブエの国境)」。後に、僕は三つの滝を訪れたが、「イグアスの滝」が飛び抜けて壮大で迫力があった。オススメです。ぜひ。

大きな滝を見ていると、大自然に強く抱かれている感じがする。
人間としての自分の悩みなどいかに小さなものかを痛感させられる。だから、僕は観光地を訪れるより、常に大自然に会いに行きたくなるのだろう。

ナイアガラからニューヨークへの帰路は「鉄道の旅」。「乗り鉄」の僕は鉄道に乗れるのを今回の旅でいちばん楽しみにしていた。

カナダ滝から三時間以上歩いただろうか。冬というのに、僕は汗だくになっていた。疲労困憊。目的地は「ナイアガラ駅」。いくら歩き続けても、駅が見つからない。ニューヨーク行き列車の発車時刻も迫って来ている。

すると、三時間歩いて何も無かった道端に一軒のカフェを見つけた。急いで店に入り、タクシーを呼んでもらう。

「これで列車に間に合う」と僕の心は踊った。

タクシーに乗り込み、「ナイアガラ駅」に行って欲しい旨を運転手さんに伝える。ホッとして、座席に身体全身を委ねた。

「ナイアガラの町に駅はないよ」と運転手さん。「地球の歩き方」の小さな地図を見せて、「ナイアガラ駅」の場所を説明。
僕と彼との間で押し問答が続く。
「駅なんて、誰に聞いてもわからない」と彼。

僕はなんとなく頭の中で理解した。アメリカは車社会で列車を使う事が無いので、ナイアガラの町の人たちは「駅の場所」を知らないんだと。

「バッファロー空港へ向かって下さい」
僕は諦めて運転手さんにそう告げた。ニューヨークまでの鉄道運賃が無駄になってしまったがしょうがない。空路でニューヨーク。

この日から、一緒にニューヨークへ来ていた友人と四夜連続でブロードウェイ・ミュージカルを観た。

「Cats」「コーラスライン」「ラカージュオフォーレ」「42nd street」。

正確に言うと、僕はどのミュージカルもイビキをかいて熟睡。昼間歩き回った昼間の疲れがたっぷり溜まっていたのだ。

座席を取ってくれた友人は大学時代、オーケストラの指揮者をやっていて、ミュージカルを物凄く楽しみにしていた。僕は毎晩彼の横で爆睡。
終演後、毎晩激怒され、キレられた。

旅の最終日、有名なジャズクラブ「ビレッジ・バンガード」へ。超満員でラッシュ時の電車の中にいる様だった。人が多すぎて、周りに身を委ねても倒れない。二時間あまりの公演。ここでも僕は熟睡。

友人は僕に言った。
「お前とは二度と旅には来ない!」と。

音楽にほとんど興味が無い僕は他の事を考えていた。
「いつか、アメリカ横断鉄道に乗ってやる」と。

忘れられない年越しだった。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 11歳で179cm❣️ | トップ | 191cmの女の子 in 電車 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿