公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

切り取りダイジェストは再掲。新記事はたまに再開。裏表紙書きは過去記事の余白リサイクル。

新たな冷戦の時代

2010-04-30 09:46:59 | 日記
第二次冷戦時代
 いよいよ明日から上海万博が開催される。ネガティブネタのコマセに反応した敬白マスコミはまんまと中国の情報操作にからめとられている。ネガティブなニュースを古いものにしてしまえば6ヶ月後閉幕後の評価は大成功という筋がきはきれいに掃き清められる。

 オバマ大統領のプラハ演説と、核安全保障サミットは新たな冷戦、遠隔通常兵器の全軍実戦配備と米中の軍拡競争の始まりの新たなステージを世界にアピールした。あたかもテロリストに核の拡散が最も大きな現実の危機であるかのようにステージを束ねたオバマ大統領であったが、このサミットの本心は枠組みの外の核武装国にたいする宣戦布告であるとともに水面下の新たな戦いの表明でもある。

 第一次冷戦時の封じ込め相互破壊回避抑止シナリオは経済的に持ち得ないことが米ソ双方に明らかとなり、経済力でソ連が倒れる形で終結したが、第二次冷戦は経済力では米国は中国に負けるかもしれないという前提から第一次冷戦の封じ込め戦略を破棄した。こう考えるのが最も自然な分析だろう。

 第二次冷戦は通常兵器の遠隔操縦を実現する無国境でグローバルな情報通信と制御とセンサーのハイテク、自律的エネルギー自給型部隊の戦いとみている。すなわち20世紀のような物資の供給よりも、電力と情報の前線供給が重要な戦争継続のキーになる。もちろん米国はすべての核兵器を廃棄すると決めたわけではない。

 上海万博という世界融和ムードの裏で、着々と第二次冷戦が西太平洋(中国の言う東中国海)で深まっている。
 勝敗を決するのは20年後か30年後かわからないが、ハイテク産業を味方陣営に取り込むために、第二次冷戦の草刈り場となるのが日本産業の運命とみている。
 したがって目敏い商人ならば、米中どちらにも商機の保険をかけることだろう。もし日本が第一次冷戦のときにソ連側についていたら、今頃はリトアニアとエストニアみたいな状態になっていた事だろう。もしかしたら北海道の50歳以上はロシア語が読み書きできたかもしれない。日本が分割も言語強制もされなかったのは単なる幸運だった。
 さてこれからの30年、はっきりしているのは貿易で稼がなければ、成長できない。売るものがなければ内需だけで60年代のGDPに逆戻りする。人口7500万人ぐらいで均衡させるのならそれでもいいと考えるのは、子孫の事も考えない、逃げ切りをねらうか、ドルベースでは所得が増えているとうそぶく国賊の輩だ。
 過去の20年と合計して50年以上所得が増えない見込みならば、この國は夢滅びた國と言ってよい。
 GDPの質が米国の7割を超えほど個人消費になれば豊かになるというのは幻想である。生活する為にだけ手元金が回っている社会は夢滅びた社会だ。産業に投資せず、公共事業もしないで、金融資産増だけで生きてゆこうというのも幻想(あるいは逃げ切り世代の嘘方便)である。これはスイス傭兵で國が守れると考えたローマ帝国と同じ間違いだ。
 第二次冷戦は軍事的なものばかりではない。むしろハイテク投資競争と言って言い。投資促進、経済の軍事化、非公開軍事特許の保護、技術逃避規制、原子力利用規制の大幅な緩和策を設けなければ、知恵で米中に伍して国家を存立させることはできない。
 
 

以上は私の考え。
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以下は、櫻井よしこ ブログより引用
「今回の中国艦隊の航行と、これまでの航行との最大の相違はその規模と編成にある。規模の相違は軍事力の相違である。中国海軍は2008年11月、09年6月、今年3月に、4~6隻の編成で今回と同じ海域を通過した。今回は10隻で、完全な艦隊としての航行である。艦隊には補給艦も含まれている。」
http://yoshiko-sakurai.jp/index.php/2010/04/24/
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以下は人民日報日本語版30日『中国海軍の東中国海訓練は誰を刺激したのか』より引用

「先ごろ、中国海軍は年度訓練計画に基づき、東中国海から宮古島付近の東南海域で正常な海上訓練を展開したが、日本をはじめとする一部のメディアと組織は今回の訓練に強い関心を示し、日本政府はすぐさま声高に「関心」を表明した。北沢俊美防衛相は「これ以前に、こうした状況は発生したことがなく、中国に日本を対象にしたどんな意図があるのかを含め、調査を行う」との考えを示した。」

「正常な海上訓練が、なぜこのように常軌を逸した関心を呼んだのか。この海上訓練は、まったく正常な訓練である。訓練の領域は完全に公海上にあり、通過するすべての海域も、国際水道と公海であり、国家主権を有する正常な活動の範囲にあるからだ。日本防衛省の高官も中国の今回の行動は国際法に違反していないと認め、しかもわが国も声明でこの事実を強調しており、今回の訓練はまったく正常な訓練なのである。それに基づく中国の戦略的意図に対するいかなる妄想も無から生じたものだ。」
(略)
「中国の国防力の増強は、国際社会や周辺国であれ、国内の市民であれ、穏やかな気持ちをもって見るべきだ。われわれは、中国のすべての行動も、自らの国防力の増強は人類の平和、地域の安定に貢献できることを証明するだろう、と確信している。」
http://j.people.com.cn/94474/6968577.html
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