地方進学校の素晴らしさを讃え浦和高校同窓会OBに向けて佐藤優はこのような書籍を書いている。毎日お世話になっているヤオコーの代表取締役会長(創業者)川野幸夫も浦和高校卒業東大法学部卒業。同窓会長。
- 2013年(平成25年) - 浦和高校の同窓会長として県立浦和高等学校同窓会奨学財団発足を主導。高校の奨学金財団設立は全国的にも珍しかった。
以下目に留まる
『そういう高校の出身でときどき物凄い成績の人がいるんです。だけど、そういう人は自分よりできる人間を高校卒業まで見たことがないから、たいてい「自分は宇宙で一番頭がいい」と勘違いしている(笑)。それで東大もそこそこ優秀な成績で卒業して、そのまま財務省や外務省に来る。つまり、勘違いを引きずったまま官僚や外交官になるわけです。
ところが、役人になってからそれは通用しない。自分より優秀な人間はいくらでもいるし、権力者である政治家には何があっても逆らえない。すると何が起こると思いますか? 一部の役人が政治家に対して尋常じゃない擦り寄り方をするんですね。
これは私の知り合いのある外交官の実話ね。政治家と料亭に行ったあと、「先生、もう少し吞み直したいんです」と2軒目に誘う。どんどん吞んでいるうちに、だんだん乱れてきて、横にいる芸者さんの服の中に手を突っ込んで、胸とか触ろうとするわけ。当然、芸者さんは逃げるよね。すると今度はソイツが一人で「僕ちゃん寂しいんでちゅ」とか「おしめ替えてくだちゃい」と言って足をパタパタ振って政治家の前で幼児プレイを始めてしまった(笑)。彼はたしか東大でその年の成績優秀者のトップ20人に入っていたはずです。
彼のこうした行為は、いったい何をやってるんだと思いますか? 犬がお腹を見せるように、飼い主である政治家に擦り寄っているんです。こういう姿というのは、実は官僚や政治家の世界では日常的にあります。だから、あまり世の中の上のほうを見るということがはたして幸せなのかというのは、また別の難しい問題で、いったいこの国はどういう人たちが統治しているんだろうと、とても心配になったりする(笑)。われわれが暮らしている世界というのは、頭の良さとか、能力とはまったく関係ない、こうしたいろいろな要素も複雑にミックスされている世界なんですね。』
『いま、年収910万円以下の家庭には「就学支援金」という授業料支援の制度があるのですが、埼玉県の高校では平均で82%の生徒がこれを受給しているとのことです。浦高の場合は52%ほどなので、比較的少ないとも言えますが、それでも過半数を超えています。また、全校で数十人は非課税世帯、つまり生活保護世帯を含む家計の苦しい世帯の子どもがいます。そういった子どもたちのしっかりした受け皿にもなっているんです。 佐藤 何%ぐらいですか。 杉山 全校の約4%です。教育の達成というのは、その経済背景に影響されるのは事実です。立場上、入学金の減免申請などの書類を読むわけですが、そんないまの時代にあって、それぞれの親御さんも、そして生徒自身も本当によく浦高入学まで頑張ってきたなあと、心を揺さぶられるのです。』
公立高校にはこう言う役割があるんです。