公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

切り取りダイジェストは再掲。新記事はたまに再開。裏表紙書きは過去記事の余白リサイクル。

プランテーション化する2次産業・製造業

2010-10-19 09:57:49 | 日記
 現在の日本の立場は、ベネチアの凋落と似ている。
航海術という発明によって、消費地と生産地が直接海でつながった植民地プランテーション生産に基づく初期資本主義の台頭と同時に起こったベネチアの凋落。
 つまり一次産業で起こったプランテーションが二次産業でも起きているということだ。
 インターネットで情報が均一化し、質の違いを超えて、事実上製造業生産物の世界価格が1つに絞られてゆく社会が実現した。大航海時代は終わり、製造業が最低のコストを求めて世界の隅々に散ってゆく。工場が地域にとどまる理由が消失した。
 では21世紀のベネチアとして何を選択するのか?
 一つは日本の地にとどまるということ。一つは世界中を日本化すること。


鎖国という選択肢が馬鹿げていないことを願うが、交易条件が好転するまでの数十年間はやむえず鎖国になってしまうかもしれない。

交易条件
こうえきじょうけん
terms of trade

輸出商品と輸入商品の交換比率で,具体的には輸出物価指数と輸入物価指数の比で表わされる。これは一国の貿易利益つまり貿易による実質所得の上昇を示す指標となる。国内の交換比率 (相対価格) と交易条件が同じであれば貿易利益は当該国にはなく,交易条件が有利化するほど (交換比率が高まるほど) ,同じ輸出量に対してより多くの輸入量を獲得でき実質所得は増加する。


5年利付国債 2兆円の調達に7兆円の応募があるというのはまだ幸福なことであるが、表面利回り0.3%しかない投資に喜んでいる銀行は日本の地にとどまり朽ちるのを延長して、観光地の珍しい商売や名物土産物屋を選ぶのだろう。あとはベネチアングラスのような美しい商品を買いにきてくれるマーケットで食ってゆくくらい。

世界中を日本化する気概で船を漕ぎ出すには、相当に知的レベルとセンスが上でなければならないだろう。中世に、なにも価値のないところに価値をつけて成功した民族が2つある。一つはユダヤのダイヤモンド交易、もう一つはジャパンの足利、美術鑑定による資金調達だ。共通しているのは人が価値を担保しているということ。事実上製造業生産物の世界価格が1つに絞られてゆく世界では、価値を担保する人材を持つことが競争力になる。

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