脇差 源正雄



脇差 源正雄
南北朝時代の写しながら、肉を厚く造り込んだ覇気横溢の作。刃境に流れるような板目と杢目を強く表し、沸を強調してその肌目をより強く見せた、創造的意欲の溢れた出来。師清麿が長く連なる金線や地景を意図して表したことから、弟子の正雄は杢目を刃境に表わすことを意図した。直胤の渦巻き肌とも異なり、荒磯に打ち付ける大海の波のような激しさが窺いとれる。刃文は小の肌目によって霞んでしまったようだが、互の目丁子で、総体が小板目状に良く詰んだ中に匂の焼刃が綺麗に施されている。備前伝の下地に相州風の激しさを加えた作である。260□





脇差 源正雄
南北朝時代の写しながら、肉を厚く造り込んだ覇気横溢の作。刃境に流れるような板目と杢目を強く表し、沸を強調してその肌目をより強く見せた、創造的意欲の溢れた出来。師清麿が長く連なる金線や地景を意図して表したことから、弟子の正雄は杢目を刃境に表わすことを意図した。直胤の渦巻き肌とも異なり、荒磯に打ち付ける大海の波のような激しさが窺いとれる。刃文は小の肌目によって霞んでしまったようだが、互の目丁子で、総体が小板目状に良く詰んだ中に匂の焼刃が綺麗に施されている。備前伝の下地に相州風の激しさを加えた作である。260□


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