曖昧批評

調べないで書く適当な感想など

「軍師官兵衛」第34回「九州出陣」

2014-08-24 22:49:36 | 大河ドラマ
島津に攻められている大友宗麟が大坂までやってきて救援要請。島津軍団初登場。島津義久がどこかで見た顔だなあと思ったら、永澤俊矢だった。「まほろ」のプロレスラーだった人だ。島津はノースリーブの奴がいたりして、蛮族っぽかった。


島津といえば、能力値がほとんど90台の万能武将集団のはずだが、すげえワイルドだった。

蜂須賀小六死亡。馬乗りになった秀吉に白い布を剥ぎ取られた挙げ句、殴られた。蜂須賀小六らしい死かどうかはわからないが、ピエール瀧らしい死ではあった。


最近お腹痛いんだよね…。

顔に山賊っぽい傷はあるが、瀧は竹中直人より一回り若い。しかし、小六は秀吉より年上なわけで、なんだかなあ、とも思った。役者と演じるキャラの年齢のズレは、秀吉と家康を並べたときにも感じるんだけど。

九州侵攻は毛利勢とチーム黒田が先鋒を務めるが、毛利の両川の片方、吉川元春が参戦を拒否。彼を参加させれば勝ち、ダメなら負けという話の流れ。元春の息子でいいじゃん、と思うが、元春を説得するのが主人公シメオン官兵衛 なので、いいのだ。


毛利軍と黒田軍の侵攻ルート。ちょっと雑な図。

黒田家得意の「命の使い道(c)」論法で元春に迫る官兵衛。唾を飛ばしすぎだった。「気」が口から噴き出していた。


官兵衛の口から白いガス状のものが噴出している。

参戦することで豊臣軍の士気を上げ、命を使いきった元春は小倉城で死亡。

家康を臣従させるために、秀吉は妹と母親を人質に出した。もうそれしかない、家康を上洛させるのた、という空気が、史実もそうだったとはいえ、見ててイラっとした。小牧長久手で負けたから、家康には勝てないと官兵衛が断定してるだけであり、家康>秀吉と確定したわけではない。と、僕は石田三成のように思った。

たぶんそれは、小牧長久手がナレーションだけだったからだ。さらに、秀吉が直接負けたわけではなく、家臣が勝手に仕掛けて敗れただけだという史実を知っているからでもある。

もちろん、主人公が秀吉は勝てないと言うから勝てないんだという強権的雰囲気が最大の原因だが。お前が決めるんじゃねえよっていう。

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日曜劇場「おやじの背中」第5話「ドブコ」の感想

2014-08-24 00:31:00 | テレビ・映画
放映してから2週間も経ってしまった「ドブコ」の感想。いや、帰省してて見れなかったんですよ。

婦人警官の三冬(堀北真希)が、悪役俳優の父(遠藤憲一)が倒れたり、親友の勝(溝端淳平)の絶交宣言などをきっかけに人生を考えちゃったりする話。

仕事で斬られてばかりいる父が、唯一自分から斬ったことがあるという。三冬は「それはあたしでしょ」と言う。この時点では、「斬る=悪役を刀で斬り殺す」という使われ方しかされておらず、「斬る=好きな事を終わらせる」という図式がちゃんと語られてないので、なんか性急な感じがした。また、そんなことが男の約束で誰にも言ってはいけないことなのか、という気もした。

だが、脚本で気になったのはここだけ。僕が嫌いな説明的セリフがほとんどなく、非現実的なマシンガントーク合戦もない、自然な会話が続くまっとうな脚本だった。僕が見たことがある木皿泉のドラマは「すいか」と「野ブタ。をプロデュース」だけなのだが、それらと比べると普通だけど随所に凝ったシナリオだと思った。

たとえば、三冬が逃げる父を取り押さえて拍手されるシーン。「違うんです。散って散って」というところが可笑しい。父が本当に倒れたシーン。悪役俳優の娘らしく「大丈夫です。この人死にませんから」と言うところも可笑しい。本当はシリアスなシーンだが。果たし状が、ちゃんと毛筆(筆ペンかも)で書かれてるのも芸が細かい。病院の待合室で待つシーンが、雨の中で倒れたままの父親がテレビに映って終わるのもうまい。

それでいて、串カツドーナツが1000カロリー超えてるとか、文字通り真剣勝負の最中に「よく俺たちあれ食べてたよな」と肩の力が抜けたことをマサルが言うシーンなんかは、どうでもいいディティールに突っ込んでいく「すいか」っぽかった。

パイロット、CAときて次は婦人警官。堀北真希の制服に萌える。だけではなく、やっぱり彼女は演技がうまいのかもしれないと思った。お父さんが入浴の手伝いを断り、母(薬師丸ひろ子)が来たシーン。父と母の会話を後ろで見てるだけなんだけど、ムっとしてるような、考えてるような、手持無沙汰なような、微妙な心情をきちんと演技してた。素人考えでは、ああいう自分のセリフがないシーンは演技が難しいと思うんだよね。

三冬と勝が勤務する警察署が「調布中央警察署」で、河原も多摩川っぽくてリアル(僕はかつて隣の府中市に住んでいた)なのに、勝は県大会で3位だったという。調布だったら都大会では? 小学校からの幼馴染なら、ずっと調布に住んでたんだろう。まあ気になったってほどではないけど、ちょっとミスかも。

そして最後の、バージンロードを娘と歩く遠藤憲一。その前のシーンで「次はきちんと斬られる」と宣言していたので、相手は堀北真希か、ウエディングドレスも見せますか、と思いきや、ドラマの撮影だったという仕掛け。精緻な構成の脚本だなあ。その「次はきちんと斬られる」も、三冬の結婚のことだなんて誰も一言も言ってないんだよね。でも、視聴者に普通の読解力があればちゃんとわかる。不必要に親切にしないから不自然な説明的セリフがない。木皿泉のファンが多い理由がよくわかった。

父さんが「生きてるってことは変わるってことだ」「人は死ぬようにできてる」などと言い、三冬も「どうして楽しいことは終わっちゃうんだろう」「幸せになりたいんだよね」とか言う。テーマ的には大して新しくもなく、ほとんどの視聴者がそんなことわかってるって感じだと思うけど、三冬や父さんがストーリーを通してしみじみ語るのがいいんだよね。「なるほどわかった!」ではなく「そうそう、そうだよね…」という共感タイプのドラマでした。

あまり上手じゃないのか、めったに歌わない堀北真希だが、今回は遠藤憲一と一緒に「星影のワルツ」を歌っていた。若干遠慮がちに。


逮捕されたい。


こういうとき、どういう顔をするんだろう、ということを、ちゃんと考えながら演技してるように見えた。


上に同じ。


本当の親子のような自然な会話だった。

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