2018年8月22日に英国の科学誌「Communications Biology」にオンライン掲載
亜鉛欠乏による細胞外ATPの蓄積が炎症誘導を通じて細胞の障害をもたらす。亜鉛摂取で鋭敏に回復する。
人間の体内に2gもある亜鉛はやはり正常な機能維持に重要だった。1日10mgは必要。以下は100g当たり
第1位: <貝類>かき くん製油漬缶詰 亜鉛 25.4mg
第2位: こむぎ [その他] 小麦はいが 亜鉛 15.9mg
第3位: <貝類>かき 養殖 水煮 亜鉛 14.5mg
第4位: <貝類>かき 養殖 生 亜鉛 13.2mg
第5位: <魚類>(かつお類) 加工品 塩辛 亜鉛 11.8mg
第6位: <香辛料類>パプリカ 粉 亜鉛 10.3mg
第7位: <魚類>ぼら からすみ 亜鉛 9.3mg
第8位: <畜肉類>うし [加工品] ビーフジャーキー 亜鉛 8.8mg
第9位: <畜肉類>ぶた [その他] スモークレバー 亜鉛 8.7mg
第10位: <魚類>(さば類) まさば さば節 亜鉛 8.4mg
ー〜ーーーー〜ーーーーー
亜鉛欠乏症のメカニズムの一端を解明 -亜鉛不足はなぜ、さまざまな症状を引き起こすのか-
2018年08月28日
神戸大朋 生命科学研究科准教授、武田貴成 同博士課程学生、駒井三千夫 東北大学教授、川村龍吉 山梨大学教授らの研究グループは、細胞外のATP(アデノシン三リン酸)の分解に関わる酵素の多くが亜鉛を必要とする亜鉛要求性酵素であることに着目し、亜鉛不足が細胞外におけるATPの蓄積、およびATPの分解産物であるアデノシンの減少を引き起こすことを世界で初めて明らかにしました。
本研究成果は、2018年8月22日に英国の科学誌「Communications Biology」のオンライン版に掲載されました。
著者メッセージ
日本人は潜在的な亜鉛欠乏状態である割合が高く、最近の報告でも先進国で唯一10~30%が亜鉛欠乏状態にあると報告されています。先日、亜鉛欠乏(低亜鉛血症)に対する亜鉛製剤も認可され、亜鉛欠乏症の治療も可能になりました。日本では、さらなる高齢化が進むことが確実であり、薬剤の過剰摂取などと相まって、亜鉛欠乏者の数はますます増加していくと考えられます。健康な高齢者は血清亜鉛値が高いなど、亜鉛栄養は生活の質(QOL)と密接に関わります。本研究成果は、なぜ、亜鉛が健康に重要なのかを示す根拠の一つになると考えています。
今後は、消化管からの亜鉛吸収効率を改善する食品因子の探索や亜鉛摂取の効率的なタイミングなどを明らかにし、人々の健康維持・増進に役立つ情報を提供したいと考えています。
亜鉛欠乏による細胞外ATPの蓄積が炎症誘導を通じて細胞の障害をもたらす。亜鉛摂取で鋭敏に回復する。
人間の体内に2gもある亜鉛はやはり正常な機能維持に重要だった。1日10mgは必要。以下は100g当たり
第1位: <貝類>かき くん製油漬缶詰 亜鉛 25.4mg
第2位: こむぎ [その他] 小麦はいが 亜鉛 15.9mg
第3位: <貝類>かき 養殖 水煮 亜鉛 14.5mg
第4位: <貝類>かき 養殖 生 亜鉛 13.2mg
第5位: <魚類>(かつお類) 加工品 塩辛 亜鉛 11.8mg
第6位: <香辛料類>パプリカ 粉 亜鉛 10.3mg
第7位: <魚類>ぼら からすみ 亜鉛 9.3mg
第8位: <畜肉類>うし [加工品] ビーフジャーキー 亜鉛 8.8mg
第9位: <畜肉類>ぶた [その他] スモークレバー 亜鉛 8.7mg
第10位: <魚類>(さば類) まさば さば節 亜鉛 8.4mg
ー〜ーーーー〜ーーーーー
亜鉛欠乏症のメカニズムの一端を解明 -亜鉛不足はなぜ、さまざまな症状を引き起こすのか-
2018年08月28日
神戸大朋 生命科学研究科准教授、武田貴成 同博士課程学生、駒井三千夫 東北大学教授、川村龍吉 山梨大学教授らの研究グループは、細胞外のATP(アデノシン三リン酸)の分解に関わる酵素の多くが亜鉛を必要とする亜鉛要求性酵素であることに着目し、亜鉛不足が細胞外におけるATPの蓄積、およびATPの分解産物であるアデノシンの減少を引き起こすことを世界で初めて明らかにしました。
本研究成果は、2018年8月22日に英国の科学誌「Communications Biology」のオンライン版に掲載されました。
著者メッセージ
日本人は潜在的な亜鉛欠乏状態である割合が高く、最近の報告でも先進国で唯一10~30%が亜鉛欠乏状態にあると報告されています。先日、亜鉛欠乏(低亜鉛血症)に対する亜鉛製剤も認可され、亜鉛欠乏症の治療も可能になりました。日本では、さらなる高齢化が進むことが確実であり、薬剤の過剰摂取などと相まって、亜鉛欠乏者の数はますます増加していくと考えられます。健康な高齢者は血清亜鉛値が高いなど、亜鉛栄養は生活の質(QOL)と密接に関わります。本研究成果は、なぜ、亜鉛が健康に重要なのかを示す根拠の一つになると考えています。
今後は、消化管からの亜鉛吸収効率を改善する食品因子の探索や亜鉛摂取の効率的なタイミングなどを明らかにし、人々の健康維持・増進に役立つ情報を提供したいと考えています。