公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

切り取りダイジェストは再掲。新記事はたまに再開。裏表紙書きは過去記事の余白リサイクル。

涙の温度

2023-01-15 20:06:57 | 俳句など

嬉しくても、悲しくても、

悔しくても、

人生は涙を流した者の順に勝ちなのです。

涙が流れるまでには

あまりに未解決の、未消化な事柄が蓋をして

恩を返す義務をまた今年も繰り越しました。

 

わかっています。滑稽でしょう。

今更涙を流しても、遠い昔の出来事に答えているようで。

目には見えなくても、その問いは風の中にあるのです。

答えを聞くべき人はすでに地下に眠り

僕の言葉にはもう光がありません。

未だ涙になりません。

信じていてほしいい人にまで流され

繰り越してきた沈殿の闇は深い。

説明するには人生があまりにもあっけなく

自分が許せないので

流れる涙にならないのです。

 

誰もが簡単に涙の在庫処分ができたら

どれほどいい人生であろうかと思う。

酒が涙の封印を解くという

思い出せない封印の理由を探し

訳も知らず忘却のまま泣くことができるのでしょう。

 

それよりは、それよりは、

心にこごるごまかしの

相似形の哀しみや、相似形の喜びを。

歌の力で、ぎりぎりやっと

滑稽でない涙が

わたくしのない涙が

人の頬に流れたのです。

 

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