出来立て、ほやほや、の小説です。
彼の、「ちゃんとしたお花見って、したことあらへん」に、反応してみました。
自分が妄想したものとは、
文字にしていく作業の、早い段階で、
少し変わってきました。
なので、本当に、今さっき、出来上がった、
湯気の出ている妄想小説になります。
リライトの途中で、日付が変わりそうなことに気付きました。
ので、一旦、途中で、UPします。
後編は、日付をまたいで、UPいたします。
お付き合いくださる方は、続きからどうぞ。
携帯からご覧の方は、
その設定から、ページ数が増えます。
ご承知置きください。
一筋の、朝の光が、
カーテンの隙間から、こぼれる。
まだ、眠り足りない俺の隣で、
彼女は、小さな寝息を立ててる。
俺の腕に、縋り付くようにして眠る彼女の、
安心しきった、無防備な寝顔が、
可愛くて、
俺は、彼女を起こさないように、
そっと、
ベッドを抜け出した。
俺らのベッドの横には、
小さな白いベッド。
ほんの今、
目を覚ました舞音が、
泣こうか泣くまいか、思案げな顔してる。
「しーっやで、舞音」
俺は、舞音に向かって、口に人差し指を立てる。
「ママ、疲れてんねん」
一日中、このやんちゃ姫と顔つきあわせてる生活は、
きっと、彼女の神経をすり減らしてるはずや。
寝かせておいてやれるなら、
10分でも長いほうが、ええやろ。
幸い、
今日は、オフやし。
とりたてて、急ぎでやらなあかんことも、ないし。
のんびり、舞音の相手すんのも、
ええかもしれんしな。
「おいで」
なんも言わんと、
素直に、俺に抱かれる舞音。
こいつ、まだ、
ほんまは、起きてないんやな。
俺は、舞音を抱っこして、部屋を出た。
「さあて、と」
俺は、舞音をソファに降ろして、
窓辺に寄ると、
リビングのカーテンを開けた。
まぶしい光が、
ぱあっと、部屋の中に差し込む。
空は、快晴。
綺麗な、青い空だ。
この季節、
俺のアレルギーもあって、
極力、窓は開けたくないんやけど、
ほんでも、
この朝の空気を吸わへんのも、
もったいないような気がして、
俺は、鍵を開けて、ベランダに出た。
少し、まだ、冷たい空気が、
頬に触れた。
「寒いか?」
振り返って、舞音を見る。
舞音は、知らん顔で、
もう、おもちゃ箱の中から、
お気に入りの人形を引っ張り出そうとしてた。
「おいおい、散らかしたら、あかんで」
俺は、とりあえず、声だけ掛ける。
ここで、舞音のやってること止めたら、
大泣きになるんは、経験済みや。
舞音が泣いたら、
せっかく、あいつを寝かしとこ、思うたのに、
台無しやもんな。
俺は、視線を空に戻す。
青い、な。
夏の青のように、濃くはないけど、
吸い込まれるような透明感は、
この季節ならでは、やな。
ベランダから見える風景の中に、
所々、ピンクの塊があるのに、気付いた。
あれって・・・桜? ・・・だよな。
もう、咲いてんねや。
満開までは、まだ、間があるんかな。
いつものこの季節は、
新曲が出たり、アルバムが出たりで、
プロモーションに忙しい。
合間には、コンサートのリハもあるし、
ろくに休みもとられへん。
今年かて、それは同じやけど、
こないに、のんびり出来てるんも、
珍しいっちゃ、珍しいわ。
桜、か。
こんな日は、きっと、
お花見の人も多いんやろな。
「ぱーぱ?」
いつの間に、足元に来てた舞音。
俺のシャツのすそに手を伸ばす。
「おなか、ちゅいた」
舞音の片手には、抱き人形。
おかんが買い与えたやつやな。
洋服から、小物から、ハウスから、
なんやしらん、
ごっそり、おもちゃ箱に入ってるやつや。
ここんとこ、お気に入りで、
お風呂にまで、一緒に入りたがるって、言うとったな。
「なんや、もう、腹、減ったんか」
俺は、舞音を抱き上げた。
「舞音、このお人形さん、何て名前やったっけ?」
「まりゅちゃん」
ん?
そんなんやったか?
一文字、違わへんか?
その名前やと、
なんや、無駄にテンション高そうな人形ちゃうか?
俺は、舞音を抱いたまま、部屋の中に戻った。
そのまま、キッチンへ行くと、
そこで、舞音を降ろし、
冷蔵庫を開けた。
「いっつも、舞音は、朝、何、食べるん?」
舞音と朝食の時間が合うなんてこと、
滅多にあらへんから、
わからへん。
「ミユク、ちょーだい?」
「ミユク? ああ、ミルク、な」
小首かしげて、お願い、の表情や。
俺は、とりあえず、
牛乳を出して、
舞音のコップに注ぐ。
「ちょっとずつ、飲みや」
抱いていた人形ごと、
舞音を椅子に座らせて、
コップをもたせる。
「ありやと」
にっこり、笑った舞音。
あかん、可愛ええ。
と、思ったのも、つかの間。
舞音は、コップの牛乳を、抱き人形に近づける。
え?
俺があっけにとられてる間に、
舞音は、
そのまま、ミルクを人形に飲ませようとした。
「おいおいおいっ!!!」
寸でのところで、舞音の手から、
コップを取り上げた。
「なにすんねん!!」
つい、怒鳴りつけてもうた。
「ええか? お人形さんは、ミルクは飲まへんで」
少々、低めの声で、言い聞かす。
しもうた! と思うたんは、
次の瞬間や。
俺を見上げて、キョトンとしてた舞音の顔が、
見る見る間に、ゆがむ。
あかんあかん、泣くなや。
泣くとこ、ちゃうやろ。
叱られるようなことしたん、
舞音やねんぞ。
「うぃ、・・・うう・・・ま、ま・・・・ままぁ!」
俺の剣幕に押された舞音は、
彼女の姿を探して、部屋中を見回す。
いないと分かると、
泣き顔のまま、
椅子から降りようとする。
子供用の、高い椅子は不安定で、
舞音が動くたび、ひやっとする。
「危ないって!!」
俺は、舞音を抱き上げる。
「いや、いやぁ、ぱぱ、いやぁ」
のけぞって暴れる舞音。
ああ、もう!
大人しせえや。
「どないしたら、ええん?」
舞音の、泣き声のトーンが、
段々、上がっていく。
たまりかねて、俺は、舞音を降ろす。
こんなん、いっつも、
どうやって鎮めてるん、あいつ。
「あ。ほれ。まりゅちゃんのミルクなら、あっこにあるやん」
さっき、舞音が散らかしたおもちゃの中に、
小さな哺乳瓶を見つけた。
俺は、それを拾うと、
舞音に見えるように、人形の口に近づけて、
飲ませるマネをした。
哺乳瓶の中の白い液体は、
傾けると、少なくなっていく。
逆さにしたら、空っぽや。
へえ、よう出来てるな、これ。
ほんまに、飲んだみたいやん。
泣きながらも、
俺の手元を見ていた舞音。
「まのん、が、やる」
涙でくしゃくしゃの顔して、
俺の手から、哺乳瓶を取ろうとする。
「おお、そやな。舞音がやったら、ええわ」
俺から哺乳瓶を受け取った舞音は、
ミルクを人形に飲ませると、
嬉しそうな笑顔になった。
はあ。
やれやれ。
自分がおなか空いてたんと、ちゃうかったんや。
人形、やったんやな。
さて、と。
俺は、改めて、冷蔵庫の中を見る。
大概整理された食材は、
それぞれ、使い道があんのかな。
勝手に使ったら、
あとで、困るんかな。
ん~~~と。
あ。
そうや、ええこと、思いついた。
「おい、そろそろ、起きるか?」
薄暗いベッドルームのカーテンを、一気に開けて、
俺は、声を掛ける。
「んんんんん・・・」
小さく伸びをした彼女は、手元の時計を手に取った。
「えええっ!」
驚いたように、身体を起こす彼女。
「もう、こんな時間なの!?」
彼女に近い、ベッドの隅に、手をかけて、
俺は、彼女の顔を覗き込む。
「おはよう」
そのまま、左の頬と頬を合わせて、いつものあいさつ。
「おはよ」
もう片方も、軽くあわせる。
「起こしてくれたら、よかったのに」
「たまに寝坊すんのも、気持ちええやん」
ベッドサイドに腰掛けて、
俺は、彼女の手から、時計を受け取ると、
元に戻した。
「今日は休みやから、慌てて家事せんでも、ええよ」
「でも、舞音は? おなか、すかしてるでしょ」
「ああ・・・。おもろかったで。あいつ、な・・・」
俺は、今さっきの、ミルク事件を話してきかす。
「ごめんね」
ん?
なんで、謝ってんねん。
「舞音、ここのところ、自分の思い通りにいかないと、
すぐにカンシャク起こすの」
「そんなん、お前のせい、ちゃうやん。
謝らんでもええよ」
俺は、彼女の頭を撫でる。
「いや、ほんでな。
ベランダに出たら、ええ天気やねん」
彼女は、窓の外に目をやった。
「みたいね」
「せやから、な、出かけよう」
「え? 今から?」
「おお。
桜、見に行こうや」
「さくら?」
「お花見、お花見。お弁当持って、舞音連れて。
近くの公園でええから、行こ」
「じゃあ、すぐに、お弁当の仕度・・・」
「あ、それは、ええねん」
「え、でも。今、お弁当持ってって」
「ふふん、もう、出来てるから、心配いらん」
「出来てる・・・?」
少し、間があって。
「それ、お母様?」
「なんで、そこで、おかんが出てくるかな」
「だって」
「だって、ちゃうわ。なんでやねん」
ツッコミは、俺の得意ちゃうぞ。
やらすなや。
「見たら分かるから。行く、やろ? 早よ、着替えて」
「う、うん」
後編へ続く。
彼の、「ちゃんとしたお花見って、したことあらへん」に、反応してみました。
自分が妄想したものとは、
文字にしていく作業の、早い段階で、
少し変わってきました。
なので、本当に、今さっき、出来上がった、
湯気の出ている妄想小説になります。
リライトの途中で、日付が変わりそうなことに気付きました。
ので、一旦、途中で、UPします。
後編は、日付をまたいで、UPいたします。
お付き合いくださる方は、続きからどうぞ。
携帯からご覧の方は、
その設定から、ページ数が増えます。
ご承知置きください。
一筋の、朝の光が、
カーテンの隙間から、こぼれる。
まだ、眠り足りない俺の隣で、
彼女は、小さな寝息を立ててる。
俺の腕に、縋り付くようにして眠る彼女の、
安心しきった、無防備な寝顔が、
可愛くて、
俺は、彼女を起こさないように、
そっと、
ベッドを抜け出した。
俺らのベッドの横には、
小さな白いベッド。
ほんの今、
目を覚ました舞音が、
泣こうか泣くまいか、思案げな顔してる。
「しーっやで、舞音」
俺は、舞音に向かって、口に人差し指を立てる。
「ママ、疲れてんねん」
一日中、このやんちゃ姫と顔つきあわせてる生活は、
きっと、彼女の神経をすり減らしてるはずや。
寝かせておいてやれるなら、
10分でも長いほうが、ええやろ。
幸い、
今日は、オフやし。
とりたてて、急ぎでやらなあかんことも、ないし。
のんびり、舞音の相手すんのも、
ええかもしれんしな。
「おいで」
なんも言わんと、
素直に、俺に抱かれる舞音。
こいつ、まだ、
ほんまは、起きてないんやな。
俺は、舞音を抱っこして、部屋を出た。
「さあて、と」
俺は、舞音をソファに降ろして、
窓辺に寄ると、
リビングのカーテンを開けた。
まぶしい光が、
ぱあっと、部屋の中に差し込む。
空は、快晴。
綺麗な、青い空だ。
この季節、
俺のアレルギーもあって、
極力、窓は開けたくないんやけど、
ほんでも、
この朝の空気を吸わへんのも、
もったいないような気がして、
俺は、鍵を開けて、ベランダに出た。
少し、まだ、冷たい空気が、
頬に触れた。
「寒いか?」
振り返って、舞音を見る。
舞音は、知らん顔で、
もう、おもちゃ箱の中から、
お気に入りの人形を引っ張り出そうとしてた。
「おいおい、散らかしたら、あかんで」
俺は、とりあえず、声だけ掛ける。
ここで、舞音のやってること止めたら、
大泣きになるんは、経験済みや。
舞音が泣いたら、
せっかく、あいつを寝かしとこ、思うたのに、
台無しやもんな。
俺は、視線を空に戻す。
青い、な。
夏の青のように、濃くはないけど、
吸い込まれるような透明感は、
この季節ならでは、やな。
ベランダから見える風景の中に、
所々、ピンクの塊があるのに、気付いた。
あれって・・・桜? ・・・だよな。
もう、咲いてんねや。
満開までは、まだ、間があるんかな。
いつものこの季節は、
新曲が出たり、アルバムが出たりで、
プロモーションに忙しい。
合間には、コンサートのリハもあるし、
ろくに休みもとられへん。
今年かて、それは同じやけど、
こないに、のんびり出来てるんも、
珍しいっちゃ、珍しいわ。
桜、か。
こんな日は、きっと、
お花見の人も多いんやろな。
「ぱーぱ?」
いつの間に、足元に来てた舞音。
俺のシャツのすそに手を伸ばす。
「おなか、ちゅいた」
舞音の片手には、抱き人形。
おかんが買い与えたやつやな。
洋服から、小物から、ハウスから、
なんやしらん、
ごっそり、おもちゃ箱に入ってるやつや。
ここんとこ、お気に入りで、
お風呂にまで、一緒に入りたがるって、言うとったな。
「なんや、もう、腹、減ったんか」
俺は、舞音を抱き上げた。
「舞音、このお人形さん、何て名前やったっけ?」
「まりゅちゃん」
ん?
そんなんやったか?
一文字、違わへんか?
その名前やと、
なんや、無駄にテンション高そうな人形ちゃうか?
俺は、舞音を抱いたまま、部屋の中に戻った。
そのまま、キッチンへ行くと、
そこで、舞音を降ろし、
冷蔵庫を開けた。
「いっつも、舞音は、朝、何、食べるん?」
舞音と朝食の時間が合うなんてこと、
滅多にあらへんから、
わからへん。
「ミユク、ちょーだい?」
「ミユク? ああ、ミルク、な」
小首かしげて、お願い、の表情や。
俺は、とりあえず、
牛乳を出して、
舞音のコップに注ぐ。
「ちょっとずつ、飲みや」
抱いていた人形ごと、
舞音を椅子に座らせて、
コップをもたせる。
「ありやと」
にっこり、笑った舞音。
あかん、可愛ええ。
と、思ったのも、つかの間。
舞音は、コップの牛乳を、抱き人形に近づける。
え?
俺があっけにとられてる間に、
舞音は、
そのまま、ミルクを人形に飲ませようとした。
「おいおいおいっ!!!」
寸でのところで、舞音の手から、
コップを取り上げた。
「なにすんねん!!」
つい、怒鳴りつけてもうた。
「ええか? お人形さんは、ミルクは飲まへんで」
少々、低めの声で、言い聞かす。
しもうた! と思うたんは、
次の瞬間や。
俺を見上げて、キョトンとしてた舞音の顔が、
見る見る間に、ゆがむ。
あかんあかん、泣くなや。
泣くとこ、ちゃうやろ。
叱られるようなことしたん、
舞音やねんぞ。
「うぃ、・・・うう・・・ま、ま・・・・ままぁ!」
俺の剣幕に押された舞音は、
彼女の姿を探して、部屋中を見回す。
いないと分かると、
泣き顔のまま、
椅子から降りようとする。
子供用の、高い椅子は不安定で、
舞音が動くたび、ひやっとする。
「危ないって!!」
俺は、舞音を抱き上げる。
「いや、いやぁ、ぱぱ、いやぁ」
のけぞって暴れる舞音。
ああ、もう!
大人しせえや。
「どないしたら、ええん?」
舞音の、泣き声のトーンが、
段々、上がっていく。
たまりかねて、俺は、舞音を降ろす。
こんなん、いっつも、
どうやって鎮めてるん、あいつ。
「あ。ほれ。まりゅちゃんのミルクなら、あっこにあるやん」
さっき、舞音が散らかしたおもちゃの中に、
小さな哺乳瓶を見つけた。
俺は、それを拾うと、
舞音に見えるように、人形の口に近づけて、
飲ませるマネをした。
哺乳瓶の中の白い液体は、
傾けると、少なくなっていく。
逆さにしたら、空っぽや。
へえ、よう出来てるな、これ。
ほんまに、飲んだみたいやん。
泣きながらも、
俺の手元を見ていた舞音。
「まのん、が、やる」
涙でくしゃくしゃの顔して、
俺の手から、哺乳瓶を取ろうとする。
「おお、そやな。舞音がやったら、ええわ」
俺から哺乳瓶を受け取った舞音は、
ミルクを人形に飲ませると、
嬉しそうな笑顔になった。
はあ。
やれやれ。
自分がおなか空いてたんと、ちゃうかったんや。
人形、やったんやな。
さて、と。
俺は、改めて、冷蔵庫の中を見る。
大概整理された食材は、
それぞれ、使い道があんのかな。
勝手に使ったら、
あとで、困るんかな。
ん~~~と。
あ。
そうや、ええこと、思いついた。
「おい、そろそろ、起きるか?」
薄暗いベッドルームのカーテンを、一気に開けて、
俺は、声を掛ける。
「んんんんん・・・」
小さく伸びをした彼女は、手元の時計を手に取った。
「えええっ!」
驚いたように、身体を起こす彼女。
「もう、こんな時間なの!?」
彼女に近い、ベッドの隅に、手をかけて、
俺は、彼女の顔を覗き込む。
「おはよう」
そのまま、左の頬と頬を合わせて、いつものあいさつ。
「おはよ」
もう片方も、軽くあわせる。
「起こしてくれたら、よかったのに」
「たまに寝坊すんのも、気持ちええやん」
ベッドサイドに腰掛けて、
俺は、彼女の手から、時計を受け取ると、
元に戻した。
「今日は休みやから、慌てて家事せんでも、ええよ」
「でも、舞音は? おなか、すかしてるでしょ」
「ああ・・・。おもろかったで。あいつ、な・・・」
俺は、今さっきの、ミルク事件を話してきかす。
「ごめんね」
ん?
なんで、謝ってんねん。
「舞音、ここのところ、自分の思い通りにいかないと、
すぐにカンシャク起こすの」
「そんなん、お前のせい、ちゃうやん。
謝らんでもええよ」
俺は、彼女の頭を撫でる。
「いや、ほんでな。
ベランダに出たら、ええ天気やねん」
彼女は、窓の外に目をやった。
「みたいね」
「せやから、な、出かけよう」
「え? 今から?」
「おお。
桜、見に行こうや」
「さくら?」
「お花見、お花見。お弁当持って、舞音連れて。
近くの公園でええから、行こ」
「じゃあ、すぐに、お弁当の仕度・・・」
「あ、それは、ええねん」
「え、でも。今、お弁当持ってって」
「ふふん、もう、出来てるから、心配いらん」
「出来てる・・・?」
少し、間があって。
「それ、お母様?」
「なんで、そこで、おかんが出てくるかな」
「だって」
「だって、ちゃうわ。なんでやねん」
ツッコミは、俺の得意ちゃうぞ。
やらすなや。
「見たら分かるから。行く、やろ? 早よ、着替えて」
「う、うん」
後編へ続く。
楽しみに次のUPを待ちまぁす{ラブ}
楽しんでいただけたら、うれしいな。