もうそんなことは無理だろうか…?
いや、頑張ればいけるだろうか…?
最後にもう一度だけチャレンジできたらなぁ、
と、このごろ思うのは、フルマラソンを走ることだ。
思えば1982(昭和57)年に初めて丹波篠山マラソンを走り、
それ以来、十数回、フルマラソンを走ってきたけれど、
ここ10年ほどは、レースとは全く無縁の日々が続いた。
朝のジョギングの習慣もいつしか曖昧になってしまい、
最近では近くの大和川堤防に出ても、歩くことが多く、
走っても5キロか6キロが精一杯という有様である。
何とかもう一度フルマラソンを走りたい…
そんな気持ちが、最近強くなってきたので、
この秋に行われる適当なレースを見つけて、
エントリーしようかなぁと思っているのだが…
そういう気で大和川の堤防に出ると、少しは気合が入る。
しかし、気合は入っても、衰えきった足は、とても重い。
やっぱり、フルマラソンを走るには、もう歳なのかなぁ…
三浦雄一郎さんは80歳でもエベレストに登頂しているけれど。
(そんな人と比べることが間違ってまっせ~)
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大和川堤防。ここが僕のジョギング&ウオーキングコースです。
さて、一昨日の土曜日のことである。
朝、大和川の堤防をトコトコと走っていたら、
リュックを担いだ男性が僕を追い越して行った。
それから、速度をゆるめ、こちらを振り向いた。
僕の顔を見てニコニコ笑っている。
一瞬「はぁ…?」と思ったけれど、
すぐに、K島クンだとわかった。
「いやぁ、よく似た人が走っているなぁと思いまして…」
と、K島クンは僕のペースに合わせてスピードを落とした。
「久しぶりやねぇ」と、僕も思わぬ出会いに心が浮き立った。
K島クンは僕が勤めていた役所時代からの親友で、
彼は今も現職の部長として仕事に精を出している。
で、来年、定年退職を迎えるという。早いなぁ。
ここ数ヶ月ほど、彼と会っていなかった。
しばらく併走した。
「これからどこへ行くの…?」と僕が聞くと、
「奈良まで行きます」とK島クン。
「奈良? 奈良のどこ?」
「興福寺です」
それは遠い。そんなところまで走って行くの…?
「だいたい40キロぐらいだと思いますけど」
その程度なら彼にとっては大した距離ではないのだろう。
そういえば、去年、彼はもっと遠い京都まで走って行った。
「興福寺で、いま国宝の特別公開をしているんですよ」
それを見に行くのが今日のランニングの目的だという。
昔から文武両道の人だったが、今も変わらず…である。
K島クンは、市民ランナーとしては、抜群の実力の持ち主である。
別大マラソンに出場して2時間30分台の記録を出したこともある。
トライアスロンでは国際大会にも出場し、好成績をおさめている。
僕のまわりにはスゴい人が多くいるが、中でも彼はトップだろう。
それだけでなく、個人的にも彼とは付き合いが深い。
昔はよく一緒に50キロ以上の長距離ランに付き添ってもらったし、
僕が退職してからも、何度も2人で飲みに行っている親しい間柄だ。
「のんさんはどこまで走らはるんですか?」と聞かれたので、
「いや、もう、この辺を行ったり来たりするだけで…」
そんな、40キロどころか6キロぐらいが精一杯だからね~
やがて、僕が折り返すところへ来たので、そこで別れた。
ところで…
K島クンと走っているとき、僕はつい、
「久しぶりに、どこかのフルマラソン大会に出ようと思ってる」
と口に出してしまったのだ。
K島クンはそれを聞いて、
「それなら僕も一緒に出ますから、決まったら教えてくださいよ」
…と言ったのである。
うぅっ…。どうしよう。
引っ込みがつかなくなった。
いよいよ本気になって取り組まなければならない。
でもなぁ、ほんまに走れるんかいな…?
まずは、このポッコリ出たお腹を何とかしなければね~