妄想のカケラの続き、です。
しばし、のち。
出来上がった焼きそばが、どんッ、と、テーブルに置かれる。
「お待ちど」
「待ったわ~、腹ぺこぺこや」
手にした雑誌を、脇に置いて、皿を見る。
「なに、これ」
「ん? 焼きそば」
「あかんやろ、これ」
こらえきれずに、爆笑する。
「炒めすぎなんと違うの? 肉、カリカリやん」
「そうかぁ? せやって、豚やもん。生やったら、あかんやん」
「そういう知識はあんねや」
「うるさいわ。ええから、食えや」
「ま、いいか。食えんことは、ないやろ」
「ほんなら、手を合わせて下さい」
「それ、やる?」
「ええから、ほれ」
「しゃあないなぁ」
「イッタダッキマァスッ!!」
「ん。イタダキマァス」
ばくッ
「あ、ふつうに、食えるわ」
「な? うまいやん」
「自分で言うかな((笑」
「ご飯、笑って食えるんなら、ええやろ」
「・・・? それ、どういう・・・?」
ピンポーン!!
「あ、客やで」
「あ、うん」
ピンポーン! ピンポン、ピンポン!!
「なんやねん、こいつもかい」
がちゃ
「どんと、をーりー!!」
「腹、減ったァ」
「よッ!」
「こんばんわ」
「(バコッ! と、どつきつつ)あほか、まだ明るいやろ」
「痛いわァ」
続々と、遠慮なしに入ってくるメンバー。
「え、おい、ちょっと。なんなん、これ」
「節分や、節分」
「節分は、分かってるけど。え、なにしてるん?」
「鬼!」
紙の面をつけて、メンバーの1人が、こちらを振り向く。
「見たら、わかるわ」
「あ~!! ずるい。焼きそば、食ってる」
「よ!」
「来てたんや」
「そら、来るよ」
「まだ、やんな」
「おう、まだ、やで」
「いったい、なんの話してるん?
そろいも揃って、なに?」
「なあ、早よ、始めようや」
「ちょお、待てって。準備は、ええの?」
「こっちは、OK!」
「おまえ、ちゃうわ。もう一個のほうや」
「さっき、スタンバってたやん」
「よっしゃ、ほんなら、やろか」
「やるって、何を? ここ、俺ん家やで?」
「豆まきやん、節分いうたら、豆まきでしょ」
「ここで、やるん?」
「ここじゃないと、意味ないねん」
「ほれ、ブツクサ言わんと、これ持って」
手のひらに、豆の入った折り紙の小箱が渡された。
「鬼は、あいつやから、な」
「行くでぇ! 鬼は~外ッ!!」
「鬼は~外ッ!」
「鬼は~外ッ!」
「鬼は~外ッ!」
「鬼は~外ッ!」
一斉に投げられる豆、豆、豆。
「ひゃッ、ほッ、ほー」
飛び跳ねるように、逃げ惑う鬼。
「鬼は~外ッ!」
「鬼は~外ッ!」
「鬼は~外ッ!」
「鬼は~外ッ!」
「鬼は~外ッ!」
「うをッほっほーい」
完全に、調子にのっている鬼。
「待ってや、おかしない? ってか、おかしいやろ」
「なにが?」
「鬼は外、ばっかしやん」
「せやって、鬼、いてるやろ?」
「ここんとこ、鬼に棲み付かれてるやん」
「え、誰が? 俺?」
「ほかに、誰がいてんの」
「みんなで豆まいたら、鬼かて、逃げるやろ」
「オレらがおったら、百人力やで」
「ひとり、ちゃうねんから」
「あ、言い忘れたわ」
「肝心なとこ、わすれてるやん」
「鬼は~外、言うたら、次は?」
「は?」
「鬼は~外ォ!!」
妙なテンションの鬼が、そのまま、玄関へ逃げていく。
「なんや、わからんけど。・・・えっと、福は、うち?」
「もっと、デカい声出せや」
「福は~~、うち」
「福は~~内」
鬼のかわりに現れたのは。
「うわッ、何してんねん、おまえ」
「せやから、『福』やん。『福』は『内』ってね」
「オヤジギャグにもならんやろ、それ。誰が考えたん?」
鼻の横をポリポリしながら、苦笑交じりに毒づく。
「おかしすぎるわ」
「おかしかったんは、どっちや、思うてんの」
「みんな心配しててん」
「もう、ええやん。ご飯も笑って食べれたし」
「こうして、全員、揃ったし」
「やっかし、福は、おらんと、な」
「また、やっかし、言うたやんけ」
「俺、俺、俺も入れて」
「鬼は、外やで」
「え~? そら殺生やわ~」
「HAHAHA!!!」
「よっしゃ。笑った、笑った」
「作戦、成功やな」
「なあ、もうええ? おなか減って、動かれへん」
「そこの焼きそば、食っとけ」
「気ィつけろよ、肉、カリカリやで」
「焼きそばなら、もう、全部食ってもうたもん」
「早やッ!」
「よっしゃ、そしたら寿司でも、食べに行こか」
「やった!!」
「ワリカン、やからな」
「ええ~~!!」
∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ END
しばし、のち。
出来上がった焼きそばが、どんッ、と、テーブルに置かれる。
「お待ちど」
「待ったわ~、腹ぺこぺこや」
手にした雑誌を、脇に置いて、皿を見る。
「なに、これ」
「ん? 焼きそば」
「あかんやろ、これ」
こらえきれずに、爆笑する。
「炒めすぎなんと違うの? 肉、カリカリやん」
「そうかぁ? せやって、豚やもん。生やったら、あかんやん」
「そういう知識はあんねや」
「うるさいわ。ええから、食えや」
「ま、いいか。食えんことは、ないやろ」
「ほんなら、手を合わせて下さい」
「それ、やる?」
「ええから、ほれ」
「しゃあないなぁ」
「イッタダッキマァスッ!!」
「ん。イタダキマァス」
ばくッ
「あ、ふつうに、食えるわ」
「な? うまいやん」
「自分で言うかな((笑」
「ご飯、笑って食えるんなら、ええやろ」
「・・・? それ、どういう・・・?」
ピンポーン!!
「あ、客やで」
「あ、うん」
ピンポーン! ピンポン、ピンポン!!
「なんやねん、こいつもかい」
がちゃ
「どんと、をーりー!!」
「腹、減ったァ」
「よッ!」
「こんばんわ」
「(バコッ! と、どつきつつ)あほか、まだ明るいやろ」
「痛いわァ」
続々と、遠慮なしに入ってくるメンバー。
「え、おい、ちょっと。なんなん、これ」
「節分や、節分」
「節分は、分かってるけど。え、なにしてるん?」
「鬼!」
紙の面をつけて、メンバーの1人が、こちらを振り向く。
「見たら、わかるわ」
「あ~!! ずるい。焼きそば、食ってる」
「よ!」
「来てたんや」
「そら、来るよ」
「まだ、やんな」
「おう、まだ、やで」
「いったい、なんの話してるん?
そろいも揃って、なに?」
「なあ、早よ、始めようや」
「ちょお、待てって。準備は、ええの?」
「こっちは、OK!」
「おまえ、ちゃうわ。もう一個のほうや」
「さっき、スタンバってたやん」
「よっしゃ、ほんなら、やろか」
「やるって、何を? ここ、俺ん家やで?」
「豆まきやん、節分いうたら、豆まきでしょ」
「ここで、やるん?」
「ここじゃないと、意味ないねん」
「ほれ、ブツクサ言わんと、これ持って」
手のひらに、豆の入った折り紙の小箱が渡された。
「鬼は、あいつやから、な」
「行くでぇ! 鬼は~外ッ!!」
「鬼は~外ッ!」
「鬼は~外ッ!」
「鬼は~外ッ!」
「鬼は~外ッ!」
一斉に投げられる豆、豆、豆。
「ひゃッ、ほッ、ほー」
飛び跳ねるように、逃げ惑う鬼。
「鬼は~外ッ!」
「鬼は~外ッ!」
「鬼は~外ッ!」
「鬼は~外ッ!」
「鬼は~外ッ!」
「うをッほっほーい」
完全に、調子にのっている鬼。
「待ってや、おかしない? ってか、おかしいやろ」
「なにが?」
「鬼は外、ばっかしやん」
「せやって、鬼、いてるやろ?」
「ここんとこ、鬼に棲み付かれてるやん」
「え、誰が? 俺?」
「ほかに、誰がいてんの」
「みんなで豆まいたら、鬼かて、逃げるやろ」
「オレらがおったら、百人力やで」
「ひとり、ちゃうねんから」
「あ、言い忘れたわ」
「肝心なとこ、わすれてるやん」
「鬼は~外、言うたら、次は?」
「は?」
「鬼は~外ォ!!」
妙なテンションの鬼が、そのまま、玄関へ逃げていく。
「なんや、わからんけど。・・・えっと、福は、うち?」
「もっと、デカい声出せや」
「福は~~、うち」
「福は~~内」
鬼のかわりに現れたのは。
「うわッ、何してんねん、おまえ」
「せやから、『福』やん。『福』は『内』ってね」
「オヤジギャグにもならんやろ、それ。誰が考えたん?」
鼻の横をポリポリしながら、苦笑交じりに毒づく。
「おかしすぎるわ」
「おかしかったんは、どっちや、思うてんの」
「みんな心配しててん」
「もう、ええやん。ご飯も笑って食べれたし」
「こうして、全員、揃ったし」
「やっかし、福は、おらんと、な」
「また、やっかし、言うたやんけ」
「俺、俺、俺も入れて」
「鬼は、外やで」
「え~? そら殺生やわ~」
「HAHAHA!!!」
「よっしゃ。笑った、笑った」
「作戦、成功やな」
「なあ、もうええ? おなか減って、動かれへん」
「そこの焼きそば、食っとけ」
「気ィつけろよ、肉、カリカリやで」
「焼きそばなら、もう、全部食ってもうたもん」
「早やッ!」
「よっしゃ、そしたら寿司でも、食べに行こか」
「やった!!」
「ワリカン、やからな」
「ええ~~!!」
∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ END