「はい、1310円ですね」
と僕は4週間に一度通っている内科の会計でお金を渡した。5分位握り締めていたので、硬貨が生温かくなっている。
支払いの時、会計の女性を待たせるのが苦手だ。だから、いつも決まった額の診察料1310円を必ず握り締め、手元に準備しておく。
よくスーパーでレジがすごく並んでいるのに、現金(硬貨)を1枚ずつ出して支払いをしているおばあさんを見かける。
多分、クレジットカード等を持っていないからそうするのだろうが、僕の場合、自分の後ろに並んでいる人の目線を意識する。だから、どこでもカードがPASMOで支払う。
支払いが現金でしか出来ない場合、財布からお金を出す手が震えてしまう。
そんな時は速攻で高額紙幣を出してお釣りを貰う。
最近のスーパーには、自分で商品のバーコードを読ませて、会計を済ませる「無人レジ」もある。
毎日スーパーに行っているせいか、妻は何の抵抗も無く使っている。
僕は1人でスーパーに行くと、「無人レジ」が使えない。途中で使い方が分からなくなり、パニックになるのが嫌だから。
妻は「ポイント大王」でもある。あらゆるポイントカードを持っていて、それを駆使する。中には、そのスーパーに行っただけで貰える「楽天ポイント」等もあって、面倒くさがり屋の僕にとって、ポイントは苦手な分野である。
後ろに並ばれるのが嫌という事であれば、高2の時。修学旅行で東北旅行に行った。
観光バスに揺られていると、尿意を催した。膀胱がパンパンに張っている。
何とか我慢しているうち、バスは止まり、狭いサービスエリアでのトイレ休憩。男子校だったので、1学年180人の学校だったので、その大方がトイレに殺到。小便器は3つしかない。
幸いにも小便器の列、いちばん前に並べた。パンパンだった膀胱。勢いよく小便が出ると思いきや、全く出ない。
何故なら、たくさんの同級生が僕の後ろに並んでいるからだ。
「こいついつまで小便してるんや!長すぎるぞ!」
と思われているのでは無いかと、僕は気が気では無い。
遂に一滴も出ず、チャックを閉めて、小便器の前から離れる。
トイレ休憩は15分位あったので、少し時間を置いて、列に並び直す。2度目という事を誰にも悟られない様に。
今度は何とか上手く出た。後ろに誰も並んでいなかったから。
用を足している間も後ろの気配には十分注意している僕がいた。
修学旅行で安心してトイレで用を足せたのは「新幹線のトイレ」だった。
「新幹線のトイレ」には窓も付いておらず、中に入ってしまえば、「使用中」の札が表に出て、誰が中に入っているか分からない。多少、時間がかかっても、同級生に不審な目で見られる事が無いからだ。
今、自宅で「小便」をする時、男性でも座ってする人が多くなってきている。
妻や家族に「立ってすると、トイレが汚れる」と指摘される男性も多いのだろう。
僕も「座ってする派」。
会社のトイレでも「大」も「小」も座ってする。
僕は昔から「潔癖症」で、小便器で用を足すと、「飛沫」がズボンに飛ぶ様に感じて、前々から嫌だったのだ。
そんな僕から見れば、小便器で大きな音を立てて、堂々と小便する人は男らしいと思う。
その豪快な音は「大」の部屋に座っていても、気持ち良く響いて来る。
中には小便器で小便をして、手も洗わずに出て行く人も見かける。
いろんな事がいちいち気になる性格の僕にとって、ある種、羨ましいかぎりである。
用を足した後、手は洗って下さいね。
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