えっと、小説をUPしようと思っていた夕刻。
突然舞い込んできたニュースに驚いて、しばし、手が止まりました。
私たちには、なす術はなく、
彼を信じて、祈ることしかできませんが。
・・・前書きです。
このお話は、実を言うと、まだ、未完成です。
私の中で、終わらせ方を、思案している最中、というか。
でも、
時機を逸すると、どうでもいいお話になる気がして、
出来上がっているところまで、
UPさせます。
主人公は、いつもの小さな女の子です。
お付き合いくださる方は、続きから。
バレンタインの夜。
ライブが終わって、オレは、帰路に着いた。
心地よい疲労と、
歌いきった満足感を体中に感じながら。
溢れる音も、歓声も、
熱気も、情熱も、
昔からの仲間や、新しい仲間や、
偉大な先輩らとともに分け合えて、
オレは、この仕事に出会えた喜びと、
諦めずに続けることの大切さを、
何より、それを、
オレ自信が歌うことで、証明できるのが、嬉しかった。
マンションの玄関を開けると、
まだ、リビングに小さな灯りが残っていた。
『また・・・起きてるんや』
ふっと、
オレを襲う罪悪感。
待たせてることへの、それ。
そう感じてしまうオレ自身への、それ。
『先、寝てろって、いっつも言うてんのに』
なんや、腹立たしくなることが、嫌、やった。
頭では、わかってんねんけど、な。
あいつに、そんなつもりはないんやって。
ただ、
待ってたいから、待ってるだけで。
かけらも、
オレを責めるつもりも、
不審がるつもりもないんや、ってことは。
ただ。
オレの方だけを見てるあいつが、
時々、
無性に、
こう・・・・・・。
こんな気持ち、アカンよな。
カチャッ・・・
そおっと、リビングへ続くドアを開ける。
すると。
「パーパッ!!」
走り寄ってくる、舞音。
「な! まだ起きてたんか?」
オレは、荷物を降ろして、舞音を抱き上げる。
「ただいま、舞音。・・・・・・うぅわァッ!!!」
抱き上げた途端、甘い匂いがオレの鼻をつく。
いつもの、ミルクくさい舞音の匂いに混じった・・・。
これって。
「何、持ってんねん、舞音。手、見せてみ」
にこにこ顔で、舞音がちっちゃな手を広げる。
くしゃくしゃになった包み紙。
とろけて、はみだしてる、小さなチョコレート。
いつから、握ってたん?
「おまえ、こんなん食べたら、虫歯になるやん。アカンやろ」
「あげゆ」
「あげゆ、ちゃうわ」
言いながら、舞音の顔を見る。
別に、口の周りは汚れてへんな。
食ったんとは、ちゃうんやな。
「ばえちゃいん」
は? なんて??
「パパ、あげゆ」
あかん。なんや?
舞音の言葉は、まだ、オレにはわからん単語が、多すぎる。
とりあえず、
ベッタベタのチョコを、舞音から受け取る。
「たべて」
これはわかるぞ。
「食べて」や。
いやいやいや。
あかん、これは、食えんやろ。
ベタベタに溶けてるし。
そもそも、チョコみたいな甘いもん、キライやねんから。
「あとで、な。後で食べるわ」
舞音の顔が、みるみる間にゆがむ。
泣くぞ。
泣く前の、脅し顔や、これ。
「う・・・うぇ・・・」
待て待て。
こんな時間に泣いたら、あかん。
近所迷惑や。
「分かった、分かった。食うたらええんやな?」
オレは、渋々、チョコの包みを広げて、
中身を口に入れる。
甘ッ!!
甘すぎて、涙が出そうやわ。
なんで、こんな仕打ちを受けな、アカンねん。
そんなオレの気持ちを無視するかのように、
要求の通った舞音は、にこにこしてやがる。
オレは、包み紙をゴミ箱に向かって放り投げた。
片手で舞音を抱っこして、方向が定まらんかったせいか、
ひらひらしたそいつは、
ゴミ箱には入らずに、床に落ちた。
「メッ!!」
舞音が、ゴミ箱を指して、言う。
「はいはい」
オレはゴミを拾い直して、ゴミ箱に入れ直した。
言うとくがな、舞音。
パパは、仕事して帰ってきて、疲れてんねんで?
そもそも、なんでこんな時間に起きてるん?
「舞音、ママは? ママ、どこや?」
小首傾げた舞音。
まさか、舞音おいて、出かけたんとちゃうやろな。
「あ、帰ってたの?」
キッチン奥のパントリーから、彼女が姿を見せた。
手には、小さな小箱。
「お帰りなさい」
オレの頬に、彼女の頬が、軽く触れる。
「ん」
「舞音、パパに抱っこで、いいわね。あ!!」
なんや。
「舞音から、なにか、もらった?」
くすくす・・・
含み笑いの彼女。
なんで笑ってんねん。笑い事、ちゃうやろ。
「・・・溶けたチョコなら、むりくり、食べさせられたわ」
「むりくり・・・って」
「おまえ、アカンで。こんな小っちゃいうちから、あんなん持たせたら。
絶対、虫歯になるやん」
オレは、思わず説教口調になる。
彼女の表情が、一瞬曇ったんが分かったんやけど、
あかんな。
舞音のことになると、歯止めが効かんくなるわ。
「ねえ。今日、なんの日だったか、知ってる?」
は?
何を、今さら。
「今日は、大事なライブの日やろ。
あ、そう言うたら、おまえ、今日のライブ、見にも来んかったな」
「見てほしかったん?」
「オレの歌ってるとこ、舞音にも見せたかったのに」
「あ、私じゃないのね」
「いやいやいや、そこは、そんなん、夫婦やねんから、さあ。
改めて言わんでも、わかるやん」
彼女の顔が、
ふっと、真顔に、険しくなる。
「あのね? お言葉を返すようですけれど。
夫婦だからこそ、ちゃんと言わないと伝わらないってこと、
ご存知かしら?」
「う・・・・」
こいつ、時々、正論でオレを攻めてくんねん。
しかも。
めっちゃ、丁寧語で。
こいつが、こんな言葉使いをするときは、要注意、やで。
「もう一度、聞いてもいいですか?
今日は、何の日ですか?」
後編へ、続きますが。
少しお時間をいただけたら、と思ってます。
なるべく、今週中には、仕上げたいと思ってます。
突然舞い込んできたニュースに驚いて、しばし、手が止まりました。
私たちには、なす術はなく、
彼を信じて、祈ることしかできませんが。
・・・前書きです。
このお話は、実を言うと、まだ、未完成です。
私の中で、終わらせ方を、思案している最中、というか。
でも、
時機を逸すると、どうでもいいお話になる気がして、
出来上がっているところまで、
UPさせます。
主人公は、いつもの小さな女の子です。
お付き合いくださる方は、続きから。
バレンタインの夜。
ライブが終わって、オレは、帰路に着いた。
心地よい疲労と、
歌いきった満足感を体中に感じながら。
溢れる音も、歓声も、
熱気も、情熱も、
昔からの仲間や、新しい仲間や、
偉大な先輩らとともに分け合えて、
オレは、この仕事に出会えた喜びと、
諦めずに続けることの大切さを、
何より、それを、
オレ自信が歌うことで、証明できるのが、嬉しかった。
マンションの玄関を開けると、
まだ、リビングに小さな灯りが残っていた。
『また・・・起きてるんや』
ふっと、
オレを襲う罪悪感。
待たせてることへの、それ。
そう感じてしまうオレ自身への、それ。
『先、寝てろって、いっつも言うてんのに』
なんや、腹立たしくなることが、嫌、やった。
頭では、わかってんねんけど、な。
あいつに、そんなつもりはないんやって。
ただ、
待ってたいから、待ってるだけで。
かけらも、
オレを責めるつもりも、
不審がるつもりもないんや、ってことは。
ただ。
オレの方だけを見てるあいつが、
時々、
無性に、
こう・・・・・・。
こんな気持ち、アカンよな。
カチャッ・・・
そおっと、リビングへ続くドアを開ける。
すると。
「パーパッ!!」
走り寄ってくる、舞音。
「な! まだ起きてたんか?」
オレは、荷物を降ろして、舞音を抱き上げる。
「ただいま、舞音。・・・・・・うぅわァッ!!!」
抱き上げた途端、甘い匂いがオレの鼻をつく。
いつもの、ミルクくさい舞音の匂いに混じった・・・。
これって。
「何、持ってんねん、舞音。手、見せてみ」
にこにこ顔で、舞音がちっちゃな手を広げる。
くしゃくしゃになった包み紙。
とろけて、はみだしてる、小さなチョコレート。
いつから、握ってたん?
「おまえ、こんなん食べたら、虫歯になるやん。アカンやろ」
「あげゆ」
「あげゆ、ちゃうわ」
言いながら、舞音の顔を見る。
別に、口の周りは汚れてへんな。
食ったんとは、ちゃうんやな。
「ばえちゃいん」
は? なんて??
「パパ、あげゆ」
あかん。なんや?
舞音の言葉は、まだ、オレにはわからん単語が、多すぎる。
とりあえず、
ベッタベタのチョコを、舞音から受け取る。
「たべて」
これはわかるぞ。
「食べて」や。
いやいやいや。
あかん、これは、食えんやろ。
ベタベタに溶けてるし。
そもそも、チョコみたいな甘いもん、キライやねんから。
「あとで、な。後で食べるわ」
舞音の顔が、みるみる間にゆがむ。
泣くぞ。
泣く前の、脅し顔や、これ。
「う・・・うぇ・・・」
待て待て。
こんな時間に泣いたら、あかん。
近所迷惑や。
「分かった、分かった。食うたらええんやな?」
オレは、渋々、チョコの包みを広げて、
中身を口に入れる。
甘ッ!!
甘すぎて、涙が出そうやわ。
なんで、こんな仕打ちを受けな、アカンねん。
そんなオレの気持ちを無視するかのように、
要求の通った舞音は、にこにこしてやがる。
オレは、包み紙をゴミ箱に向かって放り投げた。
片手で舞音を抱っこして、方向が定まらんかったせいか、
ひらひらしたそいつは、
ゴミ箱には入らずに、床に落ちた。
「メッ!!」
舞音が、ゴミ箱を指して、言う。
「はいはい」
オレはゴミを拾い直して、ゴミ箱に入れ直した。
言うとくがな、舞音。
パパは、仕事して帰ってきて、疲れてんねんで?
そもそも、なんでこんな時間に起きてるん?
「舞音、ママは? ママ、どこや?」
小首傾げた舞音。
まさか、舞音おいて、出かけたんとちゃうやろな。
「あ、帰ってたの?」
キッチン奥のパントリーから、彼女が姿を見せた。
手には、小さな小箱。
「お帰りなさい」
オレの頬に、彼女の頬が、軽く触れる。
「ん」
「舞音、パパに抱っこで、いいわね。あ!!」
なんや。
「舞音から、なにか、もらった?」
くすくす・・・
含み笑いの彼女。
なんで笑ってんねん。笑い事、ちゃうやろ。
「・・・溶けたチョコなら、むりくり、食べさせられたわ」
「むりくり・・・って」
「おまえ、アカンで。こんな小っちゃいうちから、あんなん持たせたら。
絶対、虫歯になるやん」
オレは、思わず説教口調になる。
彼女の表情が、一瞬曇ったんが分かったんやけど、
あかんな。
舞音のことになると、歯止めが効かんくなるわ。
「ねえ。今日、なんの日だったか、知ってる?」
は?
何を、今さら。
「今日は、大事なライブの日やろ。
あ、そう言うたら、おまえ、今日のライブ、見にも来んかったな」
「見てほしかったん?」
「オレの歌ってるとこ、舞音にも見せたかったのに」
「あ、私じゃないのね」
「いやいやいや、そこは、そんなん、夫婦やねんから、さあ。
改めて言わんでも、わかるやん」
彼女の顔が、
ふっと、真顔に、険しくなる。
「あのね? お言葉を返すようですけれど。
夫婦だからこそ、ちゃんと言わないと伝わらないってこと、
ご存知かしら?」
「う・・・・」
こいつ、時々、正論でオレを攻めてくんねん。
しかも。
めっちゃ、丁寧語で。
こいつが、こんな言葉使いをするときは、要注意、やで。
「もう一度、聞いてもいいですか?
今日は、何の日ですか?」
後編へ、続きますが。
少しお時間をいただけたら、と思ってます。
なるべく、今週中には、仕上げたいと思ってます。
私ね、のゆさんの中のまのんちゃん好きなんですよ~とっても。
元々子供好きな私はこういった小説に登場するようなお子様も大好きみたいです。笑 そもそもお名前の感じが可愛らしい!なんとまあ素敵なのでしょう!
続きの方も、ゆっくり待っておきますわね{天使}
子供好きは、いいことですよ~~。
まのんちゃんは、時々、ふっと現れては、
すばるパパに、甘えたおしてます。
そのたび、コンサートの親子席に向かって嬉しそうな顔をするすばる君の、
表情を思い浮かべては、
ひとり、幸せな気分になってます。
小説は、もうあと一歩。
キメのセリフがしっくりこなくて、悩み中。
生みの苦しみを味わってます。