二子玉川 de ぼちぼち絵日記

二子玉川在住主婦の好きなモノ絵日記。街歩きやスイーツ、エンタメ、昭和レトロ等 コメントお気軽に!☆

マネとモダン・パリ展@三菱一号館美術館

2010-04-20 13:41:07 | 美術館・ART・博物館

すみれの花束をつけたベルト・モリゾ 1872年 パリ、オルセー美術館

4月6日に開館した三菱一号館美術館
マネとモダン・パリ展 に行ってきました。

知人に内覧会の招待券をいただいたのですが、あまりの内容の素晴らしさに圧倒され 数日間呆けてしまいました。

赤レンガ造りの建物は 明治時代に建築家ジョサイア・コンドルが設計した三菱一号館を忠実に復元したもの。 
丸の内に美術館を建設するという19世紀末の岩崎弥之助氏の夢が、現代に実現したものです。


エドゥアール・マネ(1832-1883)は 三菱の創業者、岩崎弥太郎(1835-1885)氏とほぼ同時代に生きた画家で 龍馬とも4歳違い。
その点でも最近 幕末にはまっている私にはとても興味深い展覧会でした。



「マネの回顧展をフランス国外で作る際、もっとも困難な要素のひとつは、決してパリを離れることがない「草上の昼食」と、近年ではわずかに1度ニューヨークに旅立っただけの「オランピア」という、代表作2点を加えることができない、という現実にある。
それにもかかわらず本展を企画したのは、わが国においてマネという画家の存在が、誤解を恐れずにいえば、「陽の当たらない(マージナルな)」場所に置かれてきたという事実があるからである。
日本においてマネの名を冠した展覧会は、これだけ西欧近代絵画の展覧会が多く開かれている昨今でもたかだか2度しかない。」
(正式カタログより 本展覧会の意味とカタログの構成・高橋明也氏)



発表当時は 現代性がまったく理解されず非難され続けたマネ。
変革に挑み続けた画家のエネルギーが 美術館からほとばしるようです。


エミール・ゾラ  1868年 オルセー美術館

自分を擁護してくれたエミール・ゾラの肖像画。
日本の屏風絵と3つの複製画、力士絵、マネが敬愛したベラスケスの「バッカスたち」、「オランピア」が描きこまれています。

借り出すのが困難といわれるマネの作品が80点あまり、同時代の作品がほぼ同数、
初めて目にするマネの原画の絶対的な黒に圧倒され、畏怖を感じたくらい。。

三菱第一号美術館の高橋館長をはじめ、オルセー美術館館長やコミッショナーの方々の 画家への愛情を感じる素晴らしい展覧会でした。
会期も長いので ぜひもう一度 足を運びたいと思います。

マネとモダン・パリ
4月6日(火)~ 7月25日(日)
三菱一号館美術館(東京丸の内)
コメント (3)
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エミール・ガレの生きた時代@目黒区美術館

2010-04-20 10:34:14 | 美術館・ART・博物館


4月16日に、目黒区美術館で開催中の 
エミール・ガレの生きた時代 近代生活のエレガンス のブロガー内覧会に行って参りました。
美術館の公式サイトでブロガーを募集していたのですが 弐代目・青い日記帳 のtakさんのつぶやきで情報を知りました。ありがとうございます。

学芸員さんのギャラリー・トークのあと、閉館後の館内を自由に見学・写真撮影していいですよ、と言われ 感激して写真に納めてきました。


アール・ヌーヴォーを代表する作家であるエミール・ガレ(1846-1904)ですが、
今回の企画展では アール・ヌーヴォー以前のガレの作品や 同時代に彼が見て育ったであろうネオロココ様式の家具・調度品、同世代の作家の作品を取り上げています。
作品は 滋賀県長浜の黒壁美術館のコレクションから 約120品が出品されています。

後から見ると 自分の好きなガラス作品ばかり撮影していたので一部ですがご紹介します。

初期のガラス作品。 
湖水風景文花器 1867-84年 日本では明治維新の頃。 21歳のガレの作品にとても心惹かれ、何度も往復してしまいました。
ガレのガラスは初期は透明だったものが徐々に不透明化していく過程が 作品を追っていくとよくわかりました。


草花分杯 1979年頃
1878年のパリ万国博覧会でガレが発表し好評を博したもので、ジャポニスム的情趣が強く現れている作品。


トランプ文リキュールセット 1878-89年
思わず「可愛い!」と声に出してしまったトランプ模様のデキャンタとグラス。
モチーフはアリス?ではなく、同じナンシー出身の版画家ジャック・ガロの「せむし達」から引用したもの。


アブサンリキュールセット 1880年代


中世人物リキュールセット 1884年ー89年


風景文双耳花器 1880-84年
こちらも日本の漆工芸風の色調をもった仕上がり。


■アール・ヌーヴォー以降のガレ■
花器 アルプスのアザミ  1900年頃
1900年のパリ万国博覧会に「アルプスのアザミ」の名称で出品された作品のヴァリアント(同型作品)。(全角度から見やすいように鏡が置いてあります)
花瓶の側面に線刻で銘文が刻まれています。「新しい土地、誰も扱ったことがない外気 エミール ゾラ」


エミール・ガレのランプ 1902- 年頃
電球が発達したのはガレの晩年だったので、長生きしたらもっと素晴らしいランプ作品を多数残しただろうに、という学芸員さんのお話でした。


ソーダ発泡アップリケ花器 1903年
花瓶の口からソーダがあふれ出てくる様子を写したデザイン。晩年には不定形な流動形態による表現を追及。


               

ロココ調の調度品が飾られた部屋に ドレスをまとったゲストも登場。。
作品はマイセン窯「人物群像飾り時計」「陽気なマイヤー」


レセプションでは 目黒区長、黒壁美術館鈴木館長の挨拶を拝聴し、その後 ワインと軽食で歓談。
まるでクラシックコンサートに行くように、美術館を楽しめて本当に楽しくて素敵な夜でした。



目黒区美術館は区民センターと隣接した小規模な美術館ですが、このようなオープンデイやイベントが増えて付加価値がついたら 頻繁に足を運びたくなるなぁ、と思いました。
(ちなみに1年間フリーの年間パス友の会が2000円! 安い。。)
ブロガー内覧会は初めての試みだそうですが ぜひまた開催いただけたらと思います。 このたびはありがとうございました。

エミール・ガレの生きた時代展 近代生活のエレガンス
目黒区美術館
2010年4月17日~ 5月30日(日) 午前10時~午後6時
コメント (9)
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