すばるに恋して∞に堕ちて

新たに。また1から始めてみようかと。

続・鬼は~外ッ! 福は~~内。

2009-02-03 21:17:32 | 妄想のカケラ・ショートストーリー 
妄想のカケラの続き、です。




しばし、のち。
出来上がった焼きそばが、どんッ、と、テーブルに置かれる。

「お待ちど」

「待ったわ~、腹ぺこぺこや」

手にした雑誌を、脇に置いて、皿を見る。

「なに、これ」

「ん? 焼きそば」

「あかんやろ、これ」

こらえきれずに、爆笑する。

「炒めすぎなんと違うの? 肉、カリカリやん」

「そうかぁ? せやって、豚やもん。生やったら、あかんやん」

「そういう知識はあんねや」

「うるさいわ。ええから、食えや」

「ま、いいか。食えんことは、ないやろ」

「ほんなら、手を合わせて下さい」

「それ、やる?」

「ええから、ほれ」

「しゃあないなぁ」

「イッタダッキマァスッ!!」

「ん。イタダキマァス」

ばくッ 

「あ、ふつうに、食えるわ」

「な? うまいやん」

「自分で言うかな((笑」

「ご飯、笑って食えるんなら、ええやろ」

「・・・? それ、どういう・・・?」

ピンポーン!!

「あ、客やで」

「あ、うん」

ピンポーン! ピンポン、ピンポン!!

「なんやねん、こいつもかい」

がちゃ

「どんと、をーりー!!」

「腹、減ったァ」

「よッ!」

「こんばんわ」

「(バコッ! と、どつきつつ)あほか、まだ明るいやろ」

「痛いわァ

続々と、遠慮なしに入ってくるメンバー。

「え、おい、ちょっと。なんなん、これ」

「節分や、節分」

「節分は、分かってるけど。え、なにしてるん?」

「鬼!」

紙の面をつけて、メンバーの1人が、こちらを振り向く。

「見たら、わかるわ」

「あ~!! ずるい。焼きそば、食ってる」

「よ!」

「来てたんや」

「そら、来るよ」

「まだ、やんな」

「おう、まだ、やで」

「いったい、なんの話してるん?
 そろいも揃って、なに?」


「なあ、早よ、始めようや」

「ちょお、待てって。準備は、ええの?」

「こっちは、OK!」

「おまえ、ちゃうわ。もう一個のほうや」

「さっき、スタンバってたやん」

「よっしゃ、ほんなら、やろか」

「やるって、何を? ここ、俺ん家やで?」

「豆まきやん、節分いうたら、豆まきでしょ」

「ここで、やるん?」

「ここじゃないと、意味ないねん」

「ほれ、ブツクサ言わんと、これ持って」

手のひらに、豆の入った折り紙の小箱が渡された。

「鬼は、あいつやから、な」

「行くでぇ! 鬼は~外ッ!!」

「鬼は~外ッ!」
「鬼は~外ッ!」
「鬼は~外ッ!」
「鬼は~外ッ!」

一斉に投げられる豆、豆、豆。

「ひゃッ、ほッ、ほー」

飛び跳ねるように、逃げ惑う鬼。

「鬼は~外ッ!」

「鬼は~外ッ!」
「鬼は~外ッ!」
「鬼は~外ッ!」
「鬼は~外ッ!」

「うをッほっほーい」

完全に、調子にのっている鬼。

「待ってや、おかしない? ってか、おかしいやろ」

「なにが?」

「鬼は外、ばっかしやん」

「せやって、鬼、いてるやろ?」

「ここんとこ、鬼に棲み付かれてるやん」

「え、誰が? 俺?」

「ほかに、誰がいてんの」

「みんなで豆まいたら、鬼かて、逃げるやろ」

「オレらがおったら、百人力やで」

「ひとり、ちゃうねんから」

「あ、言い忘れたわ」

「肝心なとこ、わすれてるやん」

「鬼は~外、言うたら、次は?」

「は?」

「鬼は~外ォ!!」

妙なテンションの鬼が、そのまま、玄関へ逃げていく。

「なんや、わからんけど。・・・えっと、福は、うち?」

「もっと、デカい声出せや」

「福は~~、うち」

「福は~~内」

鬼のかわりに現れたのは。

「うわッ、何してんねん、おまえ」

「せやから、『福』やん。『福』は『内』ってね」

「オヤジギャグにもならんやろ、それ。誰が考えたん?」

鼻の横をポリポリしながら、苦笑交じりに毒づく。

「おかしすぎるわ」

「おかしかったんは、どっちや、思うてんの」

「みんな心配しててん」

「もう、ええやん。ご飯も笑って食べれたし」

「こうして、全員、揃ったし」

「やっかし、福は、おらんと、な」

「また、やっかし、言うたやんけ」

「俺、俺、俺も入れて」

「鬼は、外やで」

「え~? そら殺生やわ~」

「HAHAHA!!!」

「よっしゃ。笑った、笑った」

「作戦、成功やな」

「なあ、もうええ? おなか減って、動かれへん」

「そこの焼きそば、食っとけ」

「気ィつけろよ、肉、カリカリやで」

「焼きそばなら、もう、全部食ってもうたもん」

「早やッ!」

「よっしゃ、そしたら寿司でも、食べに行こか」

「やった!!」

「ワリカン、やからな」

「ええ~~!!」

        END










鬼は~外ッ! 福は~~内。

2009-02-03 11:10:46 | 妄想のカケラ・ショートストーリー 
節分です。

コドモらが小さいときは、鬼の面を誰がつけるかでもめたりして、
なかなかに、楽しい行事ごとでしたが、

今では、「恵方巻」の具にしか、興味を持ちません。

いいんだけど。
どうやったって、鬼は、家に居座ってるもん。

「鬼は~外ッ!」って言ったって、
通じないし、さ。

それよりも、なによりも、
早く「福」が「内」に来ないかな、と思ってる次第です。
そしたら、全国の∞erが、泣いて喜ぶ春が来るのに、ねえ。

ここのところ、
いや~な噂も、ちらりほらり・・・と、あるみたいですし。

そろそろ、∞の皆様にも、

ドッカーン!!と、一発、
ぶち上げて、
私たちの不安を、吹き飛ばしていただきたい、な。










ピンポーン! ピンポーン!! ピンポン、ピンポン、ピンポン!!!・・・

「うるさいッ! 寝られへん!! 誰やッ!!」

ピンポン! ピンポン! ピンポン!!

「あ”~、もうッ!! わかった、わかったって」

眠い目をこすりつつ、扉を開ける。
そこには。

「え? なんで? なに? どうしたん?」

「おはよう。ってか、もう昼やで。まだ寝てんの」

「うん、寝てたけども、え? なに、これ」

「入っても、ええ?」

「え、うん、そら、ええけど。どないしたん?」

「これ」

目の前に、スーパーのガサガサ袋。
ずかずかと部屋に入ってくると、
キッチンのカウンターに、袋をおいて、中身を取り出し始めた。

「約束、したやん」

「約束って・・・。は? あ、もしかして。 焼きそば?」

手にしている、黄色い麺。

「ん。焼きそば」

「いや、おかしいやん。なんで、今頃?」

「約束したやん、作ったるって」

「ああ、まあ、そら、したけどさあ。なんで、今日、なん?」

「なんでって、なにが?」

「今日って、何の日か、知ってる?」

「いや、しらん。今日は、オフ、じゃないの?」

「オフは、オフやけども。そうやなくて。
 今日は、何月何日かって、訊いてんの」


「2月3日やろ? カレンダー見たら、わかるやん。
 自分、今月のカレンダーやないかい」


「う、うん。いやいや、だから」

「ふふん 節分、って言いたいんやろ?」

「あ、知ってるやん。なのに、焼きそば? 恵方巻やなくて?」

「あほか、おまえ。オレが、そんなん、作れると思うか?」

「いやいや、材料さえあったら、僕、作るやん」

「あ! しまった!! そうか、そのテがあったか」

「思いつかんかったんや((苦笑」

「ん。焼きそば、作ることしか、頭になかったわ。
 これなら、オレにも、なんとかなるから」


「ほんまに出来んの?」

「出来るよ、・・・たぶん・・・」

「声、小っちゃ((苦笑」

「ええから、あっち、行って」

「ほんまに、大丈夫?」

「おう、まかせとけ」


なんて、会話が、ふっと、浮かんだわけですが。

えっと、どうしよう。

カケラだけのつもりで、書いてたんだけど、
お話が、最後まで浮かんじゃった。

でも、これ、今日限定の節分ネタなんだけど、
浮かんだお話、全部書き上げるには、今日だけじゃ足りない・・・みたい。

時期をはずしても、お付き合いくださいます?
っていうか、お願い。つきあって。

このあと、気まぐれパートのお仕事と、
夕方には、婆さんの歯医者があって、
夜には、「The SHIGOTONIN」様のCDを受け取りに行かねばならないので、

今日中に続きをUPできるかどうか、は、わかんないけども。
日付をまたぐかもしれないけども、

鋭意、努力します。


では、のちほど。












レンジャー、GO ON! あとがきとオマケ

2009-01-19 21:56:04 | 妄想のカケラ・ショートストーリー 
嗚呼、やっと決着したぁ!

中身のないお話なのに、一週間かかっちゃった(^_^;)

途中、結末が2種類浮かんでしまった時は、どうしようかと思いましたが、
打ち込んでるうちに、こうなりました。

次は、そろそろ、ちゃんとした妄想小説をupしたいと考えてます。

今日は、ゴールデン枠で、
ジャニーズなのに、なにげヘタレな中丸くんと、
にこにこマッスーを見て、家族中で、大笑いし、

さっきまで、トーマ君を見て、さわやかさに癒されてました。

落ち着いてTV番組を見れるのも、今夜まで。

明日には、CMの度にチャンネルを変える、せわしない夫が帰ってきます。

嬉しい反面、
どこかで、ちょっと、・・・なあたし。

今回は、なんにも起こらないといいなあ。

いや、でも、絶対に、ひと悶着あるに決まってるもんなあ。

私の愛は、彼に通じているのか否か。
それが問題なんだよねえ。

愛されてるって、カンジさせてほしいなあ。
一瞬でもいいから、
錯覚させてほしいだけなんだけどなあ。

私が一番大事なんだよって。

すばる君の愛は、カンジとれるのに、
肝心の夫の愛を感じ取れない妻って・・・

結局、似たもの夫婦って、こと?




それはさておき、
もう少し、妄想レンジャーにお付き合いください。

続きで、オマケです。


鍋を囲んで、にぎやかに食事中の、10人。

「すみません、僕らまで、ご馳走になってしまって」
「ほんとに、いいんですか?」

「ええねん、ええねん」

「今回の立役者やん」

「二人のおかげで、僕、ここに戻ってこれたんやから」

「がっつり食べてや」

「ちゃっちゃと食わんと、なくなるで」

「はふ、はふっ! うまい、これ、うまい!!」

「あかんわ~、めっちゃ、おいしいやん」

「遠慮しとったら、全部、なくなるわ。取ったろか?」

「あ、すみません」
「頂きます」

食事終了後。

「ところで、あの、ほいほい、なんで?」

「なにが?」

「そうやわ、あれ、最初に仕掛けたとき、なんも取れてなかったやん」

「だから、タイミングがずれてるとかって・・・」

「ああ、あれな」

「俺ら、なんもしとらへんわ」

「俺も、しとらんし。放っといただけやん」

「あ、僕、ちょっと、小細工したかも」

「なにやったん?」

「エアコンの設定温度、上げた」

「設定温度?」

「そう。エアコンさあ、20℃になってたやん」

「ああ、エコやからな」

「それを、ちょっとあげてェ」

「何度にしたん?」

「30℃」

「はあ?」

「なんて?」

「せやから、30℃」

「それ、あかんやん」

「エコに反してるがな」

「無茶するな、相変わらず」

「だって、Gって、暑いほうが動きが活発やんか」

「それは、そうかもしれないけど」

「オレンジの考えそうなことや」

「Gの出やすい環境を作ったってことか」

「おう! 頭、ええやろ?」

バコッ!!

「痛いって、ナスレンジャー」

「どついたれ、どついたれ」

「え~、なんでやあ?」

「おまえ、思いっきし、エコちゃうやんけ」

「まあまあ、そのおかげで、悪悪少年団も撃退できたわけやし」

「レッドは、知ってたん?」

「なにを?」

「オレンジが、温度上げてたん」

「しらんよ、そんなん」

「ほんなら、なんで、オレンジにGほいほい持って来いって言うたん?」

「いや、あの、あれって、粘ってるやん」

「粘ってる・・・?」

「あ! 粘着シート!!」

「Gが取れるんやったら、あいつらも捕まえれるかな、と・・・」

バコッ!!

「イタイ、イタイってーッ!」

「Gと、大きさが違うやんけ」

「どうしたら、悪悪少年団があの中に入れるん?」

「ええやんけ、うまいこと、いったやん」

「僕らの攻撃で、Gが大きくなること、わかってたん?」

「そこまで計算できひんやろ」

「偶然やったんや」

「さすが、レッド」

「いや、そこ、感心するとこちゃうやろ」

「そうやで。僕のお手柄やで」

「それもちゃうわ」

「やっぱ、オレンジ、あほやわあ」

笑)) 笑)) 笑)) 笑)) 笑)) 笑)) 笑)) 笑))  ∞






END.





レンジャー、GO ON! ⑤

2009-01-18 20:05:00 | 妄想のカケラ・ショートストーリー 
今日は、中学時代からのお友達と、ランチです。

年末のおせちを作ったメンバーなんですけど、ね。

結婚しても地元を離れず、

子供が小さな頃は、一緒に遊びにいったり、
子供を預けあったり、

度重なる愚痴を聞きあったり、

子供が小学校に上がってからは、
1泊で旅行に出かけたり。

言いたいこと言い合ってるわりには、
喧嘩らしい喧嘩もなく、
もう30年を過ぎました。

各々の家庭の状況が、うまく合わなくて、
ここのところ、旅行もご飯も、行けてないカンジだったんですけど、

おせちの時に、無理矢理日程を合わせたおかげで、
今日のランチとなりました。


    


スープから、前菜、グラタンまで。

お野菜主体の、優しいお味。 これに、パンは、バゲット2種。


  メインは、若鶏のオーブン焼き。
 2種類のオレンジソース添えを。

 メインは、3ッ種類から選べるようになっていて、私ともう一人が、この、若鶏で、
 あとの1人は、白身魚のミルフィーユ仕立てを選びました。







 デザートは、チョコのプリンと、ガトーショコラ。
 ドリンクに、私は、カフェラテをいただいて。

 本日のメニューの終了。



 すべてお腹にいれて、大満足です。

 





 なのに、このあと、
 近くの大型ショッピングモールで、あちこちショッピングしたあと、

 コーヒーを店頭で試飲し、

 フードコートで、旅行パンフを広げて、
 おもいっきり、しゃべってきました。

 駐車場に戻ったら、
 店内に入ったときは曇ってた空から、結構な量の、雨粒が。

 渋滞する街中をぬけて、
 車内でも、しゃべり続けて、帰ってきました。

 楽しかった、な。

 韓国旅行、実現させたいなあ。



 さて、続きで、妄想レンジャーの⑤、行きます。
 
 
 


シティのはずれにある、公園。
そこに集まっているレンジャーたち。

「なあ、ほんまに、大丈夫なんか?」

「言うても、餓ッ鬼ー一人やろ?」

「喧嘩、強そうには見えへんし、なあ」

「ここでごちゃごちゃ言ったって、始まらへんやん」

「アジトの場所は、教えられんって、あいつが言ったんやから」

「でも、ピンクをどうにかして連れて来てって頼むやなんて」

「無謀やったんちゃうん?」

「僕らも、行ったほうがええんちゃう?」

「せやけど、場所がわからんもん、しゃあないやん」

「ここでこうしてるだけって言うんも、なんだか・・・」

「案外、強いで、餓ッ鬼ーは。それに、あっちには謎組もいてるやん」

「謎組が餓ッ鬼ーの味方になるって、なんで、そう思えるん?
 あいつらやって、言うたら、まだ、お披露目前の子役やで」


「悪悪少年団の味方をしたら、どないすんの?」

「餓ッ鬼ーのピンチに、見てみぬふりするほど、
 卑怯なやつらじゃないねん」


「えらい入れ込みようやけども・・・」

「それに、もう一個、保険は掛けてあるから、心配せんとき」

「もう一個って・・・」

「なあ、それより、さっきから、オレンジがおらんねんけど?」

「ほんまや、あいつ、どこ行ってん?」

「ああ、例のもの、取ってきてくれって、頼んだから。
 もう、来るやろ」


「例のもの・・・?」

「ほれ、あの、おそらくは、ピンクが勘違いするもとになったやつ」

「え、あれ、持ってくるん?」

「あのあと、上手くいったん?」

「面倒で、放っといたわ」

「ええ~~~ッ!」

「オレンジが持ってくるまで、結果は分からんってことか」

「最悪や・・・」



そこへ。



「お待たせ~~~」

というオレンジの声にカブるように、

「みんな~~~」

ピンクの声。見れば、全力疾走で、こちらへやってくるピンク。

後を追うように、悪悪少年団と、餓ッ鬼ー、淀殿が、もつれあうようにこちらへやってくる。

「なんやねん、おまえら」

ピンクを背中に、守りながら、ナスレンジャーが、悪悪少年団に立ち向かう。

「ごめん、僕ら、こいつら、止めきれなくて」
「ごめん、力不足で・・・」

餓ッ鬼ーと淀殿が、レッドに叫ぶ。

「充分や、ありがとうな。もうええから、ちょっと、避けてろ。
 すぐに、こいつら、やっつけたるから」


「そうは、簡単に、やられるかい!」
「俺らかて、ちっとは、成長してるんや!」

「じゃかましいわ」

「偉そうな口、たたきよってから」

「俺らのピンク、仲間にしようやなんて、100年早いわ」

「ごめん、僕、僕・・・」

「なんも言わんでもええねん。戻って来たんやろ?」

「さあ、一緒にあいつらに、決着つけようや」

「これで、威力倍増や」

「いっちょ、やったるか!」

「え~、あの、これ、どないするん?」

手にしたものを、オレンジは、高々と、振り上げる。

「ちょうど、ええわ。それ、投げつけたれ!!」

「へ? これを? ええの、ほんまに」

「いったれ、いったれ」

「ついでじゃ、俺らも、攻撃、いくで!」

「ピンクも、ええな」

「うん!!」

「必殺!!」

「レンジャーアタック!!」

オレンジが投げつけた、それが、高々と宙を舞い、
レンジャーの攻撃とともに、悪悪少年団に、見事、命中した。

「うううわあああ!!!!」
「うううわあああ!!!!」

奇声を上げる、悪悪少年団。

その身体には、巨大化した、黒い物体。

「なんや、これ!! ぎゃ~~~ッ」

「あかん、G、やんけ、Gやんけ!!」

「なんで、こんなにデカいねん!!」
「なんで、こんなにデカいねん!!」

Gを身体につけたまま、逃げ惑う悪悪少年団。

「誰か、殺虫剤ッ!!」
「アジトにあったで、誰か、早よ、持ってきてェ!!!」

一目散で、仲間の子役らに近づいては、
みんなに、逃げられる悪悪少年団のふたり。

あわれにも、仲間からも、見放されながら、
その場から、逃げ出していった。

「やったな」

「ええのん、捕れてたやん」

「びっくり、やろ?」

「最悪やな」

「きしょいわ~」

「ちょっと、可愛そうな気もするけど、な」

「これでしばらくは、おとなしくしてるやろ」

「・・・・・・。あれ、『Gほいほい』のことやったんや・・・」

「そうやで。妙な勘違いして、飛び出すからやな」

「僕ら、あちこち探して回ってんぞ」

「盗み聞きなんかするからやで」

「ごめんなさい」

「ええやん、これで、誤解もとけたし」

「悪悪少年団もおとなしなるわ」

「一件落着、やな」

「動いたら、お腹減ったぁ! ご飯、ご飯~~」

「駄々っ子やな」

「ほな、戻ってメシにしようや」

「なあ、あいつらも一緒で、ええよなあ?」

レッドは、公園の隅で、座り込んでいる餓ッ鬼ーと淀殿を指差した。

「ええんちゃう?」

「ふたりのおかげで、ピンクも戻ってきたし」

「人数多い方が、ご飯も、おいしいやん」

「今日いち、オイシイとこ、とられてもうたけど、な」

レッドは、謎組のふたりに手を差し出した。

「ありがとうな。これで、俺ら、もう仲間やからな」

「さ、戻ろか!」

ナスレンジャーの声を合図に、
10個の影が、公園を去っていった。

あとに残ったのは・・・

『Gほいほい』の残骸が、風に吹かれるだけだった。





おまけ・・・へ続く。かな?

















レンジャー、GO  ON! ④

2009-01-17 21:05:38 | 妄想のカケラ・ショートストーリー 
やっと、終わりましたです、大掃除。

TVのスペースを広げたいがために、
思わぬところまで、掃除するハメになりましたが、

とりあえず、ひと段落。
あとは飛び出たゴミと、いらない雑誌をお片づけするだけです。

やれやれ

さあ、あとは。

カケラのはずが、またしても長くなり始めてる妄想レンジャーの続きを。

④です。


「お疲れー」

悪悪少年団のアジトにやってきた餓ッ鬼ー。

「あれ、今日は来れないんじゃなかった?」

ドラムのそばで、休憩していたのは、淀殿だった。

「うーん、そのつもりだったんだけど。
 さっき、ピンクがこっちにいるって聞いたからさ。逢いたくて。
 どこ?」


「さっきまで、ここでセッションしてたんだけど」

「いないの?」

「水飲んでくるって、言ってたから、もう、来るんじゃない?
 あ、ほら、来た来た」


「あ~、餓ッ鬼ーや。どないしたん?」

「どないした・・・って、呑気だな、相変わらず」

「おるんやったら、一緒にセッションしようや。
 久しぶりやから、楽しいわ」


「そんなことしてる場合か? なんで、こんなトコにいるんだよ」

「なんでって・・・。あ! お餅。
 変わった味の、食べにおいでって、なか男ときりや男に誘われて。そんで」


「自分から、来たの?」

「だってさあ・・・」

「お兄ちゃんレンジャーたち、めっちゃ、探してたぞ?」

「心配してた・・・?」

「あたりまえじゃんか! いったい、何があったんだよ」

「どうした? 餓ッ鬼ー。少し、落ち着けよ」

「落ち着いてるよ!」

「・・・・・・(え~? 全然、落ち着いてなんかないじゃん)」

「なにを、そんなに怒ってるん?」

「なんでこんなとこにいるんだよッ!!
 お兄ちゃんレンジャーのとこへ、早く帰れよ!!」


「なんで? なんで、そんなこと、言うん?
 久しぶりに、会えたのに」


「そうだよ、餓ッ鬼ー」

「だって、お兄ちゃんレンジャーたち、顔色変えて探し回ってたんだぞ?
 なのに、当の本人が、そんな・・・」


「だって、僕、もう、レンジャーでおったら、あかんねん!!」

「は?」

「何言って・・・」

「だって、そうやん。僕、お兄ちゃんたちに、迷惑、いっぱいかけて。
 ほんでも、いっつも優しくて頼りになって、励ましてくれて。
 戻ってもええって、戻って来いって・・・言ってくれて。
 でも、やっぱり、離れてた時間は、そう簡単には取り戻せへん。
 前みたいに、いっつも一緒におった頃みたいには・・・」


「それで、自分から出てきたのか?」

「どこでそんな思い違い・・・」

「思い違いなんかじゃないねん!」

「バッカだなぁ・・・。じゃあ、一緒に来いよ。
 思い違いだってこと、見せてやるから」


ピンクの手を引いて、アジトを出ようとする餓ッ鬼ー。

そこへ。

「待った!!」
「待った!!」

現れたのは、なか男ときりや男だ。

「ピンクをどこへ連れて行くつもりや?」

「勝手なこと、すんなや」

「さあ行こう、ピンク」

「無視かい」
「無視かい」

「ピンクがここにいる必要があるの?」

「ピンクさえおったら、俺らやって、大々的にお披露目出来るやんか」

「そうやで。これで一歩、抜け出せるがな」

「そんなことでお披露目したって、いいことないじゃんか!」

「おまえに、何が分かんねん!」

「そうやぞ。二つのグループで、ええように立ち回ってるおまえに、
 俺らの気持ちなんか、わからへんわ!」


「分かるよ!! 僕だって、まだ、お披露目してない身だもの。
 君らと立場は、同じじゃないか」


「だったら、わかるやろ?」

「もうひとつ、お披露目するんに、必要なもんが。
 俺らに足らんもんを、こいつは、ピンクは、持ってんねん」


「・・・・・・(なか男たちが持ってなくて、僕が、持ってるもの?)」

「どうして、わかんないんだよ。ピンクがピンクでいられるのは、
 あのお兄ちゃんレンジャーがいるからだろ?」


「・・・・・・(僕が、僕でいられる・・・?)」

「ちゃうやろ? こいつは、根っからのスターやぞ?」

「俺らにはない、オーラを持ってんねん。
 その力があったら、俺らだって」


「俺らだって、何さ?」

「上手いことお披露目して、人気モンになれるやんか」
「俺らやって、早く人気モンになりたいねん」

「それはどうかな?」

「なんやて?」

「もう一遍、言ってみいや」

「何度だって、言ってあげるよ。
 どうして分かんないんだよ。
 ピンクのオーラだけじゃ、人気者になんてなれないよ!」


「なんでやねん!」

「そんなん、やってみんとわからへんやん」

「人気モンになったら、そしたら・・・? 僕は、必要ない?」

「まあ、ありていに言うと・・・」
「そういうこっちゃ」

「ここでも、僕は、必要じゃない・・・?」

「ピンク、違うよ、そうじゃない」

「ああ、もう!! めんどくさいなあ」

「俺らのすることに、いちいち、口だしすんなや。
 言うこときいて、ここにおったらええねん!!」


ピンクを押さえ込もうとする、なか男ときりや男。

それを制止しようとする餓ッ鬼ー。

「これで分かっただろ? 早く、帰れよ、自分の居場所に、さ」

二人ともみ合いながら、餓ッ鬼ーは、叫んだ。

「シティの外れの公園に、お兄ちゃんたち、いるはずだよ」

「くそっ、逃がすか」

「早く、行けってばっ!!」

「う・・・うん、でも」

「待てよ、おいっ!!」

「何してるんだよ、ピンク。餓ッ鬼ーなら、僕が助けるよ」

「淀殿!?」

「餓ッ鬼ーは僕の大切な仲間だもん。大丈夫、大丈夫。
 だから、ピンクはピンクの仲間トコに戻りなよ」


「僕の、仲間・・・」

「ね?」

そういうと、淀殿は、なか男ときりや男に向かっていった。

「僕の・・・仲間・・・!!


 ありがとう、僕、分かったよ!!」  


ピンクは、走り出した。









⑤へ続く。