PiScience
Volume 23, Issue 2, 21 February 2020, 100874
ArticleMechanical Regulation Underlies Effects of Exercise on Serotonin-Induced Signaling in the Prefrontal Cortex Neurons
概要
機械的な力が様々な生物学的プロセスに関与していることが知られている。しかし、生理的条件下で脳機能が機械的に制御されているかどうかは不明である。我々は、トレッドミル走行と受動的頭部運動(PHM)が、ネズミの前頭前野における幻覚作用のある5-hydroxytryptamine (5-HT) receptor subtype 2A (5-HT2A) signalingに同様の影響を与えることを明らかにした。PHMは、PFCの細胞に数パスカルのせん断応力を与えると推定される間質液の移動を発生させる。このシアストレスはリガンドによらず5-HT2A受容体の細胞内移行を誘導することが、トレッドミル走行やPHM後のマウスPFCニューロンで観察された。さらに、ポリエチレングリコールハイドロゲルを導入して間質液の移動を抑制すると、PFCの5-HT2A受容体シグナルに対するPHMの効果が消失する。これらの知見は、脳内の力学的な力によって神経細胞機能が生理的に制御されうることを示すものである。