「光のお父さん」の劇場版をレンタルして見た。

結論から言うと、これはこれで出来も悪くないのだが、テレビ版か映画版か、どちらか一つでいいんじゃないかと。
大まかなストーリーが同じなのはしょうがないとしても、使い回す意義がよくわからない細かいネタもいくつかある。例えば先輩の父の官能小説ネタ(フランス書院がクレジットにあったりする)なんかは笑わせるところだが、ストーリー的には大して意味がない。そういうところは違うのを入れて欲しかった。テレビも映画も両方見る人が多い作品なんだから。
実写パートの絵の質感がテレビとあまり変わってないのもやや失望した。今はデジタル処理が多いのかもしれないが、映画はフィルムのアナログでウェットな空気感がアドバンテージなのに、それがほとんどなかった。それやるとエオルゼアパートが浮くのかもしれんけど。街並みがCGだったりもするし。
実写パートの絵の質感がテレビとあまり変わってないのもやや失望した。今はデジタル処理が多いのかもしれないが、映画はフィルムのアナログでウェットな空気感がアドバンテージなのに、それがほとんどなかった。それやるとエオルゼアパートが浮くのかもしれんけど。街並みがCGだったりもするし。
ごろっと変わったのはキャスト。大杉漣が亡くなったというのもあるだろうけど、ストーリーを大きくは変えられないので、キャラクターで変えたのかなと。実際、キャラの性格がそれぞれ違うのが一番の見どころというか、テレビ版を見た人にとっての見る理由はそこしかないように思える。

岩本アキオ/マイディー(坂口健太郎)
テレビ版の千葉雄大と違って暗くて不健康そう。テレビよりお父さんとのコミュ力が低い。坂口健太郎自身がゲーマーなのかな?コントローラーを握る手つきが慣れている感じ。リアル感はこちらの方が高いが、実際のマイディーさんは坂口アキオより明るいし、千葉アキオより不真面目なんじゃないかと思う。
岩本暁/インディ(吉田鋼太郎)
テレビ版の大杉漣より暗い。テレビと違って病気だという伏線(お腹を押さえるなど)がないのだが、他のドラマなどよりひと回り小さく見え、体力的に落ちてる雰囲気はある。流石の演技力。弱々しい吉田鋼太郎というのは、かなりレアなのでは。
井出里美/ビッグ(佐久間由衣)
新キャラで、アキオに好意を抱く同僚。オンラインゲームの中では人が変わる場合があるのを表現したかったのか、リアルでは地味なのにエオルゼアでは、そんなにデカくてゴツいキャラメイクができるのか!と驚くほどの巨漢ルガディンとして登場する。もうちょっと活躍させてもいいと思ったが、尺が足りなかったか。
岩本美樹(山本舞香)
新キャラでアキオの妹。全体的にテレビよりキャラが地味化したので、この子の活発さがアクセントになっているが、場の雰囲気を持っていくキャラなので、里美の印象が薄くなったかも(同時に登場するわけじゃないが)。
吉井晋太郎(佐藤隆太)
アキオの先輩。テレビ版の袴田吉彦のポジションで、チャラいのは一緒だが、アキオの実力を認めていてこっちの方が有能。
岩本由紀子(財前直美)
お母さん。このキャラだけはテレビ版と大体同じ。韓流ドラマ好きという設定はないが。
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テレビ版の時と違い、僕も今はファイナルファンタジー14をプレイしているので、エオルゼアパートには細かいツッコミが結構ある。しかもどっちかというと貶す方の。
まず冒頭の戦闘シーン。機工城アレキサンダーだと思うが、「光のお父さん」は新生時代(拡張前)の話なので、蒼天のイシュガルドで追加されたボスを出しちゃダメなんじゃないかと。前後の風景も蒼天エリアの低地ドラヴァニアじゃん。
じょびメンバーにアウラ族の男性がいた。アウラ族は新生時代は使えなかったのでは? テレビ版では「次このクエストならリアルでは○日くらい経ってるから部屋の小物はこれに変える」みたいなこだわりがあったらしいが、どうしたんだ映画版は。
テレビ版は、実際にマイディーさんたちがプレイしている実稼働サーバーで撮影していたが、晴れ待ちとかギャラリーの映り込みとかが大変で、劇場版はテストサーバーで撮影している。という予備知識を持って見たせいかもしれんが、風景に人がいなさすぎる。マイディーがウルダハの街を全力疾走するシーンは特にそう思った。あんなに無人のウルダハはないわ。
イフリートで死にすぎ。4人でやる討滅戦は低レベル帯のみで難易度的にも易しく作られている。遅い時間だからやり直すのを嫌がるのも違和感。イフリートなら途中でインディさんが死んで3人になっても10分で終わる。その後にお父さんの怒りパワーで楽勝するタイタン戦のほうが個人的には全然難しいです。
ツインタニア戦はテレビより長くじっくり見せてくれるが、UIを消しているので、死闘の度合いが分かりにくい。範囲攻撃の範囲も見えてはいるが、今やばいのかやばくないのか、ハラハラしたほうがいいのかどうか、よくわからないうちにリミット技が出て勝利。HPバーは適時出してはいたし、XHBでリキャスト待ちの演出も少しあったけど、普通の映画の戦闘シーンのようなハラハラ感を出すのはまだ難しいなと思った。
お父さんの手術後、マイディーが雪山に佇んでいるのは、え?お父さん死んじゃったの?と焦らせる演出なのだが、あそこが墓(オルシュファンという人気キャラのなんだけど)なのは、メインクエストをそこまで進めないと分からない。墓より立てかけてある盾の方が目につくので、未プレイで墓だって分かるお客さんは少ないと思う。
僕がプレイしていないコンテンツはまだまだたくさんあるが、ぞれにしても、あれ?これどこ?ってシーンが結構あった。そういうのはよく見ると、ああブロンズレイクを逆から見てるのか、あっちは滅多に行かないわ、といったように、既知のエリアの新しい観光スポットをいくつか発見できた。やっぱりエオルゼアは美しい。
テレビ版は応援したり絶賛したりした僕だが、映画版はちょっと辛口になってしまった。期待してたんだけどねえ。
それでも、初めてこのコンテンツに直接お金を払えてよかった。DVDも出てるけど、テレビは結局無料で見ちゃうから。そういう意味では映画化にも意義があったのかも。

キービジュアルのお父さん跪きシーンは黒衣の森からブロンズレイクに移動した。

劇場版では正体を明かしても、ちゃんと理解してもらえた。

病気からの復活後、得意の筋肉美ポーズのお父さん。レベル60のイディル装備を纏っているので、「蒼天のイシュガルド」による拡張後だと思われる。