日ごろから不眠症やら早朝覚醒やらに悩んでいる僕だけど、午前3時半からのサッカーW杯の準決勝は、そんな自分にとってまことに都合のいい時間帯である。
今朝も3時過ぎに起きて、テレビをつけた。
ドイツ対スペインという、大会屈指の好カードだ。
僕は、理由は後述するが、スペインを応援していた。
試合は淡々と流れたが、スペインのほうが動きが良く主導権を握っていた。
「スペインはこれまでで一番いい試合をしていますね~」とアナ。
スペイン優勢のまま0対0で前半を終了。
後半はドイツが巻き返しに出るだろう…と思った人は多かったに違いない。
こういうサッカーは、後半の展開が逆になることが多いんだもんね。
案の定、後半20分頃からドイツが仕掛けてきた。
スペインが守勢に回りはじめた。
「やっぱりドイツは強いんだ~」と独り言をつぶやいていると…
後半28分。
スペインがコーナーキックを得た。
そして、見事にヘディングシュートを決めて1点を先取した。
ドイツは反撃に出るも精彩を欠き、そのまま試合終了。
スペインは、決勝戦に進出するのは、初めてだそうである。
ところで…
長いサッカーW杯の歴史でも、欧州勢が欧州での大会以外で優勝したことはない。たとえば、前回のドイツ大会はイタリアが優勝。その前の日韓大会はブラジルが優勝。その前のフランス大会は地元フランス。その前のアメリカ大会はブラジル。その前のイタリア大会はドイツ。その前のメキシコ大会はアルゼンチン。その前の…もうええわ。
…というように、欧州が優勝するのは、必ず欧州の国で開かれた大会に限られていた。だから、僕はこの南アフリカ大会での欧州勢の優勝は絶対にないと考えていた。優勝は…アルゼンチンである。マラドーナが率いるアルゼンチンであ~る! と信じて疑わなかったのだが、準々決勝でドイツに敗れてしまったのはショックだった。
そして、その前にブラジルがオランダに敗れていた。
では、もしかしてウルグアイが優勝…? とも思ったが、それも消えた。
欧州勢は欧州の大会でしか優勝できないという一大ジンクスが崩れたのだ。
その結果、決勝戦は、オランダ対スペインという、かつて優勝経験のない国同士の戦いとなった。
僕の予想は外れたけれど、いい組み合わせになったなあ、と思う。
ドイツもウルグアイも、行ったことのない国だが、オランダとスペインには旅行したことがあり、それぞれの地に懐かしい思い出がある。
オランダはヨーロッパで初めて訪れた国だった。
もう16年前になるが、アムステルダムの運河、美しい町並みと素敵な自転車道、アンネ・フランクの家、ゴッホの「ひまわり」、風車などの光景が、今でもくっきり目に浮かぶ。それと、何度か道に迷ったとき、教えてくれた人たちは、例外なく親切で優しい人たちばかりだった。その時からオランダ人が好きになった。
スペインには妻と2人で2回行った。
15年前に、サン・セバスチャンというところへ行ったのが1回目だが、今アルゼンチンでシェフをしている甥が、当時はその地で料理の修業をしていたので、パリから新幹線に乗って国境を越え、彼に会いに行ったのだ。
もう一度は9年前。
市役所勤続30年で与えられたリフレッシュ休暇を利用し、10日間ほどかけてマドリードとバルセロナを旅行した。これもツアーではなく、個人旅行だった。バスと列車を使った古都トレドやアランフェスへの日帰り旅行もした。生涯の思い出となる、印象深い旅であった。
オランダとスペイン。
そういうことで、ともに僕の好きな国である。
決勝戦は、参院選が行われる11日(日)の翌朝3時半からだ。
選挙開票結果も大いに気になるし、オランダ・スペイン戦もぜひ見たい。
寝ている時間は、ほんのわずかしかない。
悩める不眠症と早朝覚醒が、今回は強力な武器になりそうな一夜である。