Naoの誰でもわかる!英語の話

英語を勉強している人へ、面白い、ためになる話し、知識・情報などを、誰もがわかるように書いていきます。

英語体験編(No.2)

2007-08-27 | Weblog
「アメリカ到着!」

(前回の続きです)
さて、あの暑いハワイの熱気の中、さっそうと白いジャケットを身にまとい、汗をかきながら(脱いだら?)空港ビル(airport building)内を歩いて向かった最初の関門は、あの恐怖の入国管理局(immigration/イミグレイション)。あそこはいつも嫌でした。なぜって?あの審査官(immigration officer)の威圧するような手招きと冷たい表情。あの、目つき。そして相手が英語が出来ようが出来まいが、まったく気にしないしゃべり方。列の最後のついた僕は、わかるかなぁ、わからなかったらどうしよう、と不安にさいなまれながらの順番待ち。一刻、一刻と自分の番が近づくなか、考えました。「何を聞かれるのかなあ」「書類は全部あるよな」「声出るかなぁ」…そして、とうとう僕の番が来ました。

Officer: Hi, what's your name?

Nao: Naoki Nishimura.

Officer: (僕の方をちらっと見て、パスポートのページをめくりながら)What's your purpose of your visit?

Nao: (え?早い!わからん)I beg your pardon?(なんて教科書的表現…)

Officer: What’s your purpose of your visit?

Nao: (同じスビードじゃん。いや、聞こえなかったんじゃなくて~早いのよ)Ah, excuse me. Once more, please.(これまた教科書的)

Officer:(なんかいやな顔をしながら)Why are you here?

Nao: (あ、旅行の目的ね。それなら)Sightseeing.

Officer: All right. How long are you gonna stay here?

Nao: (あ、stayだから、滞在期間ね)One week.

Officer: Where are you gonna stay?

Nao: (えっと、どこ、滞在、だから~)Pacific Beach Hotel.

Officer: Is this your first visit to the United States?

Nao: (始めてかって?)Yes, sir.(なんで敬語?)

Officer: All right. (パスポートを手渡しながら)Have a good trip!

Nao: Thank you, sir. (あ、また言うてしもた。怖いんかい。)

ま、ともかくも無事にimmigrationを通ることができました(ふ~)。いや~、ここは何回通っても、緊張するというか、なんというか。何も悪いことしてないのに、何かして、それで質問されてるような気になりますね~。それとあの英語。誰にでも同じスピード。英語は特別のものじゃなくて、出来て当たり前。出来ないのがおかしいので、変な顔をされても当然と言わんばかりのあの憎たらしい表情。ま、でも、今考えると、あの経験がその後の僕の英語に対する取り組みの変化に繋がったのかも知れません。取り組みの変化?そう、つまり、英語を母国語として話す国に行けば、そこで住む以上、英語を話す、話せるのは当然であり、問題はそれで何をするのか、何が出来るのかが問題で、英語の試験でいい結果を得ることは言葉の本質と無関係。なので、わかるためにどうするか、自分をわかってもらうためにどうするかに腐心しなければならない、ということです。言い換えると、英語はあくまでコミュニケーションの道具であって、「勉強」の対象ではない。いかに相手の言うことをしっかり理解し、自分の言いたいことを自然に話せるようになるかが英語の進歩の尺度になるべきと考えたのです。あ、ちょっと話が難しくなりましたね。ごめんなさい…。

さて、Immigrationを無事に出られたことでホット胸をなでおろした僕が次に向かった場所は、Baggage Claim(バゲッジクレイム/手荷物受取所)です。Northwest航空のNo.1カウンターに行き、しばらく待っていると、ベルトコンベヤーが動き出しました。すると、驚くことに、そこにいた担当のアメリカ人が、中から出てくる荷物を次から次に外に放り出し始めたのです。「おいおい、それじゃあ荷物壊れるだろう!」と思った瞬間、出てきました、僕の新品のスーツケース。前の荷物に続いて一瞬空を切ったかと思うと、ドーンと着地。あぁ、あのきれいだったスーツケースにはあちこちにでこぼこが…。「これがアメリカ式なんだ」と、また一つ新しい文化を発見しました。Welcome to America! (ちょっと涙。)

ともかくも荷物を受け取った僕が次に向かった場所は、税関(Customs)、そう、最後の関門です。機内でもらった、何も申告するものはない旨記入した税関申告書(Customs Declaration Form)を握りしめ、大きなスーツケースを右脇でゴロゴロ引っぱりながら、「まだ出れないの、この空港を…」とぼやきながら最後の関門へ。そこは結構広い区域で、多くの人が荷物をやはりゴロゴロ引っ張りながら、右へ左へと流れていました。あ、右、左の説明ですね。税関のオフィサーが何人かいて、その人達が申告書を集めているのですが、それを受け取った時に内容を確認し、旅行者の顔を見て(必要があれば話をし)、問題ないと判断したらOkayと言って右の出口に行くよう手振りをし、チェックが必要と判断したら左の方へ行くよう指示。左手の台の上には荷物が散乱しているところも…(大丈夫かな~?)。

僕は「女性のオフィサーの方が優しいかも…」と、あえて男性の目をはずし、女性の方へ。英会話の本で学んだ、「Do you have anything to declare?」(何か申告するものはありますか?)という質問に、「No, nothing to declare.」(いえ、何も申告するものはありません。)という返事をする自分を頭で何度もイメージしながら、そのオフィサーに申告書を手渡しました。すると、ちらっと僕を見たそのオフィサーは、「Okay, go ahead. Have a nice trip.」と言ってくれたではないですか!よかった~(^^)。「Thank you!」と平静を装いながらも興奮気味の僕は、やっとの思いで長年の夢、夢のハワイ、憧れのアメリカに入れると思うと、急に身も心も軽くなり、足取りも軽く、でも荷物は重く(ちっきしょう!)、空港の出口(Exit)に急ぎました。出口に着くと、そこにはあの常夏のハワイ、熱い太陽の輝きと、未知の英語の世界が僕の目の前にガラス越しに広がっていました。「Welcome to Hawaii, Nao!」そう心でつぶやき、新しい文化に直接触れる興奮を押さえながら、また、重たいスーツケーツをゴロゴロ動かしながら、僕はどこにでもあるような自動ドアを通り、外へ出ました。始めて見た外の世界にはアルファベットが溢れていました。あ、当たり前か。ここはアメリカだもんね。そう、ここが僕の本当の英語の勉強の原点となりました。
(End of Story)