公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

切り取りダイジェストは再掲。新記事はたまに再開。裏表紙書きは過去記事の余白リサイクル。

今読んでる『イスラム教の論理』 飯山陽著 

2019-11-13 09:32:00 | 今読んでる本

、飯山氏はアラビア語通訳でありイスラム思想研究家であるが、ISIS「イスラム国」をイスラム教の中の異常な分派とはとらえていない。むしろコーランあるいは に忠実なイスラム教徒と分析している。イスラム教徒の義務ジハードとヒジュラ(イスラム法が支配する土地)を実際に唯一同時に妥協なく行った国(あるいは集団)がISISと解説している。

私は以下の姿勢を高く評価している

池上彰氏にせよ出口治明氏にせよ、本をたくさん読んで世界のことを知り尽くしていることになっているはずの人が、「知の巨人」とか絶賛され持ち上げられるのはどうでもいいのですが、そういう人が完全に間違ったイスラム教解釈を次々と広めるのは非常に迷惑です。

私には池上氏や出口氏のような絶大なる発信力など全くありませんが、イスラム教を専門に研究する研究者の端くれとして、違うものは違う、間違いは間違いだと、指摘し続けていきたいと思います。

アッラーフ・アクバル アッラーフ・アクバル - ヨーロッパの死の鐘

50万人以上のイスラム教徒(兵士)がヨーロッパ征服に向かっている...。

ヒジュラとして知られるイスラムの移住の目的は、移住によるイスラムの拡大である。彼らは、ムハンマド(彼らの宗教的、政治的、軍事的指導者)とその信奉者たちがメッカからメディナへ向かった例に倣っただけである。

ヒジュラは今日に至るまで、新たな土地に移住し支配しようとする聖戦主義者のモデルであり続けている。アッラーの目的のために移住することは、イスラム教では非常に功徳のある行為と考えられている。

「アッラーの大義のために移住する者は、地上に多くの場所と豊かさを見出すであろう。「アッラーと御使い(祝福と平安を)の為に移住して故郷を離れ、その後に死が彼を襲う者は、その報いは既にアッラーにある。アッラーは寛容にして慈悲深くあられる。(4:100)

「アッラーが私に課されたことの五つをあなたがたに課する。アッラーのために集まり、聞き、従い、移住し、ジハードを行うことである。

プロヒント:侵略してくる外国の軍隊がイスラムの戦いの叫びを唱え、自分たちが何者であるかを認め、預言者があなた方とあなた方の土地を征服するよう命令したら、彼らを信じなさい!


 

純粋な意味でヒジュラは地上には存在せず世俗と妥協した暮らしをしているのがイスラムであるが、こういうコーランだけを規範に生きろという思想は何かに似ている。そう。マルチン・ルターに始まるプロテスタントだ。歴史は1517年ルターの95 Thesen から7年ドイツ農民戦争1524-1525年を嚆矢とする抵抗が領主階層を巻き込み、その後1545のトリエント公会議を贖宥状販売の禁止を経て公式見解として秘跡サクラメントの教会権威を確認、プロテスタントを糾弾した。一方農民戦争が発展したシュマルカルデン同盟を媒介としてフランソワ一世のフランスそしてデンマークに伝播し欧州の血塗られた内戦の歴史が始まる。シュマルカルデン戦争自身は1555年ルター派容認の決着を見たが、共存とは言えず、さらにこれがスウェーデン、スペインを巻き込み三十年戦争1618-1648年(ヴェストファーレン条約で講和:ウェストファリア条約:国際法のはじまり)の発生源になった。1524年のドイツ農民戦争から124年間(ここが終わりではなかったが)の血塗られた抗争、もしかしたらこういう歴史を人類がもう一度たどることになるのかもしれない

 



 

 

ちなみに贖宥状はいわゆる免罪符とよばれる神からみたひとの罪を赦す札ではない。現世の教会罰を減ずる札の販売だ。現代に置き換えれば、損失リスクヘッジデリバティブや排出権の販売取引だ。国際金融資本が金を吸い上げる仕組みと同じような発想で(歴史の順から言えばもちろん贖宥状が先に発明されている)仮想商品をつくり上げた教皇経済は現代の成長配分の行き詰まる世界経済の姿に似ている。プロテスタントは教皇経済というフランチャイズシステムに対抗してできた自己営業独立営業のフランチャイズによる既得権益に対する反乱と考えればよい。

 

暮らしやすいから日本に来るのではありません。金のため、さらに日本をイスラム化するためです。ムスリム同胞団のイデオローグは、異教の国に移住し、そこをイスラム化することを積極的に奨励しています。静かなるジハードです。飯山陽


『法学者島田征夫の研究では、「聖戦(ジハード)」と「コーランか剣か」には関連がある[2]。そもそもイスラムの世界観では、イスラム世界は「イスラームの家」(ダールル・イスラーム)であり、他は「戦争の家」(ダールル・ハルブ)である[2]。つまりイスラムから見て国際関係は、政治的統一体たる「イスラームの家」と、異教徒の諸集団からなる「戦争の家」とに分かれており、二つの世界(家)の間は常に戦争状態にある、とイスラムは考えている。』Wikipedia

二つに分けるというのがイスラム絶対主義の特徴である。第三の立場のないヒステリックな状況は60年代の日本青年の間にもあった。どのように平和的メッセージをコーランに探してもダールル・イスラームとダールル・ハルブの二種類の世界しかなければジハードは単なる努力ではなくダールル・ハルブ戦争の家における布教努力。

[2]島田征夫「国際法とイスラーム」『早稲田法学:The Waseda Law Review』第9巻第4号、2016年、 129-143頁。

 


"We recruited both, Republicans and Democrats, but that's not good enough. We want to rule the White House," the Qataris allegedly said.
Explosive testimony given in a Florida court naming Ilhan Omar as a Qatari asset, also implicated a number of other prominent American citizens, including political activist Linda Sarsour and senior advisor to United States President Donald Trump, Jared Kushner.

Yesterday, the Jerusalem Post reported on court testimony given by Canadian businessman Alan Bender in the trial of Sheikh Khalid bin Hamad al-Thani, who stands accused of ordering his American bodyguard to murder two people.



「法の目的」「立法者の意図」という概念

 博士論文審査結果

(別紙2)
論文審査の結果の要旨
元々「善」あるいは「利益」を意味する「マスラハ」は、啓示に唯一の源泉を有すると 観念されたイスラム法の硬直化を防ぎ、その革新をもたらす概念として、イスラム圏の内 外において、注目を集めてきた。しかし、申請者によれば、従来のマスラハ研究は、2 つ の点で不充分であった。
第 1 点は、マスラハ理論の歴史的展開に関わる。一般に、その後世への影響力の大きさ と理論の成熟度に鑑みて、ガザーリー(1111 年没)がマスラハ理論の完成者と目されてい るが、従来の研究は、ガザーリーに至る理論の展開を深く考察することなく、ガザーリー が突然マスラハ理論を完成させたかのように解してきた。
これにたいして申請者は、イスラム最初期に遡ってその歴史的展開を考察し、とくに、 ジャッサース(980 年没)やバスリー(1044 年没)による法理論の主要な著作におけるマスラハ概念を詳細に分析・検討した。その結果、むしろジュワイニー(1085 年没)が「立法者の意図」という概念を導入してマスラハ理論を実質的に完成させたが、その文体が難渋であることなどの理由から、ジュワイニーのマスラハ理論を平易な形で定式化したガザーリーの理論の影響が後世において絶大になったことを明らかにした。
第 2 点は、マスラハ理論の実践面に関わる。一般にイスラム法の規定は、10 世紀に確立され、以後、近現代に至るまで目立った修正を被ることはなかったとされる。しかし従来 の研究者は、大局的に見ればイスラム法はいったん完成された後には変わらなかったこと を認めつつも、マスラハがその幾ばくかの変容に寄与したという先入観にとらわれてマス ラハを考察する傾向があった。しかし申請者は、マスラハがそのような機能を本当に果たしたのかどうかについて疑問を抱き、北アフリカとイベリア半島で発行されたファトワー (法学者が具体的な法的事案に関して与えた意見)を分析した。対象となったファトワーの内容は、財産法、家族法、渉外関係など多岐にわたる。その結果、マスラハは、法を変える機能を果たすことはむしろ稀であり、ほとんどの例において、既存の法に、神の法として体系性を有するという外観を与える役割を果たしたことを明らかにした。
本論文は、大量の法学文献を渉猟し、理論と実践の両側面について、マスラハ概念がイスラム法体系における占める位置を正当に評価することに成功しており、従来のマスラハ研究にたいして重要な貢献を行っていると認められる。この点に鑑みて、審査委員会は、 本論文が、飯山陽氏に博士(文学)の学位を授与するのにふさわしい高水準の業績である と判断するものである。
氏名 飯山 陽

 

こいつ、こんな熱心にイスラムを有料勉強してる私を飯山はブロックしよった。


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