曖昧批評

調べないで書く適当な感想など

日曜劇場「おやじの背中」第5話「ドブコ」の感想

2014-08-24 00:31:00 | テレビ・映画
放映してから2週間も経ってしまった「ドブコ」の感想。いや、帰省してて見れなかったんですよ。

婦人警官の三冬(堀北真希)が、悪役俳優の父(遠藤憲一)が倒れたり、親友の勝(溝端淳平)の絶交宣言などをきっかけに人生を考えちゃったりする話。

仕事で斬られてばかりいる父が、唯一自分から斬ったことがあるという。三冬は「それはあたしでしょ」と言う。この時点では、「斬る=悪役を刀で斬り殺す」という使われ方しかされておらず、「斬る=好きな事を終わらせる」という図式がちゃんと語られてないので、なんか性急な感じがした。また、そんなことが男の約束で誰にも言ってはいけないことなのか、という気もした。

だが、脚本で気になったのはここだけ。僕が嫌いな説明的セリフがほとんどなく、非現実的なマシンガントーク合戦もない、自然な会話が続くまっとうな脚本だった。僕が見たことがある木皿泉のドラマは「すいか」と「野ブタ。をプロデュース」だけなのだが、それらと比べると普通だけど随所に凝ったシナリオだと思った。

たとえば、三冬が逃げる父を取り押さえて拍手されるシーン。「違うんです。散って散って」というところが可笑しい。父が本当に倒れたシーン。悪役俳優の娘らしく「大丈夫です。この人死にませんから」と言うところも可笑しい。本当はシリアスなシーンだが。果たし状が、ちゃんと毛筆(筆ペンかも)で書かれてるのも芸が細かい。病院の待合室で待つシーンが、雨の中で倒れたままの父親がテレビに映って終わるのもうまい。

それでいて、串カツドーナツが1000カロリー超えてるとか、文字通り真剣勝負の最中に「よく俺たちあれ食べてたよな」と肩の力が抜けたことをマサルが言うシーンなんかは、どうでもいいディティールに突っ込んでいく「すいか」っぽかった。

パイロット、CAときて次は婦人警官。堀北真希の制服に萌える。だけではなく、やっぱり彼女は演技がうまいのかもしれないと思った。お父さんが入浴の手伝いを断り、母(薬師丸ひろ子)が来たシーン。父と母の会話を後ろで見てるだけなんだけど、ムっとしてるような、考えてるような、手持無沙汰なような、微妙な心情をきちんと演技してた。素人考えでは、ああいう自分のセリフがないシーンは演技が難しいと思うんだよね。

三冬と勝が勤務する警察署が「調布中央警察署」で、河原も多摩川っぽくてリアル(僕はかつて隣の府中市に住んでいた)なのに、勝は県大会で3位だったという。調布だったら都大会では? 小学校からの幼馴染なら、ずっと調布に住んでたんだろう。まあ気になったってほどではないけど、ちょっとミスかも。

そして最後の、バージンロードを娘と歩く遠藤憲一。その前のシーンで「次はきちんと斬られる」と宣言していたので、相手は堀北真希か、ウエディングドレスも見せますか、と思いきや、ドラマの撮影だったという仕掛け。精緻な構成の脚本だなあ。その「次はきちんと斬られる」も、三冬の結婚のことだなんて誰も一言も言ってないんだよね。でも、視聴者に普通の読解力があればちゃんとわかる。不必要に親切にしないから不自然な説明的セリフがない。木皿泉のファンが多い理由がよくわかった。

父さんが「生きてるってことは変わるってことだ」「人は死ぬようにできてる」などと言い、三冬も「どうして楽しいことは終わっちゃうんだろう」「幸せになりたいんだよね」とか言う。テーマ的には大して新しくもなく、ほとんどの視聴者がそんなことわかってるって感じだと思うけど、三冬や父さんがストーリーを通してしみじみ語るのがいいんだよね。「なるほどわかった!」ではなく「そうそう、そうだよね…」という共感タイプのドラマでした。

あまり上手じゃないのか、めったに歌わない堀北真希だが、今回は遠藤憲一と一緒に「星影のワルツ」を歌っていた。若干遠慮がちに。


逮捕されたい。


こういうとき、どういう顔をするんだろう、ということを、ちゃんと考えながら演技してるように見えた。


上に同じ。


本当の親子のような自然な会話だった。

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昨日、久々に神宮球場に行ってきた

2014-08-22 22:55:51 | スポーツ
昨日、久しぶりに神宮球場でスワローズの試合を見てきた。8年ぶりくらいである。優勝した2001年は20試合以上見たのだが、結婚してからはほとんどまったく見に行くチャンスがなかった。

急に行くことにしたので双眼鏡やメガホンの用意がなく、まったくの無防備での観戦となった。何かないと点が入った時の東京音頭で手持ち無沙汰であり、次は細いメガホンくらいは買ってから入場しようと思った。

相手は巨人であった。初回に先制したものの石川が長野と村田から被弾して逆転された。こちらもバレンティンと畠山の2本のツーランで逆転したが、終盤のチャンスを生かせないままロペスに同点弾を浴び、延長11回に片岡に勝ち越しソロを打たれた。

僕の古い知識では、巨人戦はチケットが高いのだが、調べたら外野自由席は一律1600円だった。前は後半からの入場時の割引チケットが1500円だったような記憶がある。これは安いなと思って行くことに決めたのである。

昔はライトスタンドにいると稲葉の背中ばかり見たものだが、昨日は雄平の背中を見続けることになった(そういえば同じ背番号41だ)。僕は投手時代の雄平が先発した試合を神宮で見たことがあるのだが、その当時から彼の運動神経と身体能力はプロ野球選手の中でも抜群だと思っていた。昨日の試合では、右中間に飛んだ打球をものすごい速さで追って、センターの上田の守備範囲に入ってしまい、上田と激突しそうになり、寸前でスライディングしてよけたのが素晴らしかった(捕球は上田)。体操選手みたいな空中感覚と、弾けるような筋肉を持ってるんだなあと思った。

村田のバックスクリーン直撃弾は、ふわーっと飛んできたのだが、バレンティンの28号は見えない速さで最高高度に達し、弾道ミサイルのような勢いでレフトスタンド上段に消えた。そうだろうなと思ってはいたが、衝撃的な打球の速さだった。


バレンティン28号ツーラン(来日通算150号)直後。

逆転した前の回の守り(5回表)で、坂本のレフトへの大飛球をバレンティンが奇跡のダイビングキャッチ。さらにレーザービームで戻る二塁走者橋本をアウトにした。あれで流れがこっちに来たのだが…。

石川は投球間隔が長すぎると思う。あれが彼のリズムなんだろうし、打者を焦らしてるのかもしれないが、長すぎて打者に考える時間をたっぷり与えているように見える。時には長い間合いで、時には速いテンポで投げるのが緩急というものではないのか。

あと、今に始まったことじゃないが、石川は逃げすぎだ。阿部と長野は歩かせてもいいつもりで投げてる。確変中の長野はともかく、今年の阿部は打率2割5分台、本塁打12本の平凡以下の打者である。びびりすぎ。まあ、スワローズ戦では阿部はよく打つイメージなのは確かだが。よく打つイメージだからビビるのか、ビビるから打たれるのか。

畠山は毎年のように打撃フォームを変えるが、今年は極端なオープンスタンスで膝と腰を曲げている。テレビのバックスクリーン視点ではそうでもないが、あれをライトスタンドから見ると、すごく変だ。でも畠山の登場は、曲と「はったっけ!」の連呼がマッチしていてかっこよかったりする。

登場と言えば、バレンティンの登場曲がラテンかキューバ音楽みたいなやつで、すごいカリビアンな感じ。DJのしゃべりとの相乗効果で、彼の登場時だけ神宮の雰囲気が熱帯。こういうの、テレビ中継ではほとんど聞こえないんだよね。かつては、高津がマウンドに向かう時に映画「スピード」のテーマが流れて大いに盛り上がったものだが、あれも神宮に通って初めてわかるノリだった。やっぱり守護神は出てくるときの盛り上がりが違う、と。

7回裏、一死一三塁で2番上田がファーストゴロ。三塁走者中村が飛び出して挟殺され、二死一二塁と変わったプレイを、ライトスタンドではかなり野次ってたんだけど、あれは中村がゲッツー阻止で意図的に飛び出したんじゃないかと思う。あれがなかったらファーストが一塁を踏み、二塁に転送して一塁走者山田憤死でチェンジだった。

疲れ切った身体に鞭打って、帰りにスワローズのグッズショップを覗いてみた。バレンティンの昨年の日本新記録56号本塁打の記念プレートが飾ってあった。


たぶん本物。

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Hipstamatic in 帰省旅行 2014 その2

2014-08-20 21:02:41 | 写真
帰省旅行中にHipstamaticで撮った写真の続き。


「ゆにガーデン」の蔦のゲートみたいなやつ。BrunoレンズとBlanko Freedom13フィルムを使用。


「くるるの杜」で見かけた風景。ダイハツ・ストーリアと花壇と背後の絵の構図がいい感じ。FlorenceレンズとBlanko Freedom13フィルムを使用。


白老町の萩野自然公園のログハウスに展示されていた標本。BrunoレンズとBlanko Freedom13フィルムとTasty Popフラッシュを使用。


白老町の萩野自然公園のログハウスはカナダのケネル市から寄贈された木材で建てられたらしい。そのケネル市のシンボルだというフライパンのオブジェ。FlorenceレンズとRobustaフィルムを使用。


帰りのフェリーのデッキにて。DorisレンズとSassexフィルムを使用。去年の7月パックの組み合わせ。

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Hipstamatic in 帰省旅行 2014 その1

2014-08-20 20:47:55 | 写真
今年は帰省中に、8日目までXPERIA ZのLargoで撮影した写真をVSCOCamで加工した写真を使って簡単な日記をアップしてみたが、Hipstamaticでも一応撮っていた。その中から何枚かセレクトしてお見せする。


行きの船のデッキからすれ違うフェリーを撮影。LowyレンズとBlanko Freedom13フィルムを使用。


北海道伊達市の三階滝公園にあったアイヌ風のオブジェ。BrunoレンズとGotlandフィルム、Triple Crownフラッシュを使用。つまり、8月のスウェーデンパックを使用。つまり、ヒプスタ社が考える今年の夏のイメージは、こういう感じ…なのだろう。


洞爺湖のボートの桟橋。BrunoレンズとBlanko Freedom13フィルムとTriple Crownフラッシュを使用。コントラスト増加が湖の色を深くしてくれて、いい感じ。


ニセコのミルク工房のトラクター。背後は羊蹄山。一度も山頂の雲が取れてくれなかった。BrunoレンズとBlanko Freedom13フィルムを使用。


ニセコのミルク工房の入り口のオブジェ。BrunoレンズとBlanko Freedom13フィルムを使用。

その2は次回。

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「軍師官兵衛」第33回「傷だらけの魂」の感想

2014-08-17 23:54:14 | 大河ドラマ
第32回「さらば!父よ」は、帰省していて見れなかった。さきほど帰宅して見た。小牧・長久手の戦いが超高速で描かれ、今までも、これからも、官兵衛がいると戦に勝ち、官兵衛がいないと戦には勝てないということが確認された話だった。と同時に、信長死亡を知った際の官兵衛の非情な一言が問題視された。

第33回は、なぜか秀吉が官兵衛のいうことを聞いて家康攻めを中止し、超高速四国攻め。長宗我部元親が速攻で降伏した。降伏まで2か月だそうなので、実際に超高速だった。

その四国攻めで先鋒を務めながら恩賞なしを嘆くチーム黒田がいい感じだった。特に井上九郎右衛門が「ジャカジャン!」と掻き鳴らす琵琶がよかった。iOSに琵琶のアプリないかな。


爪弾ける楽器はいいよね。言葉より雄弁にチーム黒田の気分を語っていた。

関白になった秀吉が、心配御無用のポーズで「天下惣無事」を宣言。もう戦をしてはいけないという不戦の誓いである。信長の天下布武とはまた違う、新しいキャッチコピーである。


天・下・惣・無・事!

荒木村重改め道糞が、秀吉のお伽衆となり、さらに名を道薫と変えた。糞が薫るとは、またなんというか意味深である。あまり考えたくない意味である。


Snapseedの「Drama」をかけてみたら、見えてなかった後ろの瓦が浮き上がってきた。

「追いかけても追いかけても手に入らないのがイイ」と秀吉がいう茶々が、道薫の話を聞きたいという。その話を聞く席で、俺もあんたもみんな化け物と道薫が言い放つ。思えば村重は、「軍師官兵衛」の闇の部分を引き受けてきたのだなあ。村重がいなかったら、このドラマは陰影のない平板なストーリーになっていただろう。


官兵衛の足を悪くしたのは俺。右近が裏切ったから俺の計画が狂ったと、本人たちの目の前で語る道薫氏。化け物じみた露悪趣味。


ば、ばけもの。

その村重と、だしの息子・又兵衛が再会。最初は拒否するが、官兵衛の高笑いで憑き物が落ちた道薫が最後は筆を渡して旅立つ。村重の心の荒廃が官兵衛をキリスト教に向かわせるのかと思っていたが、人は救われるということを目の当たりにしてキリシタンになったらしい。このドラマでは。


黒田官兵衛孝高改め黒田シメオン孝高に。

しかし、善助の言うとおり、キリスト教に帰依しても、官兵衛は特に何も変わらなかった。これからは軍師シメオンと表記してやろうと思っていたのだが。

次回は蜂須賀ピエール小六が死ぬらしい。やたらと長政を婿殿呼ばわりしたり、官兵衛とつるんだりして黒田の親戚風を吹かせていたのは、死亡フラグだったんだな。

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