↑ これがカー・ルージュです。(後方はオペラ座)。
パリの街を歩いていると、あちらこちらで見かけます。
今日は皆さんと一緒にこれに乗ってパリ見物…というのはいかがでしょう。
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ヴェルサイユから列車に乗り、パリ市内に戻ってきた。
僕たちは往路で乗車した駅、アンヴァリッドで降りた。
そして、アレクサンドル三世橋を渡った。
セーヌ川にかかる橋の中でも最も美しい言われる橋である。
この橋は、四隅の石柱に、金色の女神とペガサスの彫刻が輝いている。
アレクサンドル三世橋。
しばらく歩くと、シャンゼリゼ通りに出た。
一昨日は朝の9時台だったので活気に欠けていたが、
今日は日曜日の午後で人通りも多かった。
天下のシャンゼリゼ通りなんだから、
これくらいの賑わいはなければ…
賑わうシャンゼリゼ通り
シャンゼリゼ通りを凱旋門に向かって歩く。
凱旋門の右手に、真っ赤な観光バスが停まっているのが見えた。
右側にカー・ルージュが2台停まっている。
後ろのバスの方に僕たちは乗った。
僕たちはそのバスの乗り放題のカードを旅行社からもらっていた。
「あのバスに乗って、市内見物を兼ねてノートルダム寺院まで行こう」
3人で、停車中のバスに乗り込んだ。
運転手にカードを見せて、上に上がらずそのまま奥の座席に座った。
日差しが強かったので、妻と姉が2階席に上がるのをためらったからである。
すると、運転手が僕らのほうを振り向いて、
「2階へ行けばいいのにぃ!」 というジェスチャーをした。
「なんでわざわざ景色の見えにくい場所を選ぶんだ?」 ということだろう。
ハイ。 せっかくだから、じゃ~、お言葉に甘えまして…
僕は2人を促して、バスの屋上である2階席へ上がった。
屋上席は、ほぼ満員であった。日本人は僕たちだけだった。
姉と妻が並んで座り、僕はその後ろの空いていた一つの席に座った。
バスがスタートし、凱旋門が後方へ遠ざかって行く。
ここからノートルダム寺院までは、次のような経路をたどる。
↓
いちおうスタートの ① はエッフェル塔となっているが、
グルグル回っているので、スタートと言ってもあまり意味はない。
僕たちは ⑦ の凱旋門からこれに乗り、シャンゼリゼを右に下って、
右折後南下。アレクサンドル三世橋をわたって西へ進み、
また ⑧ のアルゴ橋をわたり、⑨ のトロカデロへ行く。
ここでエッフェル塔を眺めたあと、塔の周辺 ① ② を巡回してから、
ドーム教会のあるアンヴァリッドから、また北へ走ってセーヌ川をわたり、
河畔の道路をまっすぐコンコルド広場から ③ ルーブル美術館の横を通り、
ポンヌフという橋をわたってパリ発祥の地とされるシテ島へ入る。
そしてシテ島にあるノートルダム寺院に至る…。そこで降りるつもりだ。
パリ市内をクネクネと蛇行しながら名所を巡るこのバスは、
10分から20分間隔で出ており、1周するのに2時間半かかるという。
さぁ、凱旋門を背にして、出発。
セーヌ川とエッフェル塔。撮影する位置が高いと風景も撮りやすい。
バスはトロカデロに出て、エッフェル塔が見えるところで停まった。
2日前、ここに来るつもりが、歩く方向を間違って来られなかった場所だ。
ボワシエールさんが、
「トロカデロから見るエッフェル塔が一番だと思います」
と書いておられたとおり、華麗なるエッフェル塔が姿を見せた。
トロカデロ広場。このあたり、かつてのボワシエールさんのお散歩コース。
ボワシエールさん推奨。 トロカデロ広場から見たエッフェル塔の絶景。
晴れた日曜日の午後。 列に並ぶ人… 広場でくつろぐ人…。
アンヴァリッドのドーム教会。この地下にナポレオンの墓があるそうだ。
さてここからバスは、またまたセーヌ川をわたって右岸へ行き、
川岸の道をコンコルド広場からシテ島へ向かって走り始めた。
僕の隣には、茶髪をなびかせたサングラスのお姉さんが座っていた。
トロカデロ広場を出たあたりで、彼女が僕に何かを話しかけた。
「ペラペ~ラ、ペペラペーラ、ペラペラペラのペラペーラ…!」
全然わからない。何語をしゃべっているのか…すらわからない。
すると、自分の手首を指でさした。あ、今何時か? と聞いているのだ。
僕は左腕をにゅっと伸ばして、彼女に腕時計を見せてあげた。
午後3時を少し回っていた。
「ふんふん」とお姉さんはうなずいて、足もとのバッグから何かを取り出した。
バサバサッと紙袋を開けるような音がしたので見ると、お姉さんは、
袋からリンゴを取り出して、皮もむかずに丸ごとかぶりつき、
ガリガリムシャムシャと食べ始めたのである。
「ふ~む。3時のおやつかいな…」
間食の時間が迫ってきたので、僕に時間を確認したのだろうか?
どうやら茶髪姉さんは、一人で観光バスに乗っているみたいだ。
そのあと、彼女は、また僕の方を向いて大声で何かを言った。
観光案内を聞くためのイヤホーンを僕の目の前に差し出して、
「これ、全然聞こえへんがな」 というようなことをうったえるのだ。
乗るときに、ガイド用として運転手がイヤホーンをくれた。
僕は足元に差込みがあったのを知っていたが、最初から使わなかった。
彼女は懸命にそれを両耳にはめて聞こうとしているのだが、
どうも聞こえないのか、聞こえが悪いのか、そんなふうであった。
でも、それを僕に言われてもなあ…。
ちょうど一番前の席が空いたので、
僕はそちらの席のほうに移動した。
コンコルド広場付近で。 ローラースケートで歩く(走る?)人が多い。
左の建物はルーブル美術館。右にセーヌ川が流れている。
セーヌ河畔の歩道は、出店で賑わっている。遊覧船も見える。
バスはポンヌフにさしかかった。ポンヌフとは「新しい橋」の意味。
でも実際はその逆で、現存する中では一番古い橋だそうである。
映画 「ポンヌフの恋人」 を思い出す。ジュリエット・ビノシュがよかったな~。
ポンヌフを渡ってバスはシテ島に入る。
ここは、スケールこそ違うが、大阪で言えば中之島のようなところだ。
前方に、ノートルダム寺院が見えてきた。
僕たちはノートルダム寺院で降車して、楽しかったひとときを終えた。
乗るときにはガラガラだったバスの1階席もかなり混んできていた。
僕たちが2階から降りてくると、ぞろぞろと上に上がって行く。
ノートルダム寺院の前も観光客でごったがえしている。
とにかくどこへ行っても、すごい人の数である。
ノートルダム寺院の裏側は、絶好の撮影スポットになっとります。
寺院の表と裏で写真を撮ったりしたあと、その周辺を散策した。
お土産屋さんやカフェやクレープやさんなどがひしめいている。
このあたりはまた、格別の賑わいである。
そのあと、セーヌ川左岸のサンミッシェルのカフェに入ったりしながら、
ぶらぶらと歩いた後、地下鉄でセーヌ川右岸に戻った。
また歩いてバンドーム広場やホテルリッツを見物し、
マイバス社の近くにある、僕の好きなジャンヌダルク像へ行った。
その写真を掲載して、今日は終わりと致します。
いつもいつも、長い話におつきあいいただき、ありがとうございます。
次回はルーヴル美術館です。よろしく~。
写真を撮ろうとしたら、パリジェンヌがやってきてデンと前に座った。
さすがジャンヌ・ダルクの末裔たち。カメラを構えても全然動じない。