公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

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今読んでる『小さな小さなクローディン発見物語』月田承一郎

2022-10-10 16:17:54 | 今読んでる本

追補2022/10/10

訃報 新潟薬科大客員教授 古市泰宏さんが81歳で死去 今年のノーベル賞期待も

BSN新潟放送268

新潟薬科大学の客員教授の古市泰宏さんが8日、神奈川県鎌倉市の自宅で病気療養中に亡くなったことが分かりました。81歳でした。


2021年10月4日(月)、ノーベル賞「医学・生理学賞」の受賞者が発表されました。

報道機関各社では、新型コロナウイルスワクチンである「メッセンジャーRNA(mRNA)」の開発で大きな貢献をしたドイツのバイオ企業のカタリン・カリコ氏らの受賞が有力な候補と注目し、あわせて、古市客員教授が1970年代に発見したmRNAの構造「キャップ」も、mRNAワクチンに必須な構造として大きな役割を果たしたとして、ノーベル賞の受賞候補と注目されました。

このため、4日の同賞発表時には本学に特設会場を設け、本学学長をはじめ共同研究に従事した教職員、報道機関各社の皆様とともに、スウェーデンにおける受賞者発表の様子を見守りました。

結果は、残念ながら受賞に至りませんでしたが、古市客員教授は神奈川県鎌倉市のご自宅からリモートで会見を開き、若い世代の方々に対するメッセージとして「やって・みなけりゃ・わからない(YMW)」のチャレンジ精神を持って、可能性を追求していくことの重要性とエールを送りました。


若い研究者へ遺すメッセージ 小さな小さなクローディン発見物語

 
 

形式・仕様: 単行本

 
 
価格: ¥1,980  お届け日時指定便 無料

 

 

最後まで読んではいけない。
『尽きたさんの 小さな小さなクローディン物語。。』


何故読んでるかは、月田先生を尊敬するからであり、ほんまやったら、ノーベル賞を間違いなく受賞したはずの科学者だったから。アインシュタインは「何も考えずに権威を敬うことは、真実に対する最大の敵である」と述べたようですので、付け足すことはない。けれど、研究を山にたとえて視力を養う。時に大仮説過ぎて証明できるまでには数十年を要することもあるそういう挑戦に追体験的に立つだけで足もすくむ。それが敬うことである。

回想にも登場した古瀬さん、自然科学研究機構教授の解説のように、隙なく硬く書くと以下のようなことになる。これを一人称で描いた論文がこの物語 オクルディン発見以降が見どころ。



TJの主要接着分子クローディンの同定
 《細胞間接着構造であるTJのバリア機能vセ体を分子レベルで明らかにするためには、その接着分子の同定が欠かせない。ところが、筆者が月田承一郎研究室で研究を開始した1992年当時、TJの構成分子としてその存在が確タに知られていたのは、TJを認識するモノクローナル抗体から同定されていたZO-1 6)、チンギュリン 7)という2種類の膜裏打ちタンパク質のみであった。TJを高純度に単離する方法がなく、運良く得られたTJ抗原に対する抗体が当時の唯一の研究手段であった。
 これに対し筆者らは、ヒヨコ肝臓より単離したTJを多く含む細胞膜分画を抗原にしてやはりモノクローナル抗体を作製し、局在を指標としたスクリーニングによって、TJに局在するはじめての膜タンパク質であるオクルディンを同定することに成功した8)。当初、4回膜貫通型タンパク質であるオクルディンはTJストランドをつくる接着分子と目されていたのだが、その後、マウスオクルディン遺伝子をノックアウトしてもTJが全く影響を受けないことが判明し9,10)、TJをつくる接着分子が別に存在することが推定された。そこで筆者らは、この接着分子を同定するために、再びヒヨコ肝臓から単離した細胞接着膜分画に戻り、この膜からさらに細かい生化学的分画によってTJの濃縮を試みた。その過程でオクルディンと挙動を共にする膜タンパク質のバンドが得られ、新規4回膜貫通型タンパク質がクローニングされた。これが本稿で述べるTJの接着分子クローディンである11)。現在では、クローディンがTJの基本構造である細胞膜密着部位およびTJストランドの主要構成成分であり、かつバリア機能において中心的な役割を果たしていることが明らかになっている。》
(6) Stevenson, B.R., Siliciano, J.D., Mooseker, M.S., & Goodenough, D.A. (1986) J. Cell Biol. 103, 755-766
(7) Citi, S., Sabanay, H., Jakes, R., Geiger, B., & Kendric-Jones, J. (1988) Nature 333, 272-27
(8) Furuse, M., Hirase, T., Itoh, M., Nagafuchi, A., Yonemura, S., Tsukita, Sa, & Tsukita, Sh. (1993) J. Cell Biol. 123, 1777-1788
(9) Saitou, M., Fujimoto, K., Doi, Y., Itoh, M., Fujimoto, T., Furuse, M., Takano, H., Noda, T., & Tsukita, Sh. (1998) J. Cell Biol. 141, 397-408
(10) Saitou, M., Furuse, M., Sasaki, H., Schulzke, J.D., Fromm, M., Takano, H., Noda, T., & Tsukita, Sh. (2000) Mol. Biol. Cell 11, 4131-4142
(11) Furuse, M., Fujita, K., Hiiragi, T., Fujimoto, K., & Tsukita, Sh. (1998) J. Cell Biol. 141, 1539-1550
(12) Morita, K., Furuse, M., Fujimoto, K., & Tsukita, Sh. (1999) Proc. Natl. Acad. Sci. USA


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