日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

刀 弘邦 Hirokuni Katana

2018-04-07 | 
刀 弘邦


刀 弘邦

 廣木弘邦は山城伝直刃出来を得意としたが、本作のように備前伝も優れている。備前伝というと、一文字風の出入りが華やかな重花丁子を思い浮かべる方が多いのだが、鎌倉時代後期には、比較的穏やかな互の目や小丁子が焼かれている。そのような時代背景、即ち、鎌倉時代後期に栄えた長光一門の作風を手本としている。板目の交じる小板目肌に映りが立つ地鉄が綺麗だ。刃文は先に述べたような小互の目丁子出来。足が盛んに入り、帽子はわずかにたるんで先小丸に返る三作帽子。80□





太刀 弘邦 Hirokuni Tachi

2018-04-07 | 太刀
太刀 弘邦


太刀 弘邦

 鎌倉後期の小太刀を手本としたもの。刃長一尺九寸強。この寸法は、鎌倉期ながら片手打ち。腰反りが付いて鋒は猪首風。地鉄は良く詰んだ小板目肌に細かな地沸が付いて冴え冴えとしている。刃文は小足の入る直刃。匂と小沸の調和も美しく、刃境には金線が流れ掛かる。地中の景色はもちろんだが、刃中の匂の広がりからなるこのような淡い景色は、現代刀工の多くは再現できないのではなかろうか、ものすごく綺麗だ。