先日、薬局で順番待ちをしていたときのこと。カウンターで女性の薬剤師さんがお客さんと薬に関するやり取りをしているのが、大きな声だったのでこちらまで聞こえてきました。まだ若そうな女性の薬剤師さんでしたが、その言葉づかいに「ん?」と思ったのです。その女性は、
「これまでのお薬が、効かんくなったんですよね。え~っと、そしたら…」
と言っていました。
「効かんくなった」とは「効かなくなった」ということでしょうね。最近、わが家でもモミィがこういう言い方を頻繁にするようになっています。
モミィは、「きれいになった」を「きれいくなった」とか、「あかんようになった」を「あかんくなった」などと言ってます。このあいだは、「(ナントカが)でけへんくなった(できなくなった)」な~んて言ってました。
でも、これは子どもが使う言葉だと思っていたのですが、大人の女性、それも一定の資格や地位もあり、きちんとした言葉を使う立場であるはずの薬剤師さんが「効かんくなったんですよね」と言ったのが気になったわけで。
さらにその女性はお客さんにひととおり薬を渡したあと、
「それでよかったでしたか?」と尋ねていた。
「よかったですか?」ならまだしも「よかったでしたか?」って、過去形がふたつ重なってるやんか、と心の中でつぶやく僕でした(笑)。
言葉が時代と共に変わって行くことはある程度仕方ないことだと思います。十数年前に「問題な日本語」という本がベストセラーになり、僕も買って読んだことがあります。そのころ違和感が持たれる新しい言葉づかいとして、「千円からお預かりします」とか「ご注文は以上でよろしかったでしょうか」とか「こちら和定食になります」というような言い方が「おかしな言い回し」として挙げられていました。
たとえば「こちら和定食になります」と「和定食」がテーブルに運ばれてきたら、「もう、なってるやん」と言いがかりをつけたくなるんですよね。容器だけが運ばれてきて、「こちら和定食になります」と言われたら、はは~ん、これがしばらくしたらパッと和定食になるんやな、なんて魔法のようなことを想像したりしますが、すでに現物が来ているのだから「こちら〇〇になります」なんて言わずに「こちら〇〇でございます」でええんとちがうん? というような話が十数年前には盛り上がっていました。
しかし僕も新しく生まれてきた言い回しや若者言葉を耳にするたびにだんだん慣れてきて、最近ではモミィに「マジっすか?」なんて言ったりしています(笑)。モミィも、むずかしいことを「むずい」と言ったり、「無理っぽいな」などと「自分たち言葉」を口走っています。
…というお話でした。「このごろは、のんさんのブログも面白くないので、ちっとも読まんくなったわ」な~んてことは、どうか言わないでちょんまげ!
(「~してちょんまげ」は、いくら何でも古すぎるで!)